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「こんにちは〜」
「プリシラ来たか?」
「わっ大神官様、直々お出迎え?」
「もちろん君のフォエバーラブもいるよ」
「てことは?」
「はーい!プリシラ待ってたわよ」
また今日も三人組が揃ってる。絶対ヒマだろ?
「レポート読んだぞプリシラ。家族を巻き込んで検証するのは推奨せんが、皆、元気か?」
わ〜大神官様にもバレてる!
「はい…元気です…」
「確かにプリシラは上級回復魔法も使えるが、それに甘んじるなよ」
「はい。反省します」
イノにまで注意されて、プリシラはシュンとなる。
「ちょっと2人共!悪いのはプリシラじゃないわ。調子に乗って協力する大人たちが、止めないのが悪いのよ」
「そうだな〜どうせキャスは「私を実験に使え!」とか言ってきたんだろ?」
That's right!
「何で分かるんですか?!」
殿下にも直ぐバレちゃったし。
「あいつは、お前とはまた違う魔法バカだからな」
「わ〜納得。それで今日は、あのレポートの件で私をお呼びになったのですか?」
「違う。これをお前に渡そうと思ってな」
「魔法書ですか…」
そんなに分厚くはないが、かなり古い書物がプリシラに手渡される。
「中を見てみろ。何の呪文か分かるか?」
大神官様は何の魔法か?じゃなくて何の呪文か?と仰せになった。
呪文を見てみろという事?
プリシラは魔法書のページをめくって呪文の羅列を見る。
またスッゴい長い呪文だ。これは長さ的にも恐らく上級魔法なのではないか?プリシラはブツブツと呪文を読んでいく。
この呪文は、まず攻撃魔法ではないだろう。
なぜなら人に向けてかける魔法に共通の呪文がある。そして身体のどの部分に対してなのだろう?…初めて読む呪文にぶつかると、分からないな〜。
「どうだプリシラ、呪文を見て何の魔法か分かったか?」
「ん〜ちっとも分かりません。ただ何か体の特定部分に対する回復…いや治癒魔法なのかな?それの上級魔法なのは推測できます」
「なるほど。我々と同じ見解だな」
「見解?と言うことは何の魔法かは、皆様にも分かっていないという事ですか?」
「そうだ。その魔法書の本の表紙にも題名が無い。しかも魔法書の前方ページにも『この魔法書は失うべからず』としか書いていない。魔法の効果どころか、魔法の取り扱いや危険性とか、そういう注意事項すらない。それなのに「本を失うな」と、それだけが警告されている」
「では、きっと重要な魔法ではあるのですね。発動させてみた事は?」
「ない。その魔法がどんなに重要であっても、何の魔法か分からない上、やはり非常に長い呪文で詠唱も難しい。そんな呪文に取り掛かれるほど、我々には時間も余力もない。しかも、そなたらほど研究意欲もある訳ではない」
「では代わりに、我々がこれを検証せよと?」
「ちと違うぞプリシラ。そなたらでの検証は推奨せんと言ったばかりであろう?しかも上級魔法である事は間違いない。つまりそれを唱えられるとすれば、そなただけなのだよプリシラ」
「では私にとりあえず覚えろと?」
「あぁプリシラ!そなたにはまず先に、結論から説明せねばならんのだな」
「父上、代わりに私が説明しますよ。プリシラ、我々はその魔法は体のどこかの部位の欠損を蘇らせる魔法ではないかと推測しているんだ」
「再生魔法?!」
「そうだ。だから表紙の題名も無いけど、失ってはならない魔法書なのではと」
「だとしたら、この本の厚さからして、数種類の魔法があって其々が体の各部所の再生魔法なのかも!」
「ああそうかもな」
「だったらまず優先なのは指かな?いや目かも!だけど手とか腕なら指ごと再生する?…」
プリシラは本を抱き締め、ブツブツと独り言を言い始める。
「凄いわね。もう集中しだしたわ」
「ああ、でもさすがにこれは一人でやるのは困難だな」
「プリシラ、プリシラッ!」
「はっはいっ」
いけない!あっという間に魔法にのめり込んでしまった。
「先にホーリーを優先させろ。そして春から学校の魔法学の授業を使って、教師として送り込む神官と共に、その魔法書を進めよ」
「えっホーリーは夏までかかる予定だったのに」
「今から春休みも使って打ち込めばよかろう」
「そんな簡単に!ホーリーは詠唱が難しいのに〜」
「プリシラ、その魔法書の事はキャスには言うなよ?そして絶対に失くすなよ。一応、保護魔法と位置確認魔法は施してあるが」
「分かりました」
紛失も気を付けるけど、兄には言えないな。きっと兄が知れば、兄もこの魔法に夢中になるだろう。
もし体の欠損を再生できる治癒魔法であるなら、かなり凄い魔法なのだ。
プリシラは屋敷に戻ると、自室の机の引き出しに魔法書を仕舞い込んで、聖女の杖でバリア魔法をかける。
これで誰もこの引き出しは開ける事が出来なくなるのだ。




