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魔法少女は無理がある?!〜魔法の呪文をヘビメタにのせて♪〜  作者: 朱井笑美


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「イノチェンツィオー!!」

「父上、叫ばなくても聞こえてます。ずっと向かいに座っているじゃないですか」


「これが叫ばずにいられるかっプリシラの奴が、またやりおった!」

「二種類の魔法の掛け合わせですね?なるほど考えたもんだと思いましたよ。さすが15歳、脳が柔軟だ」

「イノ、でもそれだけじゃないわ。あの子、呪文の意味を無意識かもしれないけど理解しているわ」


「そうだ!あの難解な意味不明の言葉の羅列を理解しなければ、魔法の掛け合わせなんぞ出来るはずがない。イノチェンツィオ!直ぐにプリシラを呼び出しておけっ」


「父上、そんな事よりも、もっとプリシラに神殿からも感謝を伝えるべきですよ?」

「そうだわ、お父様。この冬は国境の河川の浄化の影響で、魔物の発生が抑えられた可能性が高いわ」


「そんな事、分かっておるわ。だからアレを渡してやるのだ」

「アレですか?」

「そうだ。プリシラになら出来るかもしれん」

「でもお父様、そんな事したら…いっそプリシラを神殿で保護したいわね」


「それは無理だろう」

「無理だろうな。伯爵家は昔から家族の絆が強い。それにプリシラはきっと負けんじゃろ?」

「そうだな」

「そうねぇ。フフフフ」



「なあ第一王子よ、余は “聖女の魔法書” をプリシラに授けようかと思ったのだが、先に神殿が動くそうだ」

「そうですか。それで良いのでは?順を追って学ぶべきでしょう。聖女の魔法書では、プリシラは一足飛びにそちらに食い付きますよ?」


「そうだな。そなたはどう思う?このタイミングでのプリシラの存在は?しかも第二王子の属性との関係性もだ」

「さあ全く。アーノルドが学校に入学すれば分かることでしょう。生徒会で、プリシラとも接触するでしょうし」


「この春に入学するのは第二王子だけではない」

「そちらの方も心配をされておいでですか?これまでだって侯爵家、伯爵家、両家以外からも、まれに光属性の子女の入学はあったはずです」


「ああ、しかしほとんどが両家の遠縁である事が多かったであろう?今回は全く無縁の者だ。しかも平民出だと言う」

「子爵令嬢として入学すると伺いましたが?」

「ああ。子爵家の領地で本人が10歳の頃に見つかったそうだ」


「なら下位貴族ですし、貴族令嬢としての教育も間に合ったのでは?」

「そうだな。光属性は見つかっただけでも僥倖(ぎょうこう)であるしな。第二王子の入学と重なった故、少し神経質になっておったかもしれん」


「はい。私も最終学年にはなりますが校内の事に関しては、引き続き気に掛けておきます」

「頼んだぞ、第一王子」

「御意に」



「アーノルド、少し良いか?」

「兄上、このレポート拝見致しました。このプリシラという令嬢は天才なのですか?」

「ああ、それに近いな。しかし見た目は幼なげな少女だが、中身はとんでもない…」

「とんでもない?」


「あ〜何と表現するか難しいな。一見、猪突猛進のようだが用心深くもある。性格も優しくて情け深いが、どこかトゲがあり毒もある。ああ、だけど何より正義感があるな。光属性なのをとても誇りに思っている。家族の事も」


「そうですか。だからこの魔法を思い付くのですね?」

「そうだな。きっとお前の事も導いてくれる気がしている」

「兄上がではなく?」


「私はもう風属性としては、お前の助けにはなれない。出来ることも試せることも全てやった。お前の属性の前任者が、今は居ないのは残念だ。記録も少ないしな。だがプリシラがきっと新しい視点をお前にくれるだろう」


「兄上は随分、その令嬢の事を買っておいでなのですね?それで、私の同級生になる新たな光属性の令嬢はいかがなのですか?」

「気にかける必要はない。と言っておきたいが、あちらは生徒会への参加を希望してきた。それは光属性故、こちらは拒めない」

「分かりました」


「交友はお前に任せる。必要が無ければ、どちらともつるむ必要はない。生徒会長になるルイスは冷静かつ柔軟で優秀な者だ。伯爵家の者だが頼りになる。他の役員も同様だ。心配するなアーノルド」


「うん。兄上」

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