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討伐を終えて帰宅すると祖母が「プリシラ!良い物を見つけたのよ!来てちょうだい」と、すごくはしゃいだ様子で玄関まで迎えにやって来た。
父等と共に祖母に連れられて応接室に行くと、他の家族も全員揃っていた。
何かと思って祖父を見ると「ご先祖様の遺物を見つけたんだ」と祖父も嬉しそうに言うので、ローテーブルの上を見ると少し褪せて年代を感じさせるが、美しい装飾の細長い箱が置いてあった。
「ずっと忘れられていたのだが、プリシラが魔法を使うのに役立てばと思って、我が家の宝物庫を探させていたんだよ」
「お義父様!もしかして、王女様の見つかったの?」
母も今、聞いたばかりのように祖父に尋ねている。
王女様なんて、初代聖女様の娘である次女殿下くらいしか我が家にはいなかったはずだが?と考えていると「我が家に聖女様の次女の殿下が嫁がれた時に、お持ちになった魔法の杖なんだよ」と祖父が言い、この場に居る全員の目が箱に釘付けとなる。
「今まで必要だとも思った事がなかったから、長いこと忘れ去られていたんだけど、もしかしたらプリシラの魔力の助けになるんじゃないかと思ってね」
「元々、我が家に言い伝えはあったんだ。『魔法に困った時は〜』みたいなボヤッとした言い伝えだったんだが、今回、言い伝えを元に書庫を探していたら、王女殿下の日記にヒントがあった」
「それには『いつか私の子孫が困った時は、これを使ってくるかしら?きっと素敵な魔法使いになれるわよ』って書いてあったから、婆様と宝物庫で見つけてコレだ!ってなったんだ」
と祖父が張り切って言う。
「さあ開けてみてプリシラ!」
祖母も期待して言ってくるので、プリシラは恐る恐る箱を開けてみると、なんと箱の中には前世の幼少期のアニメで見た「魔法少女のステッキですか?」というような白とピンク、ゴールドで彩られたキラキラしい20センチくらいの棒が入っていた。
しかもご丁寧に、棒の先端のクリアな球体にはピンク色のハートが入っている。
「えええっ!絶対、魔法少女の魔法のステッキじゃん!!」
プリシラは心の中で絶叫する。
前世の母も、大人になっても見ていた日本のアニメのヤツじゃん!なんでここにあるの!?
叫びは心に留めておけたけど、表情には思い切り出てしまっているはずだ。
私、きっとドン引きして口が開いているわ…。
一体、次女殿下は何者だったのだろう?
転生者だったのかしら?
じゃないと、こんな物作れないはずだ。
「それにしても新品のように綺麗ね?さすが魔法の遺物だわ。さあプリシラこれを早速持ってみて!」
母が非常に残酷なことを言う。
兄が「これは女性向けなのかな?」と首を傾げて言う。
姉が「わぁ何だか可愛いわ。プリシラ早く持ってみて」と急かす。
プリシラは家族の大注目の中、再び恐る恐るステッキを手に取ってみる…が、握ってみてもステッキには何も変化は起こらない。
やっぱりオモチャなんじゃないの?と思うけど…。
「何も起こらないわね?」と祖母が残念そうだ。
「魔法を使う時じゃないと反応しないんじゃないかな?」
兄が物欲しそうにステッキを見ているが「お兄様、あなたがこれを持ったらヤバい人だから」とプリシラは心の中で指摘する。
「王女様はこの杖をどのように使ったとあるの?」
母が父に尋ねるが「さあな〜ただ次女殿下は聖女様や姉の殿下よりも魔法のコントロールが上手くできず、杖に頼ったという当時の記録しかないんだ。だからこの杖のことじゃないかと思うのだが」と分からない様子だ。
「ご本人の日記にも『お母様が私のためにくれた杖なの。異世界の知識を基に作られているそうよ。とても素敵でしょ?だから私の子孫に残すわ。いつか私の子孫が〜』の文につながるんだ」
と祖父が言う。
初代聖女様が転移者もしくは転生者だったのか!?
プリシラはステッキを色んな角度から観察してみる。
どこかに電池入れる所があるんじゃない?オモチャ疑惑ありありの杖だ。
「コントロールに使うなら、魔力量には影響を与えないんじゃないか?だから僕が試してみてもいいか?」と兄。
お兄様はどうしてもコレが欲しいようだ。
どういう趣味してんの…?
「コントロール力が上がれば、一緒に魔力効率も上がると統計が出ているのはお前も知っているだろう?プリシラは、すでにお前と変わらないくらい魔法を使えるぞ」
祖父がそう言うと、兄はショックとガッカリが合わさった器用な表情で固まった。
お兄様、私の本音を言うなら、あなたに杖をお譲りしたい。
でも魔力の少ない私は恥を忍んで試してみないといけない…だろうか?と自分に疑問文で問いかけつつ「とりあえず色々試してみます」と受け取ってみた。
それから父が「王宮の資料室でも杖について、更に何か情報がないか調べてみるよ」と言って、とりあえず今日は解散になった。




