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どうでも良い事を考えていたら、直ぐに現場に到着した。
戦闘はすでに始まっていて騎士の数人が、付近の住民を避難させ護衛に回り、残りの騎士達が魔物が岸に上がらないように奮闘し、なんとか持ち堪えている状態だった。
川の魔物は、前世の河童とか半魚人に似ていて、見た目にもやっぱりグロい。
プリシラは直ぐに戦闘中の騎士達に「トゥッ!」と呪文の要らない簡易回復魔法を、聖女の杖を使ってかける。杖を使うなら、きっと初級の広範囲魔法に近いはずだ。
そして殿下が中級魔法の強風「ハリケーン」で魔物達を一瞬、水中に退かせると「今のうちに前衛の騎士を下げて入れ替われ!」と指示を出し、我々と一緒に来た騎士達を前に出す。
侯爵令息もポールさんも前衛に出て行ったので2人を中心に初級の強化魔法をかける。
セザンヌは「ゴクリ」とツバを飲み込んで、私の側で鞭をいつでも振れるように構えている。
侍従殿も殿下を守れるように控えている。
私は戦況を見て次の魔法を考えていたのだけど、なんと侯爵令息とポールさんだけで、どうも片が付きそうだった。
令息がガンガン魔物を凍らせて、ポールさんがデッカい斧で凍った魔物を砕いている。
他の騎士達はポールさんがバーサーカー化しているので横に退避し、時々、漏れ出る魔物を討ち取っていた。
「う〜ん討伐ってこうだったっけ?」と思いながら、横にいる殿下を見ると「強化魔法中の2人だけで済みそうだな」と仰った。
セザンヌも鞭を下ろして「ミケランジェロお姉様達と同じだ」と呟いた。どこまでも視点がそれなんだな。
「プリシラ、今のうちにここの川にもライトアローを頼む」
と殿下が仰ったので、私も頷いて聖女の杖で “デッドエンドラン” を唱えておいたら、閃光と共に魔物もあっという間に消滅してしまった。
今回は目に見えて効果があったようだ。
でも、もしかしたら次は河川の別の場所で、魔物が発生してないといいけどと心配になる。
魔物の発生時間帯は昼夜関係ない。
「侯爵令息!ポール卿を殴れっ」
と殿下が言ったそばから、セザンヌが鞭でポールさんを縛り上げ電流を流す。すると彼は直ぐに正気に戻った。
セザンヌ、なかなか便利だ。
「侯爵令息、次は河川の下流に向かおう!もしかしたらプリシラの浄化の影響で魔物が上流と下流に散ったのではないか?」
殿下のその言葉で我々は直ぐに引き返して、今度は下流に向かった。案の定、下流でも上流と同じような事が起こっていた。
プリシラは直ぐに2人に強化魔法をかけて、2人が戦っている間に川を浄化すると、やはり魔物も消滅してしまった。
そしてセザンヌが、ポールさんを正気に戻して終了だ。
「討伐ってこうだったっけ?」とまた思い返すことになった。
その後、夕食の時、侯爵令息とポールさんは饒舌だった。
「いや〜プリシラの強化魔法は凄いな〜!」
「一瞬、ドカンと衝撃が来るが、効果が凄い!魔力強化だろ?」
「身体強化だろ?」
2人が同時に違う魔法の感想を述べた。
『どういう事だ?』と全員の目がプリシラに向く。
「あ〜以前、ルシア先輩と魔力と魔法強化のどっちを優先するか悩む事があるんですって相談した事があって…で、その後、両方を掛け合わせる呪文を思いついたんです。それで今回は魔力と身体強化を掛け合わせてみました。初級魔法ではありましたが、一石二鳥でしょ?」
「‥‥‥プリシラ、それは伯爵には?」
「まだですよ?今日、試したばかりの魔法ですから」
「‥‥‥もし聖女の杖を使ったなら、その効果と範囲は「レイノルド様!お話中、大変申し訳ございませんが、今はお食事中と存じます。しかもここは侯爵家でございますよ」
殿下は熱中すると周囲が見えなくなるようだ。殿下の侍従殿の鋭い突っ込みが入る。
「ああ、済まない。こんな話、食事が不味くなるな。せっかくの川エビのパスタだったのにな」
その後は討伐のことは、一時、忘れて違う話に話題が変わる。
侍従殿、殿下にも意見できるんだな。出来る侍従スゴイ。
そしてこの川エビのパスタ本当に美味いしい。
前世の父がうるさかったスカンピと互角だな。




