↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女は無理がある?!〜魔法の呪文をヘビメタにのせて♪〜  作者: 朱井笑美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/101

53

「不敬罪に値しますよ?第一王子殿下の御前で無礼を働いた。屋敷の者に止められたにもかかわらず」

 私は本気ではないが、色々と虫の居所が悪くてそう言い放つ。


 令嬢は殿下の存在に気付いて、慌てて頭を下げスカートを摘み礼を取る。発言も許されていないので黙って下を向いたままだ。

「侯爵、この者は?」

 殿下も冷たい空気をまとって本人ではなく侯爵に尋ねる。


「第一王子殿下、この者は辺境伯家の令嬢でございます。どうか無礼をお許し下さい」

 と侯爵も頭を下げる。

 殿下はチラッと私を見る。彼は私の不機嫌を悟っているのだろう。


「追放で良いのでは?そうすれば令息の望まぬ縁談も無くなるではないですか」

 私が侯爵令息を見ると「そっそこまでしなくても!」と彼は慌て出した。

 助けてやるって言ってんのにな〜。嘘に決まってるんだから便乗してくればいいのにと思って殿下を見ると、殿下も面白そうに口の端を上げている。


 令嬢はずっと下を向き、スカートを摘んだままの姿勢で震えもせず耐えている。おう、なかなかだな。

 淑女科とはずっとコレをやってる訳ではないよな?


「プリシラ、彼女に八つ当たりはもういいだろう?令嬢、礼を解いて発言を許す」

「はい。第一王子殿下のご配慮に誠に感謝致します。そしてそちらの令嬢は伯爵令嬢でらっしゃいますの?」

 と彼女は私を見た。


 令嬢と目が合うと「私、辺境伯家の長女で、キリコでございますわ!令嬢!令嬢のお兄様に、どうかどうか私のお取りなしを!」と急に私に縋ってきた…。


 そう言えばキリコさんは兄に振られたんでしたっけ?

 一体、この場はどうなってるの?と混乱してきたが、私どころか殿下も状況がさっぱり分からないようで、再び眉間にシワを寄せている。


 それからちゃんと侯爵様の話を聞くと、辺境伯家嫡男と双子の姉妹が跡継ぎをもうけるだのの話は無くなったそうだ。

 従姉妹にあたるし本人達も望んでないからだそうだ。

 

 だったらその弟の侯爵令息と妹の辺境伯令嬢が結婚して、二人の子供の誰かが子供を持てなくなった姉夫婦の養子になればいいという話になり、二人の縁談が持ち上がったそうだ。

 確かに双方にとって良い案ではあったが、結局、誰もそれに賛同していない状況なのだそうだ。


 血縁の都合だけで誰も喜ばない縁談に、その案も立ち消えとなったが、令息にはまだその説明がされておらず、冬の帰省の時に伝えれば良いだろうとなって今に至っていたようだ。


 だけど侯爵様は息子がそこまで思い詰めていたのだと知って、息子にも「早く伝えるべきだった。すまない」と詫びられていた。


「では姉上は…?」

 令息の姉君の魔物討伐は、やはり彼女のストレス発散行為なのだそうだ。

 いずれ考えねばならない辺境伯家の跡継ぎ問題を、今は魔物討伐で紛らわして冷静になろうとしているのだろうと侯爵様は説明なさった。


 だが辺境伯令嬢は、まだうちに嫁ぐとか決まった訳ではないはずだけど。むしろ彼女が辺境伯家の為に婿を取るべきなんじゃないのかな?

 キリコ嬢が「お願いしますぅ」と言って私に縋ってきても、私にはどうする事も出来ないし。


「とりあえず状況は分かった。プリシラ、まずは令息の姉の当人が居ないのだから、ひとまず川を見に行くのが先決だろう」

 と殿下は仰ったが、すでに今日は夕方に差し掛かっていたので川の視察は明日の朝に向かう事になった。


 辺境伯令嬢は泣く泣く自分の屋敷に戻って行ったが、プリシラは侯爵に招かれた晩餐に向かう途中の廊下で、バッタリ男爵令嬢と出会ってしまった。

 私が15歳だと分かってから、彼女の私を見る目が変わったのよね。もしかしてライバル認定されたのかしら?


 プリシラが少し構えていると、令嬢は普通に話してきた。

「驚いたけど、私もあなたと同じ歳よ。でも王都の学校には通ってないの。父は私を戦闘要員にするつもりはなかったみたいだから」

 でも彼女は今回、戦闘要員として参加している。


「うちは侯爵家傘下の家門で、主にこの地域の川で獲れる魚介類の流通やレストランで成り立つ家なの」

 思ってた話と違って少し安心したけど…でも「鞭は?」


「お母様が使えるの。だから母から教わったわ。父も何故か鞭なら良いって言うから…」

 刃物じゃないから?でも詳しい事は聞かないどこう。


「それに私は雷属性なのよ!だから鞭に電気を流すことができるの。難しい魔法は習ってないけど、鞭の扱いは凄く鍛えたわ。ミケランジェロお姉様はとても美しくて強いの。私は憧れていたのよ。だから魔物は絶対許せないわ」


「お父上は怒らない?」

「フフッ大丈夫よ。だって今日も見たでしょ?私なんかが着飾っても見向きもされないわ。だけど一緒に戦うって言ったら直ぐに仲間に入れてもらえた。父も分かり始めたんだわ」


「でも魔物討伐は危ない行為ですよ?」

「あなたも戦うのに?プリシラって呼んでいい?私はセザンヌよ。宜しくね」

 そう言って彼女はプリシラから離れて自分の席に着いた。


 この地域は絵画や彫刻の巨匠が集まる場所ですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。