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「父上、母上、ただいま戻りました!」
「まあレオナルド、第一王子殿下もよくお越し下さいました」
「本当にわざわざこの地域の為に第一王子殿下にお越し頂くなど、申し訳ない事です」
挨拶に出て来られた侯爵様は、令息によく似たシルバーブルーの髪とアイスブルーの瞳の素敵な紳士だった。
なるほど母親以外、全員が氷属性って仰っていたものね。
「侯爵夫妻、共に出迎え感謝する」
「父上、姉上は戻られていると聞いてましたが今は?」
「レオ、あの子はまた討伐に出て行ってしまったの。いつ戻るのやら…」
「レオナルド、先に殿下方を中にご案内してから話をしよう。第一王子殿下、お疲れのところ申し訳ありません」
「いや侯爵、今は速やかにこの地域や川の状況を伺いたい」
我々は侯爵邸の応接室に通される。
執事の淹れたお茶を飲んで一息吐いたところで、令息が両親に尋ねる。
「姉上は、まさかお一人で討伐に出られたのか?」
「いや、あの二人の姉妹が一緒だ」
「双炎の姉妹と?」
「そうだ」
「侯爵、その双炎の姉妹とは…?」
「ああ殿下、道中で俺が説明しただろう?辺境伯に身を寄せている辺境伯夫人の弟の娘達だ」
ん?ちょっと待て令息、少し説明が足りてなくないか?娘達のこと双炎とまで言っていたか?
殿下もそのように思われのだろう。再度お尋ねになる。
「令息の説明には多くの不足があるようだ。侯爵、辺境伯夫人の弟家族は辺境伯の魔物討伐の支援の為に、辺境伯家に身を寄せているのか?」
「殿下、その通りでございます。この愚息がまた言葉を端折りましたか!?」
やっぱりそうか。令息なんて令嬢達に狩られてしまえ!
「殿下、発言を失礼致します。双炎の姉妹は侯爵家と辺境伯家の両地域では、とても有名な双子の姉妹でらっしゃいますわ。辺境伯に嫁がれたミケランジェロお姉様の凍らせた魔物達を、片っ端から炎をまとわせた斧で破壊していかれますの。私もお三方に憧れて、ぜひ今回は討伐に加えて頂きたくて鞭の腕を鍛えましたの!」
「男爵令嬢かっ!?」
侯爵ご夫妻は令嬢を見て目を見開いて驚いている。やはり令嬢の、このお姿は本邦初公開なんだ!
そしてレオナルドはダヴィンチの方だったのね?でもミケランジェロと一緒にいてもいいの?
「斧か…俺と同じ得物だなぁ。ぜひ二人にお会いしてご挨拶しないとなぁ」
また木こりが不敵に笑ってる。
「そちらは子爵令息か!」
「侯爵、祖父や俺が役に立たん間、かなり領地を助けて頂いたようだ。ぜひ当主の祖父に代わって礼を言わせてくれ」
ポールさんが頭を下げる。
「子爵令息、困った時はお互い様だ。しかし正直、子爵家は王家の手が入ると思っていた。まさか卿が全快するとは」
「その件も心配かけたな侯爵。俺も祖父もそこの嬢ちゃんのお陰で再起した。きっと侯爵家もどうにかしてくれるぜ!そこの嬢ちゃんがな」
おい!勝手に期待させてハードル上げるなよ!
「父上、母上、こちらは手紙で説明したプリシラ嬢だ」
お前、私の説明は端折ってないよな?大丈夫?
「まあ本当に可愛らしいお嬢様だわ」
大丈夫なようだ。
「ああ手紙の通りだ。だが…本当に15歳か?」
「ちゃんと手紙に書いておいただろう!見た目は幼女だが15歳だって!」
「そのやり取り、本人の前でやるなとは書かなかったのか?奇行子?」
ポールさんが呆れて仰ったが、ポールさんのその言い方だって、私を庇っているようで、そうじゃないからね!
「ああ申し訳ないな伯爵令嬢、我々のワガママに付き合わせておいて、大変な無礼を働いた」
「あなた15歳だったの!?」
ちっとも良くないが「もういいです」って言おうとしたら、男爵令嬢の突っ込みの方が先だった。
だけどそれだけじゃなかった。
「ちょっと!レオが帰って来たって聞いたわよ!」
と言ってご令嬢が飛び込んで来たのだ。
「申し訳ありません!大事な来客があってとお止めしたのですが!」
と執事も同時に飛び込んで来る。
そこは大事な来客じゃなくて、第一王子殿下って言わないとダメなとこだろう。
さっきから、会話を外れてらっしゃる第一王子殿下が、眉間にシワを寄せて腕を組んでらっしゃるぞ!




