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魔法少女は無理がある?!〜魔法の呪文をヘビメタにのせて♪〜  作者: 朱井笑美


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「プリシラ、気を付けろと言ったのは、先程のような令嬢の件もあるが、君に個人的に頼み事をしてくるような相手に対してもだ」

 第一王子殿下はそう言って侯爵令息を睨むように見る。


 だけど侯爵令息も負けじと殿下を睨み返している。

 おいおい相手は王子だよ、大丈夫?


「プリシラがピアノ同好会を辞めたのは俺のせいだと思ってた。だけど殿下が脅して辞めさせて、無理矢理、生徒会に入れたんだろ?俺を誘った時のように!」


 わー!!無理矢理だけど脅された訳ではない。

 いや権力者の勅命は脅しの部類に入るか?

 だけどピアノ同好会を辞めた理由は、ほぼあなたで間違いない。


「レオナルド、君は生徒会の催促を断れただろう?もちろん君の家の事情も知っていたから強く引き留めもしなかったし」

「チャールズ、俺が生徒会に入ったところで何か変わったか?」

「そうだな。お前はカスティエル先輩に一度、断られているしな」

 どういう事?


「そうだけど、頼むプリシラ!一度、話だけでも聞いてくれ」

 それはピアノ同好会の話ではないという事なの?


「侯爵令息、光属性の魔法使いに個人的な依頼はすべきではない。他の貴族も同様で弁えている」

「そんなの分かってる。だけど決めるのはプリシラだろう?」


「はぁ〜プリシラ、お前多分、事情を聞いたら断れない人だと思われてるぞ?」

「リチャード先輩、私、そんなにお人好しじゃあないですけど」

「いやお人好しだな」

「お人好しだ」

 ええっ〜!!三人とも同じ意見なの?


「レオナルドもそう思っているだろ。だから君に直接依頼しようとしているんだ」

 プリシラが侯爵令息を見ると「サッ」と目を逸らされた!マジで?


「侯爵令息、ちなみに兄は何て言って断ったんですか?」

「プリシラ、そこは彼が何を頼んだかじゃないのか?」

「兄の断り文句を聞けば、依頼内容も分かるでしょ?」

「お前ってヤツは…どこまでも端折るな…」


「カスティエル先輩は「私には、まだその能力は無い」って仰った。「ちなみに妹もだから頼むなよ」って」

 妹って…多分、姉の事か。


「だけど私にはその能力があるかもと?」

「君は討伐負傷者の病院で奇跡を起こしただろう?それに…最近あった戦没者の墓地の件だって君なんだろ?」

 色々とバレてる!


「侯爵令息!その話は」

「分かっている。他の誰にも話していない。だけど俺は他にも体験してるんだ。だから君の事、ずっと探らせてもらってた」


「令息、他の体験って?」

「俺は君とピアノの連弾をしていて、治療中の腕や足の傷も、身体中の打撲や擦り傷の跡も、全ての傷や痛みが全部キレイに治ったんだ」


『!』

 その時、令息以外、その場の全員で驚いたと思う。

 私は全く自覚が無かった。そもそも魔力も魔法も込めてピアノは弾いてなかったし。


「同好会の他の皆にも聞いてみた。でも誰も俺みたいな傷を負った人はいなくて…他には、きっとあっても自覚症状がないし、誰も俺と同じような経験はしていなかった」


「令息は私に回復魔法をお望みなのですか?」

「それは…他にもあって…」


「…プリシラ、結局、話を聞くんだな?」

「聞かないと断るにも断れませんし」

「君は聞いたら、きっと断らないぞ」

「私もそう思う」

「俺も」

 殿下!チャールズ先輩も、リチャード先輩もそう思うの?!


「仕方がない場所を変えよう。令息、プリシラは君の話を聞くそうだ。だが私達も一緒に聞かせてもらう。そして内容によってはプリシラが承諾しても反対させてもらう。それが条件だ」

「分かったよ」


 侯爵令息は渋々ながら承諾していたけど、ほぼ私抜きで会話が進められているよね?まあ…話は聞くつもりだったけどさ。

 

 私達は校内の殿下のサロンに移動する。

 殿下は普段、生徒会の仕事と授業以外はこのサロンでお過ごしなのだそうだ。どうりでお昼時は一度も見かけた事がないし目撃情報もないはずだ。

 王族って前世の芸能人と一緒だな。本当にプライベートが限られている。


 サロンは少し豪華な応接室のような部屋になっていて、殿下の侍従が普段、サロンに待機なさっていて殿下のお戻りを待っているそうだ。

 全員がソファに着席すると、殿下の侍従がお茶を出して下さった。


「それで侯爵令息は私に何をさせたいのですか?」

 プリシラは、王家ご愛用のお茶の香りを楽しみながら、単刀直入に尋ねた。

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