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魔法少女は無理がある?!〜魔法の呪文をヘビメタにのせて♪〜  作者: 朱井笑美


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 プリシラの侍女のサラが短くなったプリシラの髪を梳かしながら言ってきた。

「プリシラお嬢様、何だか最近…髪の色が薄くなっておりませんか?」

 プリシラが幼い頃から側にいる侍女で、彼女はプリシラの事をよく知っている。


「えっ髪が薄く?ハゲてきてるってこと?!」

「いいえ、以前より髪の色が薄くなったような…」

「ミルクの量が増えた?」

「まあそんな感じです」

 プリシラ対応の侍女は、プリシラとの掛け合いにも慣れた熟練の侍女だ。


「お嬢様の髪色はミルクティと言うよりは、カフェオレですよね?」

 と言ったのもこのサラだ。

 当時は、この正直過ぎるサラに激しく傷付いたものだが、あまり淑女らしくないプリシラにもやかましくなく、裏表も無いし率直な意見もくれる貴重な侍女だった。


 登校前の朝日が差し込む明るい部屋で、身支度を整えているから髪の色も明るく見えたのだろう?というくらいの認識だった。

 だけど、そんな事よりも恐ろしい事実がまた発覚したのだ。


「杖は回さなくても使える」と次女殿下が日記に書いていたのだ。

 使用方法の正しくは“呪文を唱えながら対象に向ける”だけ‥‥‥

 普通に普通の杖の使い方だったのだ。しかもバトンに変化するという事実もなかった。


 どう言うことなの?!

 プリシラが、たまたま回したからバトンになったって言うこと?

 普通に使っていたならバトントワリングなんて、しなくて良かったんじゃん!


 次女殿下は多分、遊び心満載の人だったのだ。

 日記の後半のページに「杖の使い方はね〜」って書いてあったらしい。後世に読まれることを意識した日記だったそうだ。

 お祖父様もビックリしていたよ。

 次女殿下!日記にエンターテイメント性は要りませんから。

 子孫しか読まないでしょ!


 翌日、プリシラは侍女にしっかり手入れされたサラサラストレートの髪を靡かせて登校の為に用意された馬車に向かう。

 姉は夏休み前に、乳牛や野菜を育てる畜産農家に泊まりでインターンシップに行っていて、今は1人で登校している。


 学校の最高学年は実技重視なので、姉は着々と魔法薬師の道を広げるために頑張っている。プリシラも負けてはいられない。

 早く攻撃魔法を身に付けたい。しかし光属性の魔法使いはバリア、回復、強化魔法などの補助魔法の上位魔法が優先だ。


「聖女の杖を使うなら、そこを優先に目指せ」

 と父に厳命されているし、もちろん、そのつもりだ。

 光属性の光魔法使いは人数も少ないし忙しい。

 少ない故に忙しいと言った方が合っているか。


 戦闘中は仲間への防御や回復、補助の魔法だけで精一杯ということが多い。

 そして光魔法の攻撃魔法は威力があるだけに、呪文も途方もなく長く、直ぐに発動できない。更に前衛より後方にいるため、攻撃魔法が味方にHITするかもしれないデメリットもある。


 光の攻撃魔法を使いたいなら、先に他の上位魔法を極めろ!が皆の総意だ。だから攻撃魔法を覚える前に補助系上級魔法を少しでも極めなければ!!

 きっと聖女の杖がなければ、プリシラは上級魔法どころか中級魔法だって使えなかったかもしれないのだ。だからこの杖は自分のワガママで使って良いものじゃないんだと自分に言い聞かせる。


 だけど要は回復と補助の上級魔法さえ問題なく使えれば、あとは自由なんだよ…フフフフッ。

 プリシラは魔物との戦闘で有効だと思える攻撃魔法も同時にコッソリ覚えていくことにした。


 やる事はほぼ呪文の暗記だ。

 だが前世の父の楽曲を思い出しながら呪文を当てはめていく作業だと思えば、そう苦行ではない。

 聖女の杖さん一緒に頑張ろうね。もうプリシラは杖との一連托生を心に決めた。


 魔法少女よドンと来いだ!

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