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魔法少女は無理がある?!〜魔法の呪文をヘビメタにのせて♪〜  作者: 朱井笑美


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 真新しい学校の制服に身を包み、最高学年になった姉と共に馬車で学校に向かう。

 入学式は学校長と生徒会長になった第一王子殿下の新入生歓迎のスピーチで始まり、先生方の紹介の後、解散となり各自の教室で基本授業と選択授業の説明を受けて終了した。


 その後は帰宅してもいいが、午後はクラブや同好会、研究会の紹介があり、それらに参加した方が友達もできて余暇が充実するという事で、ほとんどの生徒が残って校内の食堂で食事をしていた。


 生徒会はクラブ活動扱いになるそうだが、生徒の代表なのでもちろん普通には入れない。生徒会は現生徒会役員か前役員の推薦や指名で決まるそうだ。

 実はプリシラは入学前に生徒会の打診を受けた。

 恐らく聖女の杖のせいかと思ったけど、でも自分はそんなガラじゃないし、王子殿下がいる事で更に激戦となっている席を一席もらうのも気が進まなくてお断りしている。


 どうせなら、もっと楽しそうなクラブに入りたい!と思って食堂に行くと、姉が遠くから手を振っているのが見えた。

「プリシラ〜薬物研究会に入らない?」


 お姉様!そのネーミング、超ブラックです。

 前世の記憶があるプリシラは過剰に反応する。

 この世界にも麻薬のような薬はもちろんある。そして前世と違う使い方が1点ある。犯罪者を罰する時に犯罪者が悪意を持たないようにする為に麻薬を盛るというものだ。


 これは一般常識ではなく、かなり極秘情報だがプリシラの家は魔法薬師の家でもある。伯爵家でも極秘レベルで麻薬は作られ、管理が徹底されている薬だ。

 それを彷彿とさせる名前の研究会じゃないか?


 クラブ活動は、ゆっくり時間をかけて決めても大丈夫だ。

 プリシラは姉とランチを食べながら、クラブ活動の一覧表を眺める。膨大なクラブや同好会の数があるので、この場では決め切れない。

 1人で何個のクラブ掛け持ちできるそうだが、せっかくなら授業で選択しないものに入りたいと思う。


 もちろん読書も刺繍も薬物も無しだ。お姉様、ごめんね。

 プリシラは選択授業に剣術、体術、剣以外の武術(弓や槍、斧)、音楽を選択したが、音楽は主に合唱だった。

 基本の必須授業は魔法、文学、算術、天文気象学、歴史や地理、体育などだ。


 語学はこの世界は多言語ではない。

 1つの言語のみなので学ぶ必要がないのだ。そしてなぜか体育の中にダンスとマナー、礼儀作法が盛り込まれている。

 前世とは全く感覚が違う。しかも球技や水泳もない。ボールがそもそも無い。プールで泳ぐ概念も無ければ海も川も湖も泳ぐものではない。


 しかし魔法には体力が要るので体育の授業は割と多く、授業の前には必ず準備運動と柔軟体操をやる。これは紳士淑女科に行かない限り、貴族令嬢と言えどかなり鍛えられる。

 よっぽど平民より体力を培うだろう。


 戦闘に必要なのはあとは乗馬なのだが、これは魔法科は選択だ。

 魔法師は後衛がほとんどなので、馬には乗れればいいというレベルだからだ。

 プリシラはすでに乗馬はできるし、万が一、他の馬に乗ったら、きっと嫉妬したペルセウスに齧られるだろう。


 1年目は大体こんな感じだが、2年目になると職業訓練に近いものになるらしい。12歳の頃はあんなにやりたいものを決めていたのに、実際は何をやりたいのか?

 前世では一体、何をやっていたっけ?と考える。


 両親とやったもの以外にハイスクールでは、結局、夏休みに亡くなったから1年しか通っていない。

 確か演劇の授業も取ったけど、音響の方を主にやった。チアにも誘われたけど、チアの女子の雰囲気が合わず1ヶ月で辞めたんだった。ダメだ世界が違い過ぎる。


「先に帰るから」と姉と別れて馬車乗り場に歩いていくと、その途中でどこからかピアノの演奏が聴こえてきた。

 この曲は、この世界の巨匠と言われる外国の作曲家の名曲だ。この世界の巨匠もなかなかヤルな!とプリシラは喜んだのだ。


 この音色はどこから聴こえてくるのか?

 プリシラは聴こえてくる方向を探す。音楽室のある建物じゃなくて、さっき入学式があった講堂だ。

 講堂のピアノを演奏している人がいる。音楽に誘われて講堂に行ってみると、ピアノの側にピアノ演奏同好会の看板を見つけた。


 プリシラはこれだ!と思いその場で即入会を決意した。

 ピアノは家でも弾けるが、他人と演奏の良さをぜひ共有したい。

 プリシラは久しぶりにワクワク感に満たされた。

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