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地球連邦戦記  作者: かたな
第二章 太陽系防衛編
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第2章 第5話・多方面同時侵攻1

多方面同時攻撃


 地球連邦統合軍最高司令部及び宇宙軍総司令部は突如として太陽系外周部に現れた巨大要塞に混乱した。


 それは月基地に所在する航宙艦隊司令部をはじめ各セクションの上級組織全てがそうで阿多といえる。


 その状況下において最も早くに再起動を果たし即応したのは航宙警備局であった。


 航宙警備局司令部は航宙艦隊司令部と宇宙軍総司令部、統合軍最高司令部、さらには火星に司令部を置く空間護衛総隊司令部へ即座に連絡要員を派遣し事態の情報共有を図った。


 さらに、指揮下にある全部隊に緊急出動を発令、航宙救難司令部へも協力を要請し太陽系外周部の全スペースコロニー、及び惑星や衛星等に点在する民間居住区への避難命令の発令を混乱状態で機能不全に陥った上級司令部を飛び越えて政府に要請した。


 それだけではない、管轄する全ての宇宙港、ワープステーションへ現状の状況確認のためコンタクトを試みた。


 この時点で空間護衛総隊司令部も混乱から立ち直り、太陽系に残存する十数個の護衛隊を緊急招集し、外周部からの民間人避難のため支援に派遣する。



 この混乱の最中にあって、敵要塞と既に交戦状態に入っている第8、第9航宙艦隊は一瞬の混乱はあったもののすぐに復帰し戦闘態勢への移行した。


 現状での敵軍の撃破は不可と即座に判断した両艦隊は敵の侵攻を遅らせるための遅滞戦闘を選択し、要塞から現れた圧倒的な数の敵艦隊と壮絶な艦隊戦に突入していた。



 両艦隊の現場指揮は第8航宙艦隊司令が担い、次席指揮を第9航宙艦隊司令に割り振ることで指揮系統を整理、一時的に連合艦隊を編成することでより柔軟な対応を取ることができていた。


 「敵巨大要塞より艦艇多数出現!現在計測できた数は約300!」


 オペレーターの報告に第8航宙艦隊司令は顔を蒼白にさせながらも表情は平静を装い、毅然とした態度で指示を出す。


 「各航宙母艦戦隊は後方へ退避し艦載機を全機発艦、全て艦隊直掩に付けよ!対空戦闘は艦載機に全て任せ艦隊は敵艦隊との艦隊戦に集中!駆逐戦隊各隊は小惑星帯へ退避、合図を待って敵艦隊へ突入せよ、一撃の後本隊へ合流、主力戦隊は敵艦隊と一定の距離を保ち敵艦隊の前進に合わせ徐々に後退、第9艦隊は半数を冥王星基地へ転進させ市民の避難支援にあたらせ、残りは本艦隊と連動し行動するよう伝えよ!周辺空域からの民間人避難完了の報告があるまで艦隊は現宙域を死守する!」


 命令は即座に伝達され、艦隊が動く、その動きは主力艦隊と呼ぶにふさわしいほどに素早く、それを見た要塞指揮官は感嘆の息をつく。


 「ほう、艦隊運動も混乱からの立ち直りも早い、しかも何かわなを仕掛けるつもりだな、優秀な指揮官に高練度の兵がそろっていると見える。クロリアお嬢様が懸念するわけだ・・・よし、全軍へ達する。これより第32遠征軍ノルド艦隊全艦隊は敵艦隊を撃滅する!敵は勇敢なる異星の勇者、相手にとって不足なし、敬意をもって正面から叩き潰し、わが軍の武威を見せよ!」


 その号令と同時に要塞からさらに艦艇が排出される。


 ノルド艦隊総数630隻が第8、第9艦隊の100隻前後の艦隊に牙をむいた。


 それとほぼ同時刻、混乱から立ち直った統合軍最高司令部、そして宇宙軍総司令部、航宙艦隊司令部にさらなる絶望的な報告がもたらされる・・・・。


 通信内容はまさに絶望的であった・・・。


 ≪こちら第31中継ワープステーション!突如出現した敵艦隊と交戦中!至急救援求む!既に警備隊及び警備艦隊は半数が壊滅!敵艦隊の規模はーーー≫


 「第31ステーションとの通信途絶!第26、第25、第11ワープステーションにも敵艦隊が出現、現在応戦中!」


 ≪こちら第5居住惑星管区惑星ライラ、現在当管区は敵艦隊の攻撃を受けている!救援求む!≫


 「こちら統合軍最高司令部!現在太陽系も敵の攻撃を受けている!敵軍の撃退次第救援を送る、それまで持ちこたえよ!」


 「第36ワープステーションにも敵艦隊出現!独立機動群と交戦に入りました」


 「大統領府より、大統領命令で緊急事態が宣言されました!全軍出動命令!独立機動艦隊全軍及び保存艦から復帰した艦隊も訓練を中止し実戦配備せよとの命令です!」


 次々にもたらされる絶望的な報告に司令部にいた参謀が呆然とつぶやく。


 「多方面同時侵攻・・・規模がでかすぎる」


 その声には疲労と諦めの色があった。


 それでも、と彼らは前を向く。


 誰かがその参謀のつぶやきに応じことばを返す。


 「ああ、なんだただの多方面同時攻撃か、まだやりようがあるな」


 と


 それに応じるように別の参謀も


 「まだ策定途中だが、想定した作戦要綱がある。これを元に対応策を再構成しよう、それまでは現場部隊には遅滞戦闘の徹底と市民の避難を徹底させる」

 

 そして、地球連邦統合軍最高司令部より全軍に命令が発出された。


 ≪統合軍司令長官 ジャック・ラングレー より地球連邦軍全軍に達する!現在地球連邦はエベロラ帝国による大規模侵攻を受けている!全軍第一級戦時体制を発令、地球連邦軍軍人としての本懐を果たせ!≫

 

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― 新着の感想 ―
 かたなさん、こんにちは。 「地球連邦戦記 第2章 第5話・多方面同時侵攻1」拝読致しました。  いきなり太陽系近辺に現れた、超巨大要塞。  ワープって、未知の航路でも運用可能なのか?  実は、…
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