第七話 side 審判
他の人視点ってこんなもんでいいのだろうか……
何なのあの子は!そもそも今日の体験自体が夢見たいって思ったわ。
ふむ、あの子が私の審判を受ける子ね。あんなちっちゃい子で大丈夫なのかしら。
えっ!?次元収納からモンスターを取り出した!?なに!?そんなことありえるの!?
……ゴホン、少し取り乱してしまったわ。そうよね。あの子には素質があるんだわ。
けれど、ドラゴンをテイムできるし、次元収納を使える子っているのかしら……
えっ!?もう15頭倒してる!?いやいや、受付の子やんわりとダメって言おうとしたんだよね?
しかもあの子なんでこんな簡単に倒せるみたいな顔してるの!?アレD級モンスターよね!?
……いや、ズルをしたっていう線があるわ。いや、ズルする必要があるのかしら……
あら、あの受付嬢なかなかの忍耐力ね。あんな衝撃的なこともあって冷静でいられるんだから。
ん、来たようね。あなたがどれほどの強さか、確かめてあげるわ。
いや、もともと私より強いかもしれないけど。
「試験合格は、フィルランを15頭倒すことだわ。あなたはもう倒しているけれど、誰かからもらったという可能性もあるからね」
さあ、どう来るのかしら。今私はあなたの強さを嘘だと言ったわ。
「なるほど、その通りですね。じゃあ早速行きましょうか」
えっ!?引き下がった!?いやいやいや、あの年齢でそこまで強いなら、慢心していてもいいでしょう!?なぜそこで引き下がるのよ。
……もしかしたら、親がAランク冒険者とかいうのかしら。
それならこの強さで慢心していないということもあるかもしれないわね。
うん。精神衛生上、そういうことにしておきましょう。
「ねえ、さっきから思っていたけど、モンスターは出さないの?」
「ああ、実は私も私がどれほど強いのかがわからないで、私の強さを見てもらおうかと」
なるほどね。へえ、解体の腕も確かじゃない。この子、ほぼ確定で冒険者の子供ね。
というか、魔物があんまりでないわね。フィックスがいるのかしら。
アレに出会ったら終わりだから気を付けないと。
「あっ、すいません。フィックスってランク何のモンスターですか?」
え?今それを聞いてどうするのかしら。まあいいか。
「ええと、アレはAランクの魔物ね。倒せたらAランクを名乗っていいくらいよ」
「そうですか。じゃあ倒しますね」
「倒す?アレはそうそう出会うものじゃないわよ」
「いや、そこにいるんで」
……ほんとだ。よし、試験官になった時から死は覚悟していた。あの子だけでも逃がさないと。
「私を置いて、あなただけでも逃げて。私が時間を稼ぐから、Aランク冒険者を連れてきて」
「いや、あの雑魚狐くらいなら自分でも狩れますよ。冗談が上手いですね」
「えっ?アレを倒せる?今は冗談を言ってる時ではないの。お願いだからあなただけでも逃げて」
「……もう倒しましたよ」
えっ……本当だ。いやいやいや!?ありえないでしょ!?どうやって倒したのよ!アレは魔法無効でしょ!?……いや、あの子のことだ。何かあるに違いない。
「どうやって倒したの?アレは魔法無効を持っているでしょ?」
「魔法無効?そんなものを持っていたんですか?普通に極火魔術で倒しましたけど……」
えっ、極火魔術?何よそれ。そんなのあるわけ……あるのね。
フィックスはこんがり焼かれていた。
「もしかしてですけど、アレの毛皮って結構高値で売れます?」
「ええ。毛皮一枚50万リンくらいね」
あの子のことだから多分持っているのね。もう驚きもしないわ。
「よっしゃ!1300万リンゲット!」
……聞き間違いかしら。1300万リンゲットとか言っているのかしら。
「じゃあ、帰りましょうか」
「ええ。あなたは今日からAランク冒険者よ」
こうして、物凄くおかしな一日が終わったのだった。
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ただ、メンタル豆腐なので「超ダメ!乞食乙!」的なコメはやめてください。
爆発します。




