第17夜
『 オン マリシエイ ソワカ 』
祖父が唯一教えてくれたおまじないがまさか本当に僕の命を救うなんて思えなかった。
霊力をちゃんとコントロール出来たらきっと……
だが、現実そんなに甘くはない。あの日以来、その言葉を唱えても何も起こらなかった。
―――――――――――
「広野江君」
「美咲さん!」
美咲さんとはクラスが一緒だったので時々こうして悩みを聞いて貰ったり、聞いたりしているので結構仲はいい位。
「どう……かな?出来る様になったかなぁ?」
「いえ……まだ全然」
「そっか……あっ!でも落ち込まないでね!私も頑張って……」
美咲さんは優しい子だなぁ。僕や周りの人の事をよく考えてくれて、気がきいてて……大和撫子みたいな人かなぁ?
「おぉーい!広野江!美咲!」
「瀧月君?」
「瀧月君?どうかしたの?」
僕らを見るなり走ってやって来た瀧月君は息を整えると、僕らの手を握っていきなり掴んだ。
「へっ?」
「ちょっ、瀧月君!?」
「亜矢椿先輩が召集をかけてんだ。第一図書館に行くぞ!」
無理矢理僕らを引っ張って第一図書館に連れて行った。
そして第一図書館には亜矢椿先輩が本を読みながら僕らを待っていた。
「遅かったな」
「すみません!」
「それより椿ちゃん、私達全員を召集したのって……」
「あぁ、簡単な話だ。お前達」
「「「はい」」」
亜矢椿先輩が僕ら全員を呼んだのだからただ事ではない。そう思った
「明日からテストが始まるのだが、点数がヤバいのやわからない所とかないか?」
「へっ!?」
明日からテスト……そう言えば確か、この学園のテストは1学期に実技2回、筆記2回の計4回があった
今回は筆記テストなので、実技に比べて比較的安全だ
美咲さんも別に大丈夫みたいだが、瀧月君は……
「あぁ~……」
亜矢椿先輩から目を反らしたので大丈夫じゃないみたいだね……
「ハァ、瀧月」
「はっ、はい!」
「わからない所を言えば教えてあげるから……素直に言え」
「数学と地理と歴史、英語に国語……」
つらつらと言っているけど、全部だよね。
亜矢椿先輩も全部を教えるのは無理だよね……
ってことで、亜矢椿先輩は生物と数学と歴史を担当し、後のは僕と美咲さんが教えることになった。




