第15夜
「んなもん、この馬鹿が倒せば良いだけだろ?」
ビシッ!と僕を指差す阿比王。無理だからねって何回言ってもやるから僕の抗議の声はどこ吹く風
「無理だろ」
「それは流石に……」
「無理を言うな」
ですよね~。まぁ、わかってましたよ、わかってましたとも!でも言葉を濁してくれた美咲さんはともかく、瀧月君や亜矢椿先輩はストレートすぎですよ!
「甘やかすな!これ以上何もさせないならお前ら全員妖怪どもの餌にするぞッ!!」
だから皆に喧嘩売らないでえぇぇぇぇえぇぇぇえぇえぇぇッ!!
僕の心の声は最近叫んでばっかりで、ストレスで死にそう(泣)
―――――――――――
そして、阿比王の無理難題である初妖怪退治をすることになった。が、全員が無茶苦茶心配して、何時でも術を出せる用意は出来ている……
僕は初めておつかいに来た小さな子じゃないんだけど……。嫌、有難いんだけどね、何か複雑……
そして、落ち込んでいる僕を後ろから蹴飛ばして(勿論阿比王がやった)、小鬼達の前に出した。
「ギギ……」
「ギャハギャハ」
「(やっぱり無理だ!ってか死ぬ!)」
死を覚悟した時だった。
『陽炎、お前におまじないを教えてあげよう』
祖父の声がした。嫌、記憶にある祖父の言葉を思い出した
『お前の名と同じ、陽炎。その陽炎の化身とされる摩利支天の言葉を……』
祖父の家に来てまだ間もない頃、祖父が教えてくれたこと
『いいかい、よくお聞き。本当に大変な時に唱えるんだよ。摩利支天の真言を……』
本当に大変で、どうしてもヤバい時に唱える様に言われた言葉。それは…
『「 オン マリシエイ ソワカ 」』




