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スキルが「ヒール」で被った女神と俺。攻撃手段ゼロの異世界ケア ~「治ったから戦え」はブラックすぎます。まずはリハビリ3ヶ月、ADLの向上から始めましょう~  作者: A古町
包囲を突破せよ!

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第24話 精神破壊とマネージャーの介入

第24話 精神破壊とマネージャーの介入


「ふふ、まあ良い。これも想定の範囲内だ!」


 メフィストフェレスは余裕の笑みを浮かべ、傍らの泥人形を翼ある魔族へと変質させると、東の空へと解き放った。


「さあ行け! 手薄になったあの出城を、控えの泥人形たちに襲撃させるのだ!」


 命を受けた翼の魔族たちが、闇夜の空へ溶けるように消えていく。


「し、しまった! 救護所が狙われる!」


 リンが叫ぶが、眼前の包囲網は厚い。


「とにかく、今は目の前の指揮官を討つしかない! 押し通るわよ!」


「我らも暴れるぞ! 騎士の誇りを見せよ!」


 城主ドリアルが巧みに馬を操り、鋭いサーベルを泥人形たちに次々と突き立てる。


「おおおおお!!」


 ドリアル城守備隊の猛攻により、戦場は混沌を極めていた。


 その喧騒の中、一人の男が肩で息を切りながら戦場へ辿り着こうとしていた。太一である。


「はあ、はあ……! 聞こえる、もうすぐだ……!」


 メフィストフェレスの周囲には、無数の魔族が盾となって並び立つ。


「届かん、届かん。貴様らの腕では私に触れることすら叶わん……。さあ、今度は私から行こう。貴様らの精神力を試してやろうではないか!」


 メフィストフェレスの手から、黒い魔力の波動が放たれた。それは物理的な衝撃ではなく、人間の脳に直接「恐怖」を刻み込む精神干渉だった。


「あ……あれは!!」


 到着した太一が、その攻撃を見て戦慄する。


(戦時後遺症……PTSDの正体はこれか! あいつが兵士たちの心を壊していたのか!)


「……!? 太一様!? 何故ここに!」


 ローザが驚愕の声を上げ、リンもまた太一の身を案じて駆け寄る。


「アマリア様は大丈夫なのですか!?」


「ああ……『みんなが心配だから行ってこい』と、あいつが……!」


「太一殿、あの指揮官は強すぎます。弱点が見当たらず、あの精神破壊攻撃で周りの騎士たちが次々と戦闘不能に……!」


 太一は即座に右手を掲げた。


「ライブラで奴を視る!!」


【魔族メフィストフェレス:レベル99/弱点:立ち上がる意思】


「貧弱、貧弱ゥ!! ふははは!!」


 メフィストフェレスの冷笑が荒野に響き渡る。リンとローザが果敢に斬り込むが、奴は距離を取りながら無限に泥人形を生み出し続ける。


「くっ、切りがない……! だが、やるしかない!」


「まだ諦めぬか。ならば……究極の絶望をくれてやろう!」


 メフィストフェレスが両手を広げると、リンとローザの視界から音が消え、底知れぬ暗闇が広がった。


「リン……? どこだ?」


「ローザ? どこなの!? 太一殿!?」


 二人の心に、芯から凍りつくような恐怖が浸食していく。孤独と絶望が、戦う意思を削り取ろうとしていた。


 その頃。

 あるじたちがいなくなった野戦病院では、さらなる危機が静かに忍び寄っていた。

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