第21話 初撃破!
二機のB級ペルセウスは、A級0061機の進路を塞ぐように間を詰めた。しかし。
A級0061機は、進路も速度も全く変えない。砂塵を舞い上げて滑空しながら、腰と膝を沈めて弾機を溜める。
「行けぇぇ!」
A級0061機の左脚の爪先部が、地面を蹴る……腰と膝に溜めた弾機と、スラスターの推力が絶妙のタイミングで機体を飛翔させる!
装甲の隙間から流れ出る光粒子が、流れ落ちる滝の映像を逆回しに視るような軌跡を描いた。
B級ペルセウスの直前でジャンプしたA級0061機は、二機の頭上を易々と飛び越えてしまう。そして、後方に下がったはずのA級ペルセウスを間合いに捉える距離に着地していた。
A級ペルセウスは、完全に虚を突かれた。右腕のロングソードを握り直し、左腕の凧型盾を突き出そうとするが、その動作は一拍だけ遅れていた。
「貰ったぁぁ!」
A級0061機の膝、腰、胴が下から順に反時計回りに捻られてゆく。そして、右脇に構えた剣先に最大の遠心力を乗せて、横一文字に打刀が振り抜かれた。
……カチン
……カチン
A級ペルセウスの、ガラ空きだった左脇腹に、A級0061機の打刀が食い込んでいる。
致命的な損傷を受けたZCF機関が停止する。非常用の安全装置が、機関を強制冷却する乾いた音を響かせていた。
「まず、一つ」
この撃破は、御堂が正規兵となってから初の記念すべきものだったが……今の御堂には、そんなことは関係なかった。
……時間稼ぎのために、遠江州防衛隊を使い捨てた。
……そのために六名のパイロットが命を落とした。
もしも。
自分の凡ミスがなく、A級0061機が損傷を受けていなければ、六名のパイロットのうち数人でも死なせずに済んだかも知れない。
その遣る瀬なさと憤りを、眼前にいる連邦勢力のペルセウス型重甲機兵にぶつけることしか意識にはなかった。
……ガクン!
……ドサッ!
左脇腹を抉られたA級ペルセウスが、地面に膝をつく。その機体から引き抜いた打刀を右手に握り、機械眼球をB級ペルセウスに向けた。
『ラインゴルドの陣営からB級ジークフリード二機が、こちらに向かっています。B級ペルセウス二機は、そちらに任せて、御堂少尉は次に備えて下さい』
「了解!」
青柳は、敵の陣営にはA級ペルセウスが「もう一機待機している」と予測していた。
敵は、第4戦団の所属章を付けたA級0061機とラインゴルド傭兵機団の所属章を付けたカイザー機を確認している。
二機のA級ジークフリードを想定した布陣を敷いているはずだ。




