92、巨大ロボの切り札
巨大怪獣は起き上がる途中で、ナナサカを認識していない、ナナサカの先制チャンス。
「剣坂流奥義、七凪!」
ナナサカは今使える最大の技を放つ、妖刀による7つの大きな刀傷が巨大怪獣に刻まれる!
「な!? デカ!?」
リダは起き上がりつつも、ナナサカの攻撃で巨大怪獣に刻まれた傷を見るが、その傷は明らかに妖刀でつけた傷にしては大きく見えた。
「ふふ、修羅というスキルで敵を倒す程俺のスペックと、妖刀の攻撃範囲が広がるんだよ!」
驚くリダに、ナナサカは怪獣に刻まれた傷の大きさの理由を教える、そしてナナサカは一旦、巨大ロボと巨大怪獣両方とも距離をとる。
「修羅……成る程、多分戦場歩兵専用スキルだけど、実質ナナサカ専用スキルだな、そもそも近接武器で何匹も狩ろうとするなんてお前くらいしか居ないぞ」
普通のテレビゲームならばネタビルドとして組む人がいるかもしれないが、今ナナサカ達がやっているのはフルダイブVRゲーム。
実際に体を動かす必要があり、指先だけで遊べるゲームと違い、実際に全身を使って、巨大生物に近づいて戦う必要がある。
ジャンルはSFで、銃火器が前提のゲームでわざわざ刀を振り回す物好きは……探せばいるかも知らないが、少なくともリダの知る範囲ではナナサカだけだった。
「よし、立ち上がれた、ナナサカちょっと下がってくれ! 一撃くらい俺も叩き込みたい!」
「はいはい!」
巨大ロボ、フェオウルペオースが先に起き上がる、巨大怪獣はナナサカの剣坂流の奥義で怯みまだ立ち上がれない。
「とっておきをたたき込む!」
巨大ロボ、フェオウルペオースは背中に手を回すと、背中から巨大な剣を取り出した!
「おお、あれは研究所防衛でも使っていた剣! かっこいいな!」
ナナサカは巨大な剣を見て興奮する、絶対つよいやつじゃんと、そんな感想を抱く。
「行くぜ! ルーンブレード! リミットスラッシュ!」
巨大ロボ、フェオウルペオースは腕からバーニアのようなもので火を吹き出し、動きを加速させる、そして全力の縦振りが、巨大怪獣に叩きつけられる。
ルーンブレードと呼ばれた巨大剣は巨大怪獣をぶった斬り、巨大な傷を作るが、反動でボロボロとひしゃげたり、崩壊して、電子のエフェクトを発して消えていった。
「もろ!?」
「仕方ないだろ、最高出力出す前提の設計じゃないし、巨大な剣になって、全力に耐えれるほどの金属が無いと言うことだ、後は殴るしかない」
ナナサカの驚きの声にリダが剣が使い捨てだと説明する。
「じゃあパンチしたら、腕も駄目になるとして、あと2回攻撃したらそのロボ終わり?」
「いや、パンチとキックは巨大ロボの通常攻撃だからパンチとキックじゃ壊れない」
「じゃあその腕と足に使っている素材で剣を作れよ」
ナナサカは真っ当なツッコミをするが、リダは巨大ロボを動かし、巨大怪獣に蹴りをぶつけつつ、困ったように返答した。
「いや、剣と巨大ロボの手足は同じ素材だぞ、剣が壊れるけど、手足が壊れないのは、ゲーム的な都合というやつだな」
「なんじゃそりゃ!?」
ナナサカが突っ込むと同時に巨大怪獣に向かって巨大ミサイルが飛んできて、ナナサカとリダが攻撃していた巨大怪獣を爆殺した!
「うお!?」
ナナサカは爆風に吹き飛ばされてゴロゴロ地面に転がる。
「ちい、やられた、漁夫の利だ」
「うぶ、漁夫の利?」
爆風が途絶え、ナナサカは突出していた岩軽くぶつかった後、よろよろと立ち上がると、さっきまでいた巨大怪獣は居なくなっていた。
「もしかしてさっきの……他プレイヤーのミサイルか?」
「ああ、ラストアタックボーナス持っていかれた……ああもう、ナナサカ! 鳥居とも門とも取れる敵の発生装置は確実に俺達で壊すぞ!」
「わかった!」
怒り気味のリダに追従するようにナナサカは鳥居の破壊を行うのだった。




