87、光線喰らう、矢雨凪
次はリダの合図込みで、サテライトレーザーが振り注ぐ。
「剣坂流、坂滑!」
ナナサカは妖刀を振るい、レーザーを受け流そうとするが、完全に受け流せない。
受け流せない分はナナサカを掠めるように通り過ぎて、本来のレーザーの標的である的に直撃する。
「うーん、技があってない感じがする」
「そもそも坂滑はお前みたいな対近接武器の技であって、サテライトレーザー想定の技じゃないからな」
困り顔のナナサカにリダは呆れる、坂滑はリダの防御術を参考にした物で、その防御する物は基本的にナナサカの刀、レーザーと全くの別物で流用で何とかするには相手が違いすぎた。
「大砲の弾を斬る、砲断のほうが良いかな?」
「大砲の弾と違って、長い光線だから断ち切れないじゃないのか?」
「まあ、1回試すから撃ってくれ」
ナナサカはそう言うと妖刀を構える、姿勢を低くして何時でも飛び上がれる姿勢を取る。
「はいはい、生命保険かけてからなーー」
「このAEDの世界に生命保険なんてあるのか?」
「はは、巨大な生物や怪獣が町中暴れまって、保険会社なんて真っ先に崩壊したと思うから無いな、はい、3、2、1、サテライトレーザー!」
「ダメじゃねぇか!? 剣坂流、砲断!」
ナナサカはツッコミを入れつつ、妖刀を振るう、坂滑と違って、斬れねば自分がレーザーに貫かれる事になる攻撃的な動きで妖刀とサテライトレーザーがぶつかり合う。
「あっつ!」
結構は先程の坂滑よりも相殺出来たが、完全に防ぐ事は叶わないどころか、ナナサカにレーザーが当たる、幸いフレンドリーファイヤにはダメージフィールドバックを強める機能は反映されない為、痛くは無いけど、熱かった、そしてナナサカのHPバーが3割くらい削られる、残り7割。
「うーーん、咄嗟にケルン一等兵とかを庇う込みなら砲断もありかもしれないけど、常用には向かないな、はい回復」
パン!
「あう」
リダの撃った回復支援銃の弾がナナサカの額に突き刺さり、緑色に光るランプがナナサカのおでこを照らしナナサカのHPバーを回復させる。
ナナサカは一瞬坂滑で防ごうとしたが、リダが支援銃を持っていたのに気付き、防がずに素直に食らった。
「リダ、なんでわざわざヘッドショットしたし」
だが額に回復弾を撃ち込まれて不満を漏らす、ナナサカの視界上部には重さは感じないが、少し視界妨害される程度に、額に突き刺さった緑色に光るランプが見えた。
「あ、それは癖だ、嫌だったらすまん」
「癖なら仕方ないな」
ナナサカは回復した為、額に突き刺さった緑色に光るランプを抜こうとしたら、緑色のランプが消滅した。
「それでなんか閃きそうか、対サテライトレーザーの技」
「うーん、砲断で感じたのは一太刀で何とか出来ない感じがしたから、連続で振るう技の方が有効性高そう……多分次で行ける!」
ナナサカの頭の中に閃きを感じた、後はそれを形にするだけだった。
「分かった、ここなら瀕死になっても死亡判定にはならないから、派手に失敗しても大丈夫だからな」
「失敗する前提かよ、見てろよ、次は防ぐからな!」
リダの言葉に奮い立つナナサカ、妖刀を持ち直し空を見る。
「行くぞーー、サテライトレーザー!」
「剣坂流、矢雨凪!」
再び振り注ぐ一筋の光線、ナナサカはそれを見て妖刀を振るう、それは矢の雨から身を守る矢斬りの技、高速で刀や剣を断続的に振るって、身を守る。
一閃で守れぬなら二閃、それでも守れぬならひたすら数を増やせばいいという、ナナサカが調べた限り、戦国時代の時に生まれた技がSF兵器の光線とぶつかり合う。
サテライトレーザーは一閃食らうたびに長いレーザーが短くなっていく、妖刀が光線を食らうように、そして妖刀は光線を全て斬って食らい尽くした。
「ふう、多分現実だと失敗する技だな、光線の当たり判定が一纏めになってるから防げた感じがする」
「そもそも現実で光線飛んでくる状況になったら、日本の終わりだよ、疲れたし、今日はここまでにするか、現実でちょっと小腹を満たしたくもなったからな」
ナナサカの言葉にリダは返答しつつ、サテライトレーザーを降らせる装置をしまうのだった。




