86、光線坂滑
たどり着いた練習場にて、ナナサカは上を見る、高層ビル位に高いが、天井がある。
「……今更なんだけど、天井があるから、乗り物要請だったり、サテライトレーザー要請出来なくね?」
ナナサカはそんな疑問を口にする。
因みに今回はケルン一等兵を連れてこず、ナナサカとリダの二人っきりだ。
「そこら辺はゲーム内で、練習用のフィールドだからで、細かい事は気にするな、流石に戦場の室内でサテライトレーザーを降らせることは……まずないからな、室内戦」
リダがそう言うと、システム画面を操作、ナナサカの近くに丸い的が現れる、一目で真ん中に撃ってくださいという見た目をしている。
「サテライトレーザーはこんなふうに降ってくる」
リダが小型拳銃を的に向けて、トリガーを引くと、空が一瞬光ってからサテライトレーザーが的を貫いた。
「室内だからか、サテライトレーザーというよりただのレーザーに見えるな」
「ただのレーザーて……まあ、それよりもその的を守るようにレーザーを迎撃してみてくれ、単発式サテライトレーザーは味方に直接落とす事は出来ないからな」
「まあ、それは当たり前だよな」
そもそも兵器を味方に撃てなくする機構を追加出来るならば、誤射を防ぐ為に搭載されるとナナサカは考える、現実ならばそんな機能が出来る可能性は低いが、ここはゲームの世界、プログラム次第で可能だ。
「それじゃあいってら」
「坂滑!」
ナナサカが的の隣に立つと、リダの軽い言葉と共にレーザーが振ってくる、ナナサカは妖刀を振るい、レーザーを受け止める。
「ぐううう!?」
バチバチバチと妖刀とレーザーがぶつかり合い、火花が散るような音が鳴る。
レーザーは妖刀で一部は迎撃されたが、レーザーそのものが太かった影響で、全て受け流す事は出来ず、半分くらいのレーザーがナナサカが守る予定だった的を貫く、横から斬った影響でナナサカがレーザーに焼かれる事は無かったが、ナナサカはレーザーの熱を知覚する。
「ちい……斬りきれなかったか、リダやってみてくれないか? リダならもう少し上手く出来るだろ?」
「無理言うなし、そもそも俺がやるなら誰がサテライトレーザー撃つ役やるんだよ、サテライトレーザーは戦場歩兵じゃ使えないからな?」
「あーそうかサテライトレーザー撃ってる間は兵器変更出来ないだよな」
「出来なくは無いけど、流石に兵器変更中にサテライトレーザーが着弾するからな、しかし無理そうか? 剣坂流じゃ光線からは身を守れないか、流石に最新の兵器の攻撃を防ぐのは無理あるよな」
リダが露骨にナナサカを煽る、ナナサカは一瞬イラッとしたが、意図的な煽りでやる気を引き出して来ているのをナナサカは理解して妖刀を構える。
「なあなあ、リダ、レーザーを完全に斬る事が出来たら銃での坂滑をする方法を教えてくれよ、ミサイルからマトラを守る際にやっていただろ?」
「……あれは銃で坂滑はしてないからな、別の物で坂滑しただけ」
リダが少し躊躇った言葉で言うと、ナナサカはやる気になる、ならそれを何としても教えてもらおうかと、そんな考えが浮かんだ、その言葉を言おうとしたその瞬間、真隣にあった的がレーザーで貫かれる。
「ナナサカ、油断禁物だぜ? 今のが本番だったら今頃ナナサカは瀕死状態だぜ?」
「ちい! もう1回!」
不意打ちに察せ無かった自分に怒りを感じつつ、もう1回を促すナナサカ、会話中の不意打ちを怒る事はない、会話に意識を削がれて迎撃の構えが緩んでいた自分が悪いのだと、ナナサカは考えて、再び身構える。
「はは、すぐに落とさないからな? 戦場で攻撃の予告や予兆があるなんて本来なら滅多にないからな」
「そうだな、所でリダ、このAEDというゲームにクリアとかあるのか? 俺らが今いる日本サーバー79ということは、前に78個のサーバーがあるんだよな?」
「そのサーバーの大体は滅んだよ、いくつかのサーバーは残ってるけど調べた感じ滅びかけ」
「ええ、クリアじゃなくて滅んだの? あ」
リダの言葉にポカンとしている間に再びレーザーが振り注ぎ、的が貫かれた、ナナサカ棒立ち。
「……リダ、一旦タイミングありでやっていい?」
「それじゃあいざという時にレーザー相殺出来ないぞ?」
「まずはレーザーを斬ってからだ」
ナナサカは一旦難易度を落として、レーザー相殺に挑むのだった。




