84、死亡効果
「おい! 明らかにその情報はエアバイクスカイジエンドカスタムに乗る前に話すべき情報だろうが!?」
ナナサカはリダの肩を掴みブンブン揺する。
「すまん、意図的に伏せてたー!」
「なんでだよ!?」
「いや、言ったらエアバイクスカイジエンドカスタムに乗らなくなるかなと思ってな、スカイジエンドカスタムがどんなふうにかっ飛ぶのか知りたくて、黙ってた」
「結構悪意あるな!? 万が一俺が遠くで事故って死亡していたらどうするつもりだったんだよ」
プンスコ怒るナナサカにリダは肩を譲られながらも話を続ける。
「その時はその時で、死亡時のデメリットとか色々と分かるかなと思ってね……」
「はあ……じゃあ死ななかったから、自分でエアバイクに?」
「いや、それはナナサカに乗れと言われたからだよ」
「あ、それはそうか」
ナナサカはリダの肩から手を離す。
「じゃあこれから俺達はHPがゼロになって瀕死になっても、そこから時間内に他のプレイヤーに助けられず、死亡してはダメなんだな?」
「まあ、そういう認識でいいと思うぞ、とにかく死亡しないことに越したことはないよ」
「じゃあスカイジエンドは封印だ」
ナナサカは装備一覧を操作して、エアバイクスカイジエンドカスタムから、エアバイク対空カスタムに変更する。
「でも死なないように立ち回るにしてもずっとはキツいな、何かの拍子でうっかり死亡とかしかねないし、緊急ログアウトとか、俺とリダが同時になったらジエンドだよな?」
ナナサカとリダはある程度ゲームの経験はある、だからこそわかっているのだ、何らかの拍子でうっかり死亡はあり得ることを。
「まあ、そうだな、このゲームだと戦場で緊急ログアウトあったら、棒立ちになっちまって、巨大生物の餌になっちまうからな」
緊急ログアウト、それはゲーム中たまに起こりうる現象である、それはトイレだったり、身内による行動の結果だったり、バイタルの影響だったり、或いはインターネット回線の影響だったりで、ゲーム機側がゲーム中のプレイヤーを強制的に現実世界に戻すシステム。
2人も何度か経験しているし、戦闘中になった結果、負け扱い、棒立ちになって、あっさり死亡も経験している、AEDの世界ではまだ緊急ログアウトは経験していないが、いつ不足の事態が起こるかは未知数だ。
「このゲームは敵の大群が出る前提だから結構いいサーバー使っているはずだけど……通信や現実状況込み込みで考えたら、絶対に緊急ログアウトが発生しないなんて断言出来ないからな無いからな……」
「この世の中で絶対と断言出来る事なんてあんまりないからな、俺からしたら絶対はリダのスタミナが尽きてないときの坂滑と人は必ず命を終える時が来る位しかないぞ」
「俺の防御を、人生に必ず終わりが来る事と同列に扱うな、重いし、流石の俺もそこまで絶対防御は出来ないからな」
2人がそんな会話をしていると、2人の視界端に公式からのお知らせを伝えるメッセージが届く。
「うん? なんだこれ?」
「定期メンテナンスのお知らせじゃないか?」
リダの言葉を聞きつつもお知らせを確認するナナサカ。
『新イベント、大型怪獣軍の殲滅大作戦発令のお知らせ』
そのお知らせのタイトルを見て、ナナサカは目を丸くする。
「リダ、なんか新イベント発生だって」
「え? ……本当だ、大型怪獣の軍……」
リダもお知らせを確認して、眉に皺を作る。
「大型怪獣が大量に出てくるのか、うわきっついぞ、しかも大作戦系列のイベントか……」
「そんな言うほどきついのか? リダと共に2回くらい戦ったけど、そこまで厄介な印象は無いんだが」
ナナサカは1度巨大怪獣の電撃を浴びて死にかけているが、喉元過ぎれば熱さを忘れるかの如く、痛い目に遭ったことを忘れていた。
そんな忘れ去っているナナサカの顔を見て、リダはマジかという顔を浮かべるのだった。




