82、七坂、大地無誘導弾希望!
「おお、派手だな……だけど威力はやっぱり低いか」
ドカドカと爆破音が響く中、一部の巨大蚊は撃破するが、多くの巨大蚊は仕留めきれず、ナナサカの方へ飛んでくる。
「は、こっちに来るまでに……自動リロードはもう終わってるぜ、発射!」
ミサイルレインは自動リロードが早めで、すぐに発射可能になったので、再びロックオンしてぶっ放すナナサカ。
「……ふむ、見た感じ、これ多重ロックオン出来て、ロックオンした分だけミサイルがとんで行くのか、そんでロックオンの数がミサイルの装填数下回ったら、余ったミサイルはロックオンした的にランダムに飛んでいく形かな?」
2度目のミサイルの雨で多くの巨大蚊を撃墜するなか、ナナサカはミサイルの法則をなんとなく理解する。
その後再びミサイルレインを発射して、残りの空飛ぶ巨大蚊を撃墜する。
「ふう、あらかた倒し終わったかな、後はなんか戦場の端っこで飛んでいる巨大蚊数匹を倒せば終わりか」
ナナサカはリダと合流を果たす、リダはマップを確認して、残りの敵の位置を把握する。
ナナサカも残りの敵の位置を把握する、その瞬間、ナナサカの脳にゲス寄りの考えが浮かぶ。
「リダ、止まれ」
「へ?」
ナナサカの言葉にリダは足を止める。
ナナサカはあるものを取り出して地面に転がす、転がした物は煙を発する、するとエアバイクスカイジエンドカスタムが現れた、1回の戦場で2台呼べるのでこれが最後のエアバイクである。
それを視認したリダは次に言うナナサカの言葉を先読みして口端を引くつかせる。
「リダ、エアバイクに乗れ……乗れ……そして事故れ」
「おい、殺意が見えるぞ」
ナナサカはリダにもエアバイクスカイジエンドカスタムを体験してもらう事に決めた、幸い残っている敵数的に仮にリダが瀕死、最悪死亡判定になったとしても勝てる状況、故にナナサカは悪ふざけに走った。
「乗らねーよ、お前でも無理だったのに俺が使えるわけないだろ?」
「いいから、いいから、楽しいぞ?」
「かっ飛んでいく際のお前の悲鳴は全く楽しそうではなかったぞ?」
リダの正論にナナサカはあははーと受け流す。
端から見たら親友をミサイルのようにかっ飛ぶエアバイクに乗せて事故死させようとしているシーンで、ゲームの世界じゃなかったら絶対に許されない行動だ、ゲームの世界でも、仲が良くないと許されない行動でもあるが。
「……分かった、性能はいかれているが、一気に移動できる点に関しては目を見張る物があるからな」
「おお!?」
ナナサカはまさか乗ってくれるとは思わず、大きめの声を出す。
「だけど、ナナサカ、俺に無茶振りするということは、後日俺に無茶振りされても、文句言わずにやってくれるんだね?」
「…………はい、やってやりますよ?」
圧のこもったリダの声に、ナナサカは数秒迷ったが、後日の無茶振りを受け入れた、後日の困難よりも目先の面白さを取ったのだ。
「なら乗るか……」
リダは意を決してエアバイクスカイジエンドカスタムに乗る、そして数回深呼吸してから、リダはハンドルを緩く捻った、その瞬間、エアバイクスカイジエンドカスタムは牙を剥く。
「ぐおおお!? うわああああ!?」
急加速、それに伴ってリダは反射的にハンドルを強く握る、その結果、更にハンドルを捻ってしまった結果、アクセルが更に入り、かっ飛ぶ。
「わお、さっきの俺、あんなふうにとんで行ったのか……F1スポーツカーよりはやーい」
ナナサカは呑気に感想を口にする、ナナサカの思考の片隅にリダなら死なないだろという偏見があった、自分の剣坂流の奥義も軽々防ぐリダが事故くらいで死ぬ訳がないというそんな確信、或いは偏心。
リダの乗ったエアバイクはそのまま地面までかっ飛んでいくとナナサカは考えていたが、エアバイクは空を飛びながらも方向転換する、そして高速で飛翔する。
「……まさか乗りこなしている?」
「そんなわけないだろ! ギリギリで動かしているんだよ! 長くは持たないから早く残りの敵を倒してくれ!!」
通信機能越しに聞こえるリダの悲鳴に、ナナサカは縮地消音歩を使い、残りの巨大蚊を撃破に向かうのだった。




