81、無誘導弾七坂
「ぐおおお!?」
ナナサカはなんとかエアバイクから振り落とされずにエアバイクにしがみつく、途中巨大蚊が飛んでいるエリアを通り抜けるが、幸運にもぶつかりはしなかった。
「ぐううう!?」
ナナサカはなんとかハンドルを緩め、速度を落とそうとするが、バカみたいに速度が出ていて、エアバイクにしがみつかないといけない状況で、ハンドルを緩める動きが出来なかった。
「あかん、これつかいこなせないいいい!?」
余りの速さに空歩も使えない、仮に使うとかすれば下半身がエアバイクと離れ離れになり、バランス崩壊からの墜落が目に見えていた。
「あひゃあ!?」
次の瞬間、エアバイクと共に天高く飛んでいたナナサカは、透明な壁に激突して、そのままエアバイクと共にその透明な壁に体を擦り付けるように移動し始めた、激突の衝撃はあれど、痛みはない。
「もしかして戦場領域の区切り!?」
ナナサカはエアバイクに振り回されて見る余裕がないが、ナナサカがエアバイクと共に体を擦り付けているのは、ゲーム的都合の壁だった、ナナサカに余裕があれば、赤い帯と共に戦場外の事を示すメッセージを見ることが出来るのだが。
戦場を区切るゲームシステムである透明な壁に激突したナナサカは、そのまま透明な壁を擦るように堕ちていく。
「だあああああ! 無理! 離脱!」
ナナサカはエアバイクから手を離して、エアバイクと分離する、そこから1回の空歩で落下スピードを軽減する。
その間にエアバイクは地面に落ちて、爆発四散した。
「よっと……ダメだ、とてもじゃないが運用出来る気がしない」
もう1回空歩で落下スピードを軽減して、地面に着地するナナサカ、辺りを見渡すと、先程通り過ぎた巨大蚊の軍勢が遠くにいた、縮地消音歩で向かうにも少し時間がかかりそうだ。
「あ、空からサテライトレーザー……リダに丸投げするわけにもいかないから、早く向かうか」
頭の中で再びエアバイクを使うか? という考えが浮かんだが、狙った目的地にたどり着ける自信がなかったので、ナナサカは縮地消音歩で移動を開始した。
「おーい、リダ、そっちに合流するまで少し時間かかるから足止め任せた」
「はいよ、よく死ななかったな、正直ロケット花火のように飛んでいった際には花火のように爆発して散るかと思った」
通信機能越しにリダに連絡するナナサカ、返ってきた言葉は、死ぬ前提みたいな言葉だった。
「はは、楽しいぞ? お前も乗ってみないか? 誘導爆撃兵もエアバイク乗れるだろ?」
「断る、エアバイクに乗れる兵種だが、俺はお前ほど乗り物操作は上手くねぇからな!」
リダの叫びと共に空からサテライトレーザーが一本振り注ぎ、巨大蚊を消滅させるリダ。
「それで兵器開発所で手に入れた武器の使い勝手はどうだ、リダ」
「うーん、強めの個体とかリーダー個体相手には優秀だけだけど、単発で上から点攻撃で自動リロードも悪くはないんだけど、単発攻撃故に、大軍処理が出来ない点がデメリットで……癖は強めだな、今みたいな巨大蚊みたいに巨大生物の中で小さめで数が多いタイプには向いてねぇ」
リダの言葉にナナサカは研究者防衛戦でサテライトレーザーが一気に複数降り注いで、敵やミサイルを大量に撃ち落としていたのを思い出す、けど今は1発1発とちまちまとしか、空からサテライトレーザーが飛んできてない。
「巨大生物の中で小さめて感覚がおかしい表現だな」
「うるせぇ、はよ来て、ミサイル撃ってくれ、持ってるんだろ、ミサイル」
「はいはい撃ちますよー」
縮地消音歩で高速移動しつつ、ナナサカは持ってきた兵器、ミサイルレインを取り出す。
ミサイルレインは成人男性がはいれそうなくらいにゴツい四角形に、取っ手とトリガーがついたアンバランスを感じる歪なデザインをしていた。
するとある程度近づいた為か、空を飛びながらリダが居ると思われる地点に攻撃している巨大蚊達に一気にロックオンマークが現れる。
「お、届くなら発射ー!」
考えなしにナナサカは発射のトリガーを引くと、ミサイルレインの上部がパカリと空いて、大量のミサイルが発射される。
「うおおおおおお!?」
ナナサカはそのミサイル発射の反動でコケそうになるが、そこは剣坂流で鍛えた体幹やバランス能力で耐える。
そして数秒間かけて放たれた大量のミサイルは巨大蚊へ殺到するのだった。




