77、女性研究者、マトラ
「と、そうだ、君の名前を聞いてなかったな、名前聞いていいか?」
ナナサカ名前を聞く、すると女性研究者は胸を張って答える。
「私は研究者マトラよ、兵器開発を担当しているのは……窓口を見れば何となくわかるわね?」
「ああ……まあ、なんとなくな、因みに兵器開発所て、何するんだ?」
ナナサカは気になっていた兵器開発所に関して聞くと、マトラは待っていたと言わんばかりに説明を始める。
「兵器開発所は使わない兵器を解体して、新たな兵器を生み出す施設よ、最もどんな兵器が出来るかはわからないけどね」
「研究者なのに、最終結果が分からないのか?」
「うるさいし、嫌な所突くわね、一応兵種とある程度の方向性は決めれるけど、細かい所が調整出来ないのよ、そもそも巨大生物や敵対機械から人間が扱える兵器が出てくること自体、未知数すぎるし、兵器そのもの自体オーバーテクノロジーだからね」
「へ……」
マトラの言葉にナナサカはポカンと目を丸くする、ナナサカからしたら敵を倒したら兵器が入った装備箱が出てくるのはシステム的な都合としか思っていなかった為、何故巨大生物から装備箱が出てくるのかなんて考えた事が無かった。
「う、うーーん、そういう難しい話はリダの方が詳しいからリダに話してくれると嬉しいな」
「やっぱり貴方は脳筋タイプなのね、リダ様に振るわれて初めて真価を発揮できるタイプの」
「それに関しては全面的に肯定するけど、他人に脳筋と言われるのは少し腹立つな」
ナナサカは脳筋と言われて否定はしない、実際ある程度の戦略は剣坂流で覆せる技量がある為、それで何度かゲーム内で他人の戦略を潰し、時にはリダの計画も前倒しさせたりして、リダを悩ませたりした経験があり、ナナサカ自身で作戦を考える事は殆ど無い。
「……そうだ、頭良いなら聞きたいことがある、俺らは巨大生物と戦っているだろ、輸送船や飛行円盤からして、かなり科学力が高い存在と戦っているんだろ、その司令塔というか、ボスの居場所とか分からないのか?」
「わかってたらとっくに軍はそこに総攻撃を仕掛けるわよ、わからない以上、私達人間は対症療法をする事しか出来ないのよ、そもそもあの科学規模からして宇宙に敵の本拠地がある可能性が高い以上、私達人間が巨大生物をばら撒いているボスを倒せる可能性はゼロに近いわ、今のご時世、人間サイドにロケットを飛ばす余裕が無いからね」
ナナサカの質問にマトラはしっかりと答えてくれる。
「成る程、人が行けない宇宙という領域に敵が居たら人間サイドに勝ち目は無いわな、宇宙となると宇宙服を着ないといけないし、そんな状態じゃまともに刀も振るえん、リダなら可能かもしれないが、流石にリダ1人で敵の本拠地は重荷が過ぎるし……」
「お前なにサラッと俺を敵の本拠地に特攻させようとしているんだよ」
次の瞬間ナナサカは背後から首を掴まれる感触と、親友の声を知覚する。
「ぐぇ、くそ、リダ……とうとう縮地消音歩を体得したか」
「してねーよ、あんな歩法お前くらい頑丈じゃないと出来ねーよ」
ナナサカの言葉に即座に否定するリダ。
そしてリダはマトラの熱い視線に気付く。
「あ! 良かった……無事、軍の本拠地まで逃げて来れたんだな」
「はい! リダ様のおかげです!」
「リダ……様?」
マトラの言葉に困惑するリダ、ナナサカはイジリ時だなと、首根っこ掴まれながら目を光らせる。
「くくく、良かったな、リーダー少将様、年下の女の子にこんなに慕われていて」
「おちょくりの材料を与えたか……あとお前には様呼びされるとなんか苛つくな」
リダは嫌そうな顔をしながらも首を絞めるが、ゲームシステムの都合上、ナナサカにダメージを与えることが出来ない。
「ぐえーーおいおい、君を慕っている女の子がいる前で親友の首絞めるか? 今時暴力キャラは嫌われるぞーー!」
「大丈夫だ、お前の影響で武術が身についた、故にその武術を一般人に振るう事は犯罪に当たるから、犯罪はせんよ」
「俺はいいのかーー!?」
「お前は一般人じゃないし、そもそもお互いに全力で木刀で殴り合う仲だろ……とまあ、俺とナナサカはこういう気楽に攻撃をし合う不思議な関係だからそこら辺スルーしてもらえると嬉しい」
ジタバタするナナサカとマトラに説明するリダ、端から見たら関わりたくないと思わせるには十分な状況だった。
マトラは苦笑いをしつつも頷くのだった。




