76、兵器開発所と再会
ナナサカは兵器開発所以外の場所を普通の人が走る速度で見て回り、女性研究者を探す、しかし見つからなかったし、リダがAEDにログインしてくる気配がない。
「あいつ真面目に拗ねてるのか? もしくはうっかり食事中に飲み物でもぶちまけたか」
ナナサカは推測をしながら再び兵器開発所へ向かう、因みにリダがログインしてこないのは、ナナサカの後者の推測が当たっているのだが、今のナナサカに知るよしもない。
そして兵器開発所へ向かう途中に、ウー! ウー! とサイレンの音が鳴り響いた。
『緊急ミッションが発令されました、各員参加せよ!』
「これは……もしかして初出撃でやったやつか?」
ナナサカがシステム画面を開き、緊急ミッションを確認するとそこには見たことあるミッション名が浮かんでいた。
「侵略生物KM殲滅作戦……うん、初出撃の時に参加したやつだ、クリア済みマークついてるから間違いない、なら参加しなくていいかな?」
ナナサカは緊急ミッションに不参加する事にして、兵器開発所へ向かう。
すると先程と違って、兵器開発所は人が全く居ない状況だった。
「緊急ミッションの影響なのかな? なにはともあれ今のうちに確認しないとな」
ナナサカが兵器開発所へ近づくと、そこには1人の女性が立っていた。
体格は中学生位の小柄で、髪は白色で背中位まで長いロングストレート、緑色の縁の眼鏡をつけていて、目は赤色、顔つきは童顔で俗に言う美少女に分類される女の子だった、服装は長い白衣を着ている。
「いらっしゃ……て、あんたは……」
「もしかして研究所が襲撃された際に2人の近接兵、或いは剣士に助けられた経験がある子ですか?」
ナナサカがそう聞くと、女性の顔に怒りのマークがついた。
「生憎ですが、私は子供じゃありません、子と呼ばないでいただきたい」
「……ごめんなさい、えーーと、もう一度確認するが、巨大ロボのフェオウルペオースに研究所を守ってもらったり、ミサイルの雨の一撃を貰いそうになった時にえーと、リダは名前言っても分からないかな?」
ナナサカは謝りつつ、もう一度確認を取る、すると女性はナナサカの言いたいことを理解して口を開く。
「わかるわよ、リダ様にナナサカ、貴方達2人のおかげで私は生きてここに居るんだから、恩人を忘れるほど愚かじゃないわ」
「……リダ、様……?」
まさかのリダにだけ様付けでナナサカは困惑する、しかしすぐに持ち直し話を続ける。
「えーと、ともかく俺達の事を覚えているんだな……もう1つ質問いいかな? 研究所で働くの辞めて、ここで働く事にしたのか?」
「いいえ、そもそも私は研究を辞めた訳じゃないわ、あそこだと命が幾らあっても足りないから、ここに住処を変えたわけよ」
「成る程、避難という事か」
ナナサカは納得する、あの研究所は大きかったが、防衛には不向きな位に立地が良くなかった。
「そういう事、それでリダ様は今日はいらっしゃらないのかしら?」
「あーこの後くる……というかそろリダだけ様呼びなのなんでなの?」
「そりゃああんな、絶体絶命な状態でかっこよくミサイルを受け流したら、惚れるわよ、あんな距離離れていたのに一瞬で救い出してくれて……」
女性研究者の顔が赤くなる、完全にほの字だなとナナサカは理解する。
「なるほどねーー、因みに俺とリダの名前をいつ知ったんだ? もしかして階級も知ってたりするのか?」
「私のメガネは解析デバイスなの、軍所属の人を見れば、軍の情報サーバーにアクセスして、名前、兵種、階級、そしてスキルや適性でどういう戦闘タイプか知れるのよ」
「それで俺とリダを剣士と言っていたのか……やっぱりあいつ隠してるRSは剣坂流だろ……」
ナナサカはなんで隠すんだろうなと不満に思うのだった。




