7、初装備箱
ナナサカが空を見ると、そこには背中に翼が付いた機械を背負った人が居た、そういえば空爆した人以外にも背中に機械背負った人居たなとナナサカは思い出す。
「今のうちに装備箱漁りな、少なくとも今より悪くなる事はない」
空飛んでいるプレイヤーはそう言うとナナサカの近くにいた巨大カマキリを手に持ったレーザー光線銃で倒し始める。
そしてナナサカは言われて気付く、すぐ近くに装備箱が落ちていることに。
「ありがとう!」
ナナサカはお礼を言って、装備箱に触れる、するとシステムウィンドウが現れる。
『装備箱Nに触れました。
回収/その場で開封』
ナナサカはその場で開封を選ぶと、装備箱は開き、中には兵器が入っていた。
「…………なにこれ?」
しかしその兵器の形はナナサカに深い困惑を与えた、ナナサカに銃知識は殆ど持ってない、しかし大体の銃のジャンルと、その大まかな銃の形は知っている、しかしナナサカの知識は装備箱に入っている兵器には通用しない見た目だった。
その兵器をひと言で紹介するとしたら、信号機の背面のど真ん中に銃身を取り付けた兵器だった。
ナナサカは慌てて銃の詳細を確認しようとするが、グレネードランチャーという名前しか情報がなかった。
「グレネードランチャー…………?」
ナナサカの中で、グレネードランチャーはロケットランチャーに似た筒状の形状で、ロケットランチャーとの違いは、爆発する弾を山なりに撃てる位の知識しかないが、少なくとも装備箱の中に入っている信号機みたいなグレネードランチャーは現実では確実に存在しないという形状なのはナナサカでも断言出来る。
「…………?」
「困ったら撃ってみろ!」
ナナサカが装備箱の武器に困惑していると、空を飛んでいたプレイヤーに、取り敢えず売ってみろと促される。
「わ、わかった!」
ナナサカはロケットランチャーを手放して信号機型グレネードランチャーを装備する。
「取り敢えず! いけ!」
5秒ほどかかったリロード状態が終わり、少し遠くからこちらに近付いてくる巨大カマキリに向けて撃つ!
ポポポン!
軽快な音と共にグレネードランチャーから3発の爆弾が1つは青色、1つは黄色、最後は赤色の煙を発しながら飛んでいく。
「うわ、もしかして信号機モチーフのグレネードランチャー?」
ナナサカがそんな言葉を口にしている間に、青色の煙を発した爆弾が巨大カマキリに当たり……爆発せずに、ゴムボールみたいにこっちに戻ってきた。
「へ?」
ナナサカは知らなかった、このゲームの世界、AEDのグレネードランチャーには時限式と接触式の2種類の爆発のタイプがあり、ナナサカが手に入れたグレネードランチャーは時限式で爆発するタイプだった、それに撃った爆弾がゴムボールみたいに戻ってくるなんて事も想定してなかった。
ズドォン!
そして無慈悲に青色の煙を出していたグレネードランチャーの爆弾はナナサカの目の前で爆発した。
「ギャーー!?」
ナナサカは撃った爆弾が戻ってくる想定をしてなかった為、得意な縮地消音歩を使う事なく巻き込まれ、ナナサカの視界左上にあったHPゲージはいとも簡単に全損した。
「ぐふ、これ結構ダメージが衝撃としてくるのか……」
ナナサカは爆発で吹き飛び、地面に叩きつけられる、VRゲームではどのゲームでも痛覚は大幅にカットされていて、基本的に大ダメージを受けても、ペチンと軽く叩かれる位なのだが、このVRゲームではバシン! 位のダメージだった。
そしてHPゲージを全損して倒れているナナサカの目の前にシステムウィンドウが現れる。
『瀕死中
2分以内に蘇生してもらわないと、死亡扱いになり、ミッション失敗になります。
自己蘇生しますか?
YES/NO』
YESの上には蘇生装置みたいなアイコンがあり、そのアイコンの隣には0の数字が浮かんでいた。
ナナサカの腕は動いたので、試しにYESのボタンを押すと、蘇生装置パックというショップ画面が目の前に現れた。
「なるほど課金か…………」
このゲームは課金要素ありだ、つまり所リアルのお金を払えば復活出来ますよと言うことだ。
「流石に自滅で課金したくないな……」
ナナサカはチュートリアルで学んだ事を思い出す、死亡判定が出た場合、スキルやステータス、今でのミッションクリア時に持ち帰った装備の情報、フレンド一覧以外は全部リセットされると。
今のナナサカは失う物は自分を仕留めたグレネードランチャーだけだ、自爆するグレネードランチャーなんて要らないし、アサルトライフルは初期装備故にリセットされても再度手にはいる。
「早く2分たたないかな……」
ナナサカがそんな独り言を口にしていたら、戦車が近付いてきて、ミッション前に僅かに話をしたプレイヤーが戦車から出てきた。




