69、親友、奮戦
ナナサカは弾速で地を駆け回りつつも、敵を殲滅する、ナナサカの近くを飛んでいた輸送船はリダに落とされた為、もう増援はない。
「よっしゃ! ナイスだ、リダ! こっち殲滅したら、すぐ合流する!」
「いや、お前は研究所の壁の上に行ってくれ、万が一の際のカバーを頼む!」
ナナサカがフォローに行こうとするが、リダは拒否しつつ、別の指示を飛ばす。
視界端にあった、リダのHPバーが回復したのもあり、ナナサカはリダの指示に従い、最初に降り立った、研究所を守る壁の上に戻る。
壁の側に登る為の階段があったが、ナナサカはそれを使わずに、接歩で鍛えた足による大ジャンプと空歩、壁ジャンプで壁の上に登った。
「速射砲のシステム変更完了……貴方、規格外ね」
「これくらいやんなきゃリダの防御いつまでたっても貫けないからな、というか姿見せてくれてもいいんじゃないか?」
ナナサカはリダの戦況を確認しつつも、急な不意打ち攻撃が飛んできても迎撃出来るように身構えつつ、女性研究者に声をかける。
リダの戦況は拮抗している、リダの周辺には定期的に空の彼方から砲撃が飛んできて、リダの銃から放たれたビーコンみたいな物が体や顔に貼り付いた巨大生物を貫き、撃破している。
「……完璧に研究所を守ってくれたら考えるわ、少なくとも戦場に出たくないわ、貴方達と違って、私の肉体は包丁で刺されたら死ぬ程度の脆さなのよ」
「俺だって、キッチンにある包丁で胴体貫かれたら死ぬけどな」
ナナサカは返事をしつつ、拡散手榴弾をリダの居る方向に向かって、ダッシュ跳躍してから、全力投球、そこから空歩で空中ジャンプして、研究所の壁の上に再着地する。
拡散手榴弾はリダの近くに落ちて、周囲の巨大生物を傷つけ、足を止めさせる。
それがきっかけでリダが優勢になり始める。
「そんな人外じみた動きをしておいて、包丁で刺されたら死ぬなんて軟な事を言えるわね、常人の肉体じゃあんな動き出来ないわよ、それこそ包丁側を砕くほどの肉体してなきゃ」
「たとて人外じみた機動力が出来る肉体を持っていても、人は包丁1つで殺されるものさ、まだまだ化け物と呼ばれるほど俺はまだ強くないよ」
「度の過ぎた謙遜は嫌味になるわよ?」
「かもしれないが、上を知りすぎて居るからな、強さの上は結構な青天井なんだぜ?」
ナナサカは女性研究者と会話しつつ、辺りを警戒する、今の所狙撃とか超距離攻撃が飛んでくる気配はない、そんな中、リダの近くを飛んでいた輸送船がリダの指示で放たれたサテライトレーザーにより撃沈する。
「凄いわね、本来なら小隊位の規模で対処すべき敵をたった2人で倒すなんて……それに貴方に関してはかなり余裕があるみたいね」
「まあな、ブチギレたリダと戦うより何倍もマシだから、というかそっちも余裕が出てきた物だな、さっきは戦える人が2人だけでもう駄目だー! て絶望していたのに」
「う、うるさいわね! 絶望だってするわよ!こっちの戦力2人で、相手は輸送船が無事ならイカれた量の巨大生物を出してくる群生なのよ、常識的に考えてこの研究所は守れないと理解する物よ」
怒る女性研究者の声が耳元で聞こえるなか、研究所の側で煙が上がる、それは乗り物を要請する煙だとナナサカはすぐに気付く、勿論この場で乗り物を要請したのはリダしかいない。
「え、ここで乗り物要請?」
ナナサカの頭にハテナが浮かぶ、残りの敵の量的にリダならば乗り物を要請しなくても勝てる量だ、あの砲撃だけで事足りるとナナサカは分かる。
ナナサカが困惑していると、更に困惑するものが現れる。
それは高層ビル並みにデカい、二足歩行のロボットだった、しかも複数のヘリによって運ばれている。
「なんじゃありゃあ!?」
「あれは万博で日本の技術力を見せる為に作られた巨大ロボ、フェオウルペオースじゃない!? なんでこんな所に、巨大生物が攻め込んで来た時に軍に徴収されてバラされたはずなのに!?」
女性研究者の慌てる声が聞こえる、それと同時にリダの声が通信機越しにナナサカの耳に届いた。
「ナナサカ! こっからが本番だ、本気出してもらうぞ、北の方角を全力で頼む!」
「分かった」
それと同時に巨大ロボ、フェオウルペオースは研究所の東を守るように投下された!




