64、訓練、合流
「はあ、はあ……分かっていたけど、全然当たらない」
ケルン一等兵は5分ほど木刀をナナサカに振り続けるが、その木刀がナナサカに当たることはなかった。
「まあ、付け焼き刃で当たっていたら、俺はこの世界に居ないからな、しかし5分でへばるとはまだまだ鍛錬が足りないな」
「リーダー少将が接歩を使わない理由が分かりました……物凄く足に来ますね……」
「そうなのかな? 慣れれば平気になるぞ?」
「確かに兵器になりそうですけど……遠いですね、肉体兵器レベルとなると……」
『RSを習得出来ませんでした』
ナナサカの目の前にシステム画面が現れる、端から見ればなんも成果を得られなかったという感じに見えるが、ナナサカはそんな気はしなかった。
木刀を打ち合わせ、結構アドバイスをした為、少しだけ動きが良くなったのだ……積み重ねればきっと剣坂流序を強化する事に繋がるはずだとナナサカは確信する。
そんな中2人は軍の本拠地にワープすると、そこでリダと合流する。
「あ、いた! もしかして2人で出撃していたのか!?」
リダはナナサカとケルン一等兵が同時に現れた事で、出撃していたのかと驚く。
「待て待て、流石にお前を置いて出撃なんてしたら、ケルン一等兵が死ぬからしねーよ」
「私ナナサカ師範と2人で出撃したら死ぬんですか!?」
ナナサカの言葉に、ケルン一等兵は驚愕する。
「まあ、それもそうか……というかレースはどうなった?」
「え、知らん? そもそも結果出るまでもう少しかかるんじゃないのか?」
「確かに全体結果出るまでまだまだあるけど、タイム聞いているんだよ」
「……ケルン一等兵とRSを研いたら忘れた」
ナナサカの忘れた発言にリダは呆れ果てる。
「じゃあレースでのコースを教えてくれ」
「あ、それなら教えられるな…でも市街地から平地、林のルートという単純なルートだぞ?」
ナナサカはレースで通った道を思い出しながらリダに伝える。
「林行ったのか!? エアバイクで!?」
「ああ、あとすまん、めっちゃ自然破壊してしまった」
「え、もしかして妖刀で木々を斬り倒してない行ったのか? 確かにこの世界の木は、斬れば当たり判定無くなって通過可能オブジェクトになるから理論上可能だけど、え、やったの? 人間芝刈り機ならぬ、伐採マシーンになっていたのか?」
リダの困惑ぐわいに、ナナサカは違和感覚える。
「あれ? てっきり自然破壊止めろよと言われるかと思ったが……」
「レースイベントは定期的に発生しているから、そこら辺は気にしなくて大丈夫だ、運営が用意した娯楽イベント系でメインに影響が出ることはないはずだ」
「ADE全体が運営が用意した娯楽じゃないのか?」
「……言いたいことは分かるけど、こう……分けて考えてくれ、ケルン一等兵を育てたらワールドミッションに繋がりそうだけど、レースイベントはマップを定期的にあるイベントで、焼け野原にしても、特にワールドミッションに影響がないと考えて良いんだよ」
ナナサカの言葉にリダは返答に少し困ったように数秒悩んでから返答する。
「成る程……まあ、それならレースでの環境破壊は問題なかったか」
「それはそうなんだが、ようエアバイクジエンドカスタムで高速移動しながら、林の木々を伐採出来たな……」
「めっちゃキツかったよ、というかレース全般が今までのミッションよりキツかった、ジエンドカスタムが足枷すぎる」
ナナサカがそういうとリダは楽しげに笑う。
「あはは、お前にはそれくらいの足枷ある方が楽しいだろう」
「生憎俺は機動力を不便にする縛りプレイは、苦手なんだよな……むしろ自分の足だけでレースしたかった」
「それでエアバイクの人達より早くゴールしたら正真正銘の化け物になるぞ……」
自分の足で走りたがるナナサカにリダは呆れる反面、本当に優勝しそうだなと思うのだった。




