63、競走終了?
「つ、疲れた……普通に戦うより疲れるとかなんなんだよ……」
ゴールに辿り着いたナナサカはエアバイクから転げ落ちるように、ジエンドカスタムから降りて、寝転がる。
「久しぶりだわ、ここまで必死に動いて、疲れたの……大地をブチギレさせた以来かな?」
ゼーハーとナナサカは何とか息を整えて立ち上がる。
「あ、そういえば林の木を滅茶苦茶斬り倒しちゃったけど……大丈夫かな?」
ナナサカは今更思い出す、リダがナナサカをこの世界に呼んだのは、刀で建物とかを殆ど壊さず戦えるという特異性に期待しての事なのに、自然破壊しすぎたら、一般プレイヤーと大差無いのでは? という思考がナナサカの頭に出てくる。
「ま、まあ……ケルン一等兵を育てる状態だから大丈夫だよな、既に普通じゃない状況みたいだし、最悪後々刀で敵を斬りまくれば何とかなるはず」
ナナサカはそう思うことにした、リカバリー出来ると信じて。
「タイムは……良いのか悪いのか、全く分からないな、比較出来ないし……」
そんな独り言を口にしていたら、ナナサカは軍の本拠地にワープさせられた。
「本拠地に戻されたか、リダは……まだ帰ってきてない辺り、俺の方が速い……という結果だったのかな? それとも敵の倒した数で負けるのかな?」
実際の所、ナナサカは敵を2体しか斬り倒してない、そして倒して無い敵は両手両足では数え切れない位には沢山残していた。
そしてナナサカは一直線にゴールへ向かったが、ルート次第では敵を大量に倒して、タイムを大量に減らすことで、ナナサカのタイムよりも好タイムを出せるルートがあっても変ではない。
「ナナサカ師範! おかえりなさいませ!」
「あ、ケルン一等兵、リーダー少将は見てないよな?」
「はい、2人が出ていった後、見かけてません」
ケルン一等兵の言葉で、リダがまだレース中だと知る。
「うーん、また横に待つのも時間の無駄だよな……よし、ケルン一等兵、また剣坂流の修行をしようか」
「え!? もしかしてまたナナサカ師範の攻撃を受け続ける修行ですか!? 1日に2回は……」
ケルン一等兵は顔を少し青くする、あの修行で剣坂流の一端を体得したとはいえ、あの修行はケルン一等兵には応えたみたいだった。
「安心しろ、今回はお前がひたすら攻撃をする方の修行だ、幾ら最優先の生存力を高めるとはいえ、毎回攻撃を回避したり、受け止める修行をしていたら気が滅入るだろ? だから今回はケルン一等兵が攻撃をするターンだ、俺は痛い攻撃しないから安心してくれ」
「え、今回はこっちが攻撃するんですか!?」
「ああ、いやか? それなら前の生存力を高める訓練にするが?」
「いえ、攻撃訓練でお願いします!」
ケルン一等兵は攻撃訓練を希望した、リダが居ない現状回復支援も受けられない為、その状態で耐える訓練なんて恐怖でしかなかったのだ。
「それじゃあ攻撃訓練始めるぞ」
ナナサカがシステム画面を操作して、RSを教えるというボタンを押すと、ケルン一等兵と共に訓練場にワープする。
「じゃあ木刀だしな」
ナナサカは訓練場専用メニューの画面を操作して木刀を装備して取り出すと、ケルン一等兵も木刀を取り出した。
「正直ナナサカ師範に一撃入れられるなんて到底思えませんので、全力で行かせて貰います!」
「ああ、来な! 俺はリダほど坂滑は上手くないが出来ないと言うわけじゃ無いからな全力で来てくれ」
「はい! 行きます、接歩!」
ナナサカが木刀を構えるとケルン一等兵は接歩で一気にナナサカに肉薄して木刀で殴りかかる。
「ほう、接歩がかなり身に着けたみたいだな」
ナナサカは目を丸くしつつもケルン一等兵の一撃を受け流す。
「木断ち!」
「木断ちというに結構勢いが遅いな、でも見ただけでここまで模倣するとは……なんか複雑だな」
「はあ! 最も早く!」
「ただ速いだけじゃ駄目だ、もっと全身を使って斬るんだ!」
ナナサカはケルン一等兵の攻撃をひたすら受け止めつつ、アドバイスをするのだった。




