62、騎乗戦
「まいったな……」
ナナサカは目の前に現れた巨大生物を視認する、巨大シャコ、巨大カニ、そして巨大蚊と巨大バッタがいた、ナナサカからしたら巨大バッタは初見の相手だ、ナナサカならばエアバイクに乗ってなければ苦戦はしないが……。
剣坂流にバイクに騎乗しながら戦う術はない、故にナナサカはエアバイクから降りたほうが強いのだが、ルール的に失格になる。
「エアバイクが足枷とはな、だがやるしかない」
ナナサカはマップを一瞬だけ確認してから、更にエアバイクの速度をあげて巨大生物の群れに突っ込む。
「適材適所が出来れば良かったんだけどな!」
ナナサカは妖刀を取り出し、利き手ではない左手で逆手持ち、振るう。
「剣坂流亜種、辻風斬り!」
空歩と接歩の組み合わせで再びエアバイク事跳躍したナナサカは、巨大シャコの隣を通り過ぎ、そして通り過ぎる刹那に一閃、巨大シャコの頭に深々と妖刀で斬り裂く。
頭を深々とと斬り裂かれた巨大シャコは派手にエフェクトを発して消えるが、巨大カニが妖刀が届かない右側から襲いかかってくる。
「はあ!」
次の瞬間、ナナサカは空歩で空中でエアバイクと一緒に回転、その結果一瞬だけ体とエアバイクは上下反転して、反対側に妖刀が届くようになったので一閃、巨大カニの顔を斬る。
「もう一閃!」
一撃で仕留めきれなかったが、再回転してもう一閃、巨大カニの顔面に妖刀を叩きつけて、とどめを刺す、巨大カニは撃破エフェクトを発して消えた。
ナナサカは見事回転突撃から地面に着地する。
結果的に巨大生物で出来た壁を突破する。
「ははははは!」
内心上手くいくか分からなかったので、思わず笑みが溢れるナナサカ。
「全部ぶっ倒していたら、逆にタイムロスしそうだから路上にいる敵だけ斬る!」
再び加速するナナサカとエアバイク、ナナサカはもはやエアバイクジエンドカスタムの急加速による衝撃に慣れて、そのままチェックポイントへ向かう。
背後にいる巨大生物は無視するナナサカ、レースイベントである以上、敵を倒す事に躍起になっていたら、本末転倒なのを理解していた。
「よし、チェックポイント到達!」
ナナサカは殆どの巨大生物を振り切り、指定されたポイントに到着する。
「ゴールは林の先かよ」
マップを確認して、ゴールへエアバイクジエンドカスタムが出せる最高速度で進むが、そこに立ちはだかるのは林、戦車や車両ならば、ゲーム補正である程度木々を倒していけそうだが、エアバイクだとそんな事は出来ない。
超高速で走るエアバイクで木に激突すれば、ナナサカがぺっちゃんこになってHPゲージ全損するのは目に見えている。
「良くあるアニメとかなら、ぶつかる前に木を斬って、事なきを得るのが定番だけど……やれるか?」
ナナサカの脳裏を過ぎるのは先程叩き斬った巨大生物、攻撃して、撃破したらエフェクトを発して消滅した。
つまり林に生えている木々をぶった斬れば、木が消滅して通れる可能性がある。
懸念点を挙げるとしたら、斬ったとしても、消滅する前に木に激突する可能性がある点だ。
エアバイクが高速でかっ飛んでいる以上、あり得る話だ。
「やるしかない」
超高速でエアバイクがかっ飛ぶ中、ナナサカに考える時間はなかった、利き手である右手はエアバイクのアクセルに直結しているので、左手で刀を振るう必要があるデメリットもあるが、もはやブレーキがないエアバイクは急に止まらない、林地帯に突入1秒前。
「剣坂流、木断ち×沢山!」
エアバイクが木に突撃する前に妖刀が木を切断する、そして切断された木は宙を舞い、ナナサカがその木に激突すると思えば、すり抜けた。
「オラララ!!!」
しかしナナサカに喜ぶ暇はない、バリカンのモーターの如く妖刀を絶え間なく振らないと、木に激突するからだ。
その後ナナサカは林を抜けるまで妖刀を振り続ける、幸い、大きな起伏が無く、ナナサカはゴールまで突き進む事が出来たのだった。




