60、暴走一人用飛行車
『戦場歩兵のレース参加条件:特殊兵器枠に乗り物系兵器を装備してある事。』
『レース開始時、乗り物系兵器は既に要請済み、搭乗済みで始まり、地面に足がついた途中下車(バイク系に関しては、車体から5メートル離れてた状態で地に足をついたら途中下車とする)、乗り物大破、いずれかの条件を満たした際に失格とする。』
『レース中、巨大生物、敵対機械を破壊時、撃破難易度によって、タイム減少のボーナスが発生する、またタイム減少量によってはタイムがマイナスになる場合がある』
『指定されたチェックポイントに到着して、ゴールポイントに到着すればその際のタイムが正式タイムとなる』
『レース中、他プレイヤーの干渉は起こらない』
ナナサカはルールを読み込んでから装備品の特殊装備枠にはエアバイクジエンドカスタムをセットする。
「流石にあのジエンドカスタムのじゃじゃ馬ぷりからして、片手で運転できる代物じゃないから他の武器は使わないだろうな」
今のナナサカは妖刀と性能見てないアサルトライフルを装備しているが、レース中に出番はないだろうとそこを操作することなく装備画面を閉じる。
「じゃあ行ってくるわ、ケルン一等兵もまたな」
「え、は、はい! いってらっしゃいませ!」
ナナサカはそう言って側で突っ立っていたケルン一等兵に声をかける、ケルン一等兵は急に話しかけられてびっくりしつつも反応を返す。
「優勝してらー」
「お前も優勝しろよ、リダ」
「勝てたら勝つよ」
他人事みたいに見送るリダにツッコミを入れるナナサカ、するとリダは笑いつつも、行けたら行くみたいな感じで言って、ワープしていった、レース場に行ったのだろう。
ナナサカもシステム画面を操作してワープする。
ナナサカは次の瞬間、バイクに乗った状態で、市街地に居た。
「うお、身体が急に立ってる状態から乗り物に乗ってる状態に勝手に変わるなんか違和感すごい!?」
ナナサカは目を丸くしつつも辺りを見渡す、うえには信号機……ではなくレース場で良くあるスタートランプみたいなのがあり、視界端にはマップ画面があり、コースを示していた。
「うん? なにこれアシスト機能?」
ナナサカの目の前には、システム画面が現れる、そこにはより分かりやすくコース誘導をしてくれるシステムがあった。
「成る程ペナルティタイムが発生するけど、地面にラインが現れるから、それに沿って走れば、マップ見なくても行けるようになるのか……まあ、方向音痴ではないからいらないか」
ナナサカはアシスト機能を断り、エアバイクのハンドルを握る。
「今日の分の刀振るノルマは達成してるし、たまにはドライブを楽しむか……しかしイカれてやがるこのエアバイク」
ナナサカは乗っている、エアバイクジエンドカスタムを見直して、そう呟くと、頭上にあったランプが赤く光り始める。
そしてランプが青、或いは緑色に光った瞬間、視界端にタイマーが表示された、ナナサカはそれを視認すると同時に、エアバイクのハンドルを思いっきり捻った。
強烈なGと共にナナサカとエアバイクジエンドカスタムはぶっ飛ぶ。
「くう!?」
勢いよくバランスが崩れるが、接歩で地を蹴り、何とかバランスを整えるナナサカ。
「普通に足を床に付けたら足が大根下ろしの要領でなくなりそうだな」
冷や汗をかきつつも、なんとかエアバイクジエンドカスタムを乗りこなすナナサカ、ナナサカは体感時速200キロかな? と感じるが、実際の所は不明。
何故ならエアバイクジエンドカスタムには速度計が付いてなかった、対空カスタムでは一般的なバイクと同じく、ハンドル周りにあったのだが、ジエンドカスタムには無かった。
「全くイカれてやがる……」
因みに速度計が非搭載なのはまだぬるいイカれぐわいなのを、ナナサカはスタート前に知っている、巨大怪獣戦の時に乗ったが、あの時は爆弾大量にエアバイクジエンドカスタムに貼り付けて、神風特攻に集中していた為、気付かなかったが、このエアバイク、ハンドルの前にレバーが無いのだ、なんのレバーと言えば、勿論止まる為のブレーキレバーだ。
勿論対空カスタムにはブレーキレバーは当然付いている、無いのはジエンドカスタムだけだ。
つまり今のナナサカは急には止まれないし、車輪のないエアバイク故に、車体を横にしてタイヤで滑るように止まる事も出来ないのだ、もはやナナサカが乗っているのはエアバイクではなく、ミサイルと言われても文句が出ないほど、乗り物としては終わっている代物だった。
そんな中ナナサカの走行先に、巨大シャコが現れた。




