58、剣坂流見稽古、日常決闘
次の日の夕方、ナナサカとリダは訓練場で決闘をしていた。
ナナサカは妖刀を振るい、リダは普通の刀で防ぐ、2人からしたら何時もの殺り取り。
観客はケルン一等兵、ただ一人、ケルン一等兵に初めて決闘を見せた時みたいに、今回もNPCであるケルン一等兵にRSを習得させるというシステムを使って、ケルン一等兵に剣坂流の戦いを見せている。
「はあ、はあ……2分だ、今日はここまでだ」
「……悔しいなゲームの世界でも現実の世界でも斬れないのは、屈服感あるぜ」
息切れし始めたリダを見て、ナナサカは妖刀を振るうのを止める。
「なあ、リダ……現実の世界の俺とゲームの世界の俺て動き違うよな?」
「そうだな、全くの別物だし、このADEの世界だと、素の身体スペックにゲーム上の能力補正が入るから、かなりスピード上がっているよ、ナナサカは実感ないかもしれないけど」
「いや、実感しているよ? 流石に現実世界で空歩は使えないからね、それはそれとして俺の攻撃を全部防ぐのはまじで腹立つ!」
ナナサカはそう言うとポスポスと意図的に威力のないパンチを放つ、じゃれ合いパンチと分かっているリダは防御せず、体で受け止めている。
「ははは、わかりやすい斬撃を放つナナサカが悪い」
「ちい、そのセリフお前以外が言えば即三枚おろし目指しにするのに、リダだから出来ねぇ!スタミナ切れのリダを斬ったら妥協した感すごいし……」
「これは喧嘩するほど仲がいいというやつなのか?」
2人のやり取りにケルン一等兵はついていけないような困った顔をする。
「因みにケルン一等兵はさっきの決闘で俺達の刀のスピード見れたか?」
「初めての時より目で追えるようにはなったんですけど、防げるかどうかと聞かれたら無理です」
ナナサカの質問にケルン一等兵はすっぱりと答える。
「逆に防げると言われたら笑えるわ……2人目のリダ出現になっちまう」
「……リーダー少将はそんなこと言ったんですか?」
「ああ、言ったし有言実行した、こいつは天才肌なんだよ、たちの悪い事に天才という才能と努力出来る才能、両方を兼ね揃えたタイプだ」
ケルン一等兵の言葉にナナサカがリダをポスポス軽い痛みのない柔らかいジャブをしつつ答える。
「俺はたまたまナナサカの攻撃を見切る才能があっただけだからな?」
「そのたまたまの才能だけで長年俺の攻撃を完全防御されたら長年剣坂流を鍛えたこっちの立つ身がないんですけど?」
「2分以降は防御崩れてナナサカが勝てるからいいじゃないか」
「見ろ、ケルン一等兵、これが遠回しに人を煽るという技術だぞ、2分間なら絶対に倒されないという絶対的な自信がなければこんな煽りできないぞ!」
ナナサカはリダをポスポスと柔らかく殴るのを止めて、ケルン一等兵の側に接歩で移動して、ケルン一等兵の耳元で囁く。
「おい、変な事教えるな、ケルン一等兵が煽り系RSを覚えたらどうするんだよ?」
「あー流石に煽り系はヤバいな、ケルン一等兵、煽るのは俺やリダの攻撃を刀で完璧に防御出来るようになってからな?」
「それは一生煽るなと言うことですね……」
ケルン一等兵がそう言うと、ナナサカとリダの目の前にシステム画面が現れる。
『RS習得出来ませんでした』
初回のRSを習得させるで見たものと同じ物だった。
「うーん、剣坂流序を覚えたから、なんか習得出来なくても、剣坂流序の方になんか変化あればいいのになと思ったが、そう上手く行かないか」
ナナサカが上手く行かなかった事で肩を落とす。
「まあ、剣坂流は明らかに習得難易度最高峰のRSだ、地道にやるしかない、少なくとも太刀筋は見える位にはなったんだ、見る稽古も無駄にはなってないはずだ」
「まあ、そうだな」
3人は訓練場の外までワープする。
ナナサカとリダはこれからどうするかと話し合おうとした時、2人の眼の前にお知らせを知らせる画面が現れた。




