37、山岳地帯
運搬車両から降りた2人は周囲を見渡す。
建物1つなく、樹木も殆どない山岳地帯、足場は悪く、戦いにくさを感じるそんな中、2人は遠くに巨大生物に囲まれている、異質な門を見つける。
それは遠くからでもわかるくらいに巨大で、デザインは宇宙SF的で、敵が作ったものだとナナサカは理解する。
しかし門は開きっぱなしで向こう側が丸見えで、その先にはただの山の斜面しか見えず、門だけではなく、鳥居の印象もナナサカは抱く。
「リダ、あの門か鳥居みたいな物は破壊するべき物?」
「見ればどうするべきか分かるぞ」
リダの言葉を聞いて、再び門を見ると、門の中心に雷のような何かが迸ったかと思えば、まるで召喚されたように空を飛行する円盤や巨大生物である巨大シャコが現れる。
「無限湧きか?」
「無限湧き」
「成る程、よく分かった、あの門を斬って解体すればいいんだな」
リダへの短い確認をしてナナサカは妖刀を抜刀する。
「おいおい、まさか隣の山まで足だけで行くつもりか?」
「そのつもりだが?」
「幾らお前の足が馬並みだとしても、さっき乗ってた運搬車両使っていけ、移動に無駄な体力使って、負けたらカッコ悪いぞ」
リダはそう言って、先程降りた車両を指差す。
「運転できるぞ、俺とケルン一等兵はそれぞれ乗り物呼び出せるから、それはナナサカが使っていいぞ、運搬専用だから現実のオートマ車と同じ要領で運転できるからな、無免許」
「分かった、というかこういう車両も運転出来るんだな」
「戦場歩兵は一部の乗り物しか要請出来ないだけで、乗り物全ての運転は可能だぜ、重装だったり、飛行する特殊な兵種だったら、特殊な乗り物以外は運転出来ない仕様だよ」
リダの説明を聞きつつ、運搬車両に乗り込むナナサカ、それをケルン一等兵が不安そうに見る。
「あの、ナナサカ剣士は免許持ってないんですか?」
「いや、あいつは農業の者だから、小型、大型特殊、そしてなんでか大型二輪AT限定免許持っているけど、今ナナサカが乗った車両は中型四輪……つまり特殊免許じゃ、運転出来ない車種だから無免許扱いだな」
もっともこれはゲームの世界での運転なので、ナナサカが捕まることはない。
「それ軍法会議になりませんか?」
「ならないから安心してくれ、それよりも俺も乗り物を要請するぞ、ケルン一等兵はひとまず待機だ」
リダとケルン一等兵が発煙筒を投げて乗り物を要請している中、ナナサカはアクセルを踏み込み、運搬車両を発進させる。
運搬車両は高速で斜面をくだり、門へ接近していく。
「……やろうと思えばアサルトライフルで撃てそうだけど、やめとくか、片手運転で事故りそうだし」
ナナサカはそんな独り言を口にしながら運転していると、背後からババババババ! とヘリコプターのような音が聞こえる。
「なんだ、もしかしてリダか!?」
1度運搬車両を止めて、空を見上げると、そこには時折見る乗り物を要請時に出て来ていた、乗り物を運搬していたヘリコプターとは別物のヘリコプターが飛んでいた。
ヘリコプターにはミサイルやガトリング砲など付いていて、明らかに戦闘用にカスタマイズされていた。
ナナサカはリダに通信を試みると返事が帰ってくる。
「ああ、俺が飛ばしている! ケルン一等兵も一緒だ!」
「大丈夫なのか、ゾンビゲー特有のヘリみたいに、墜落して2人ともお陀仏なんて笑えないからな?」
「は、確かに巨大生物や宇宙人が暴れ回ってゾンビパニックゲーに近い環境だけど……お前に決闘を挑まれるよりもキツい状況は早々無いから死なねーよ、じゃあ先制は貰うぜ」
リダがそう言うと、ヘリコプターからミサイルが発射されて、門に炸裂した! 更にケルン一等兵がミサイルを構えて追撃のミサイルを放つ!
「おお、ヘリコプターの中からミサイルとか撃てるのか!」
「ああ、現実だったら反動の関係上危険で出来ないけど、ここはゲームの世界だからな……あ、巨大生物がそっちに殺到するから任せた」
「丸投げかよ、分かった!」
ナナサカの眼の前には巨大シャコが現れて運搬車両を殴ろうとする、ナナサカはそれを確認して、最高速度で走っている、運搬車両から飛び出した!




