36、各自基礎戦術
準備を終えて、3人が出撃すると、ナナサカとリダは乗り物の中に転送される。
「お、このシチュエーションは初めてミッションに出た時と同じシチュエーションだ」
「そういえばお前は俺を待たずに初期装備で緊急ミッションに出てたな……」
「あの時の俺は若かった……」
「まだ3日すらたってないぞ、出来立てほやほやの突然変異新米兵」
2人はそんな言葉のやりとりをしながらも周りを確認する、そして乗り物の運転している存在がケルン一等兵だというのに気付いた。
そして運転席に付いている窓から見て、どうやら山岳地帯を移動しているのに2人は気付く。
「ナナサカ剣士とリーダー少将、これから戦場に行くのに、随分と落ち着いてますね」
「まあ、そこら辺の巨大生物の大群と戦うより、隣のバカ剣士と戦う方が命懸けだからな」
「酷いな、流石に命取りそうな一撃になるなら寸止めするのにーー!」
ケルン一等兵の言葉にそれぞれ反応する2人、そんな返答を聞いたケルン一等兵は2人に問いかける。
「そろそろ戦場に着きますが、私はどんなふうに立ち回ればいいのでしょうか? 指南してくれませんか?」
「え、えーと……リダパス、今のケルンに剣坂流の教えは出来んし、生存重視ならリダの専門分野だしな」
「はいはい、任せろ突撃脳、ケルン一等兵は乗り物が要請できるならすぐに要請して、移動は基本的に乗り物を使え、戦闘時はナナサカが斬りそこねた敵に向かってミサイルを撃ってくれ、そして敵が近付いてきたら乗り物で全力で距離を取ってから再びミサイルで攻撃という方針で戦ってくれ」
ナナサカはリダに戦術を丸投げして、リダはケルン一等兵に立ち回りを指示する、そしてついでと言わんばかりにリダはナナサカにも指示をする。
「ナナサカはただ敵軍に突撃しろ、ついでにそこに爆撃落とすからなんとか生き残れ」
「指示が雑すぎるし、フレンドリーファイヤ前提かよ」
「毎回俺はお前の決闘に2分間付き合っているんだから、たまには俺の攻撃を受けるサイドになれ……あ、ケルン一等兵、ナナサカが倒れても助けなくていいからな、俺が助けるし、君はまず生き残ることを最優先に行動してほしい」
「わ、わかりました……」
リダの言葉にケルン一等兵は引きながらも返事する。
「おいおい、ケルンをドン引きさせるなよ、まあケルン一等兵は己の保身第一に行動して欲しいのは賛成だ、俺はうっかりで瀕死になる可能性はあるけど、リダがリカバリーしてくれるからな。
ケルン一等兵は生き残ることを優先してくれ、俺達がどんなにボロボロでも躊躇いなく見捨てろ、見捨てたとしても俺達は怒らないし、未熟なのに命の危険を晒して、助けに来る方が怒るからな」
「わ、わかりました…………」
ナナサカの言葉にケルン一等兵は更に縮こまったような声で返答する。
「悪いな、脅すように言って」
「い、いえ、お二人と比べたら、こちらが未熟なのは事実ですから……だからこそナナサカ剣士とリーダー少将に強くなる方法を教えてもらっている途中ですから……」
「ああ、強くなってくれ、強くなってる間は俺達が守ってやる」
「……ありがとうございます、とそろそろ着きますね、降りる準備をしてください、ナナサカ剣士、リーダー少将」
ナナサカの言葉にケルン一等兵はお礼を言う。
「出来れば美人な女性を守りたかったぜ」
「そんな事は言える辺り、リダはかなり余裕そうだな、俺のかわりに最前線行けば?」
「ははは、一番槍はお前にくれてやると決めているから遠慮させてもらうよ」
2人はそんな言葉の言葉のキャッチボールをしながらそれぞれ武器を手にする。
「作戦エリアにつきました、ナナサカ剣士、リーダー少将、ご武運を祈ります」
ケルン一等兵の言葉を聞きつつ、2人は運搬車両から降りるのだった。




