31、剣坂流披露
「おお、ここなら全力で刀振るえそうだな」
ナナサカは肩をグルングルン動かしたり、ここなら兵器を出せるのかとメニューを開いたりする。
すると実際に兵器である刀を出せることに気付いた、ナナサカは早速妖刀を取り出す。
「よし、妖刀を出せたのなら……リーダー少将?」
「やだ……と言いたい所だけど、先に剣坂流の強さを見せたいんだよな、わかってるよ」
ナナサカの言葉にリダは嫌がりながらも、刀を取り出した。
それを見たナナサカはニヤニヤし始める。
「やっぱり使えるんだね、刀!」
「……何が言いたい」
「わかっている癖に、俺と戦う因果からは逃げられないて」
ナナサカは理解していた、リダの隠されているRSを……そもそもRSは現実で使える技能をハイテクなゲーム機がスキャン解析してゲームに落とし込んでいるのだ。
つまり現実のプレイヤーを知れば、ある程度RSを推測する事は可能で、現実のリダ……林堂大地と小学生から大人まで長い付き合いである刀坂七坂からしたら、隠されたRSの推測は簡単だった。
更にリダのDRS:逃れられぬ因果に含まれる、戦闘狂のDRSを持つものからのフレンドリーファイヤのダメージ軽減無効化というナナサカ絡みの効果とそして兵種が後衛系の爆撃誘導兵なのに刀が使える時点でナナサカは隠されたRSを確信していた、リダの隠されたRSはナナサカと同じ近接戦闘技能系……剣坂流だと。
「チィ……2分だ、それ以上は付き合いきれんぞ」
「分かった、いつもの2分だね、ケルン一等兵、ちょっと離れて見ていてくれ、まずは剣坂流の本気の戦い見ててくれ、剣坂流……接歩、大断ち!」
ナナサカは一歩で5メートル以上あったリダとの距離を詰めて、妖刀を両手で握りしめて、上段から叩き斬ろうとする、その勢いは殺意に満ちていて、ケルン一等兵は目を丸くする。
しかしリダは慣れた手つきで刀を傾け、妖刀を受け流した。
「ダメじゃないかリダ、剣坂流を教える以上技名言わないと!」
「えー……と言うかさっきの技に名前なんて……ああ、お前がつけてたな、坂滑だったけ、勝手に剣坂流に組み込まれたな」
「そうそう次はこれ行くぞ、剣坂流奥義! 七凪!」
そしてナナサカは奥義をリダに放つが、それも防がれる。
「そんな早い段階で奥義見せても、今のケルン一等兵の目じゃ見切れないだろう? もうちょっと速度の遅い技を使えよ」
「確かにそうだけど、そういう技もあると認識させるのも大事だろ? 大木断ち!」
リダはナナサカに指摘するが、ナナサカは止まらず技を放ち続ける。
そうしてナナサカは2分間で出来る限りリダに様々な技を放つのだった。
「はい、2分! もう付き合わんぞ!」
2分経ったらリダは刀を仕舞う、それを見てナナサカはブーと不貞腐れながらも妖刀をしまった。
「……その、剣坂流の凄さはとても良く分かったんですが……リダさんの方が強いんですか?」
ケルン一等兵は恐る恐る質問する、圧倒的な攻撃を全て受け流すリダ、そんな攻防にケルン一等兵はそんな感想を抱く。
「試合ルールならともかく、本格的な戦いならば俺はナナサカに勝てないよ、こいつは俺よりもスタミナが100倍くらいあるから、意図的に本気で守りを固めて、持久戦持ち込まれたら絶対勝てない」
しかしそんなケルン一等兵の感想をリダは否定する。
「本当、リーダー少将はデスクワークのせいでスタミナが低いんだよな、お前も早朝ランニングしたらどうだ?」
「朝はゆっくり寝させろバカヤロー、お前みたいに朝強くないんだよ、生活リズムが昔すぎるんだよ」
ナナサカが軽口を叩き、リダが反抗する、そんな2人からしたら何時ものやり取りなのだが、それを見るケルン一等兵は奇妙なお芝居のようにも見えた。
「2人は仲がいいんですか? 悪いんですか?」
「悪かったら、俺はこの世界に来てないぞ」
「まあ、腐れ縁だからな、言いたくないが一応親友のようなものだ、しょっちゅう殺す気で木刀で殴ってくるけど」
ケルン一等兵の言葉にナナサカ、リダの順番に返答して、ケルン一等兵をより困惑させるのだった。




