29、一等兵捜索、寄道
「しかしケルン一等兵はどこで再会できるのやら?」
ナナサカはふと思い浮かんだ事を口にする。
「さあ? この軍の本拠地に名前あり……ネムードNPCは居ないが……そもそもこのゲームのプレイヤー、基本的に味方兵士NPCはデコイとか囮目的で助ける事なんてしないからな」
「そうなのか?」
「ああ、普通のモブNPCは定型文レベルの物しか話せないからな、改めて確認なんだが、ケルン一等兵は普通に会話出来ていたんだよな?」
「ああ、最近のAIは凄いんだな、人と遜色ないぜ」
「それほどのAIを積んでるなら、もしかしてこの軍の本拠地にいるかもしれない、広いし、探してみよう」
リダはそう言うとナナサカの首絞めを止める。
「ふう、しゃばの空気は上手いぜ」
「別に呼吸困難になってた訳じゃないのによく言うぜ」
「俺以外にやったら駄目だぜ?」
「フレンド以外にやったら、通報されて良くてログイン制限、最悪BANだからやらねーよ、あとフレンド相手じゃないと首絞め出来るほど密着出来ねーよ、そしてお前以上に首を絞めたくなる馬鹿な男は居ないから、問題ない」
ナナサカの注意にリダは呆れたように返答する。
そんなこんなで始まった軍の本拠地探索、軍の本拠地は広く、様々なショップが並んでいる。
「アーマーショップ…そういえばこのゲームて防具要素てないのか?」
「ああ、アーマーショップは外見の変更の意味合い具合しかないぞ、どれだけ堅牢な防具も中の人が攻撃を食らった際の衝撃でダメージ食らうから、防具のステータスは意図的に省いているらしい」
「全裸でもフルアーマーでもダメージ変わらないのは、変な話だな」
「ゲーム的都合上、どうしてもリアリティが欠けるのは仕方ないことだ、あと流石に全裸で戦うプレイヤーは……ごく一部しか居ないぞ」
リダは全裸で戦うプレイヤーを否定したかったが、世の中には物好きがいるので否定出来なかった。
世の中には早くゲームをクリアするために進んでほぼ全裸になるプレイヤーが居るのはリダは知っていたし、このゲーム内でもなぜか全裸なプレイヤーはいる。
なお、AEDはオンラインゲームである以上、RTAのように早くゲームをクリア出来る物ではない為、なぜ全裸なのかはリダはわからない。
「それよりもナナサカの防具の見た目変えないか、初期装備のままだとなんかカッコ悪いぞ、ステータスに影響が無くても変えようぜ」
リダに言われてナナサカは視線を下に向けて、自分の格好を見る。
軽装防弾チョッキでデパートの警備員の格好だ。
「……半裸になった方がいいか?」
「半裸の背中に俺の蹴り跡付けていいなら止めはしない」
「冗談通じない男はモテないぜ?」
「お前の冗談に付き合ったら1日が潰れるからな」
ふざけながらもナナサカはアーマーショップにアクセスする、アーマーショップはゲーム内通貨で買えるものと、リアル課金が可能な物があった。
「おお、甲冑とか着れるのか」
「え、買うつもりなのか、甲冑……リアル課金だぞそれ、流石にSFの世界で中世の甲冑とか時代錯誤にも程があるぞ」
「課金系は水着とか、世界観ぶち壊し系多いな」
「頼むから世界観にあった格好をしてくれ、ケルン一等兵に変態と呼ばれるぞ」
課金の一覧ばかり見ているナナサカに釘を差すリダ、流石にここまで強めに釘を刺されるとナナサカも悪ふざけをやめた。
「じゃあ真面目に、これとかどうかな?」
ナナサカが試着のボタンを押すと、軽装防弾チョッキなどが消えて、代わりに現れたのは、江戸時代の浪人の服装、着流しという服装で、ナナサカの纏った物は赤色メインにサブに黒色を入れた服装だった。
「クソ、時代錯誤だけど、妖刀使いだし、似合ってるから、文句言えないな、でも課金スキンだぞ、買うのか?」
「まあ、ソフト代はリダに払って貰ったからな、それなりに楽しんだら多少はゲームにお金落とさないとな」
ナナサカは指を動かし、購入処理を済ませる。
「良かった、アカウント残高にお金余ってて、ログアウトしてお金チャージするという面倒試薬てよかった」
「それ前に俺に送ったクソゲーの名残だろ……あと一応、あと一着ゲーム内通貨でもいいから現代向けの服装買っとけ」
「へーい」
ナナサカはついでに重装プロテクターを身に纏った特殊部隊のアーマーをゲーム内通貨で購入した。
ナナサカはなんとなくで特殊部隊のアーマーに着替える。
ナナサカは浪人服をここぞという時に着る事にしたようだ。
「特殊部隊のアーマーを着ても、着流しと同じ位の重量てバグだよな」
「仕様だよ、流石に現実と同じ重量にしたら着れる人限られるし、性能変わらないのに重い防具とか求められないからな」
2人はそんな話をしながらもケルン一等兵探しを開始した。




