28、帰還、詐称影響?
「あれ、戻って来ちゃった?」
ナナサカが辺りを見渡すがケルン一等兵の姿はなく、リーダー少将(偽称)改めてリダしか居なかった。
視線を下ろすと、そこにはミッションクリアの画面があり、ナナサカはよく見ずにタッチする、すると何時もの装備箱開封画面が現れる。
確認してみると、ナナサカはなんか良さげなアサルトライフルを手に入れたが、それどころでは無くなっていた。
「ナナサカ二等兵……?」
「なんでしょうか少将……?」
背後からリダの圧をかける声が聞こえる。
ナナサカは日頃の経験からして、あーこれはやっちゃったかなと、本能的に悟る。
この声は結構怒ってる声である、抗うより普通に攻撃を己のみを受けたほうがいい時の声だった。
「なんか他の人に、ある事無い事吹き込んでないかな?」
「あはは、ケルン一等兵にリダの事をリーダー少将として紹介しました」
「そのせいで俺にリーダー少将(偽)という称号付いたんだけど何やらかしてるんだ、俺を階級詐称で軍法会議にかけたいのか?」
リダが腕でナナサカの首を絞めるが、セーフティエリアの影響か、ナナサカにダメージは無い。
「ぎゃーー、お許しよリーダー少将〜〜」
周りにいる他のプレイヤーが何事かとなるが、ナナサカのわざとらしすぎる棒読みセリフで、あ、こいつらただ遊んでるだけだと察して皆興味を急速で失った。
「さて、拷問……じゃなかった、尋問を始めようか、ナナサカは嘘偽りなく答えること、答えないなら首を絞める……現実の方で」
「現実持ち出すのは、ゲームの世界では禁じ手じゃないんですかねー? あと、首絞めるより剣で攻撃してきてほしいぜ、まあ嘘偽りなく教えるからいいけど」
「剣で攻撃だと決闘になって、お前は嬉々として防ぐだろうがよ、やらんぞ」
ナナサカが嘘偽り無く答えようとすると、2人の耳に放送が聞こえる。
『ワールドミッションのクリアによって、戦況が変化しました』
放送は他のプレイヤーにも聞こえていて、周りが少しざわめく。
ナナサカも他のプレイヤーに釣られて周囲をキョロキョロする。
「うん? もしかしてケルン一等兵関連がワールドミッションだったのか?」
「十中八九そうだろうな、そもそもこのゲームのミッション内で、NPCが名前を持っているなんてワールドミッション以外に無いからな、普通は名前聞いても階級しか言ってくれないんだぞ?」
ナナサカの疑問に首を絞めながら答えるリダ、端から見れば拷問案件なのだが、セーフティエリアで苦しみやダメージが無いため、ナナサカは苦しまず会話を続ける。
「そうだったのか、そういえばミサイルウルフスピア渡しちゃったけど、そういうことならもっといい武器渡したかったな」
ナナサカがリダに首を絞められつつも、自分の装備兵器一覧を確認すると、妖刀の下にあった装備兵器がミサイルウルフスピアから初期のアサルトライフルになっていた、装備一覧からミサイルのカテゴリを見たが、空っぽになっていた。
「そんな事言っても、まだhard以上の難易度はいけない状態だろ、Normal難易度だとそこそこの武器しか拾えないからな」
「hard以上行くにはどうすればいいんだ?」
「ミッション重ねるしかないね、一定数ミッションクリアして、兵器をかき集めれば上位難易度いけるようになるよ」
「長いなー最も早く上位難易度いければいいのに、あのWarningで現れた巨大生物達はそこそこ硬くて斬りがいがあったんだよ、多分あれ難易度的にhardの敵だよな? あれくらい硬い敵を斬りたい」
ぶーとナナサカが不貞腐れつつも、装備メニューを閉じると気になったことを口にした。
「そういえばさっきリダは称号手に入れたと言っていたよな、俺も手に入れたのかな?」
「クリア画面しっかり見なかったのか? ステータス画面の称号ボタン押せば見られるぞ、基本的にワールドミッションの結果だったり、非凡な行動をした場合発行されるぞ」
リダの言葉に従い、メニュー画面を操作して称号を確認する。
するとナナサカの称号に剣士と剣豪、そして詐欺師という3つの称号があった。
2つは良いものだったが、残りの1つは不名誉な称号だった。
「剣士と剣豪と詐欺師があった」
「詐欺師て、リーダー少将の件だろ、全く……悪い事はするもんじゃないぞ」
「ならリダを少将まで階級を上げれば嘘じゃなくなるな」
「正気か? あ、こいつに常人の正気を期待する物じゃなかった」
ナナサカの言葉にリダは少し強めの言葉で攻めてくる、しかしナナサカに取っては日常だった。
「俺の首絞めながら会話するお前も、人の事言えないけどな」
首を絞めながら会話するリダと絞められながらも普通に会話するナナサカ、傍から見ると、2人とも正気じゃないのだが、それを指摘する人は居なかった。




