25、蘇生、制限
「よし、遠い空にいるあいつがラストだな」
殆どの飛行円盤を破壊して、撃墜したナナサカは最後の1体を撃墜するために、ミサイルを構える。
「まった、ナナサカ! 先に装備箱の回収! 敵を1体残して、装備箱回収はこのゲームの基本だから出来れば記憶してくれ」
「わかったよ」
ナナサカはミサイルから妖刀に持ち替えて、散らばった装備箱の回収を始める。
装備箱以外にも回復箱も転がっているのでついでに回収する。
そんな中、声が聞こえたので、ナナサカは足を止める。
「……助けて……くれ」
「え?」
それはナナサカからしたら知らない人の声だった、助けを求める声を見捨てられない程度には善性を持っていたナナサカは、声のする方向へ向かうと、そこには死にかけの若い男性軍人がいた、お腹に大きな赤いエフェクトが発生していて、いかにも死に際というのが分かる。
「NPC……?」
「はあ……はあ、たすけて……」
ナナサカ視点、その若い軍人の頭上には名前が無かった、ナナサカは手早くメインメニューを開き、オプションをチラッと確認する、そこにはプレイヤーの頭上に名前のを表示する項目がオンになっていた。
つまり、頭上に名前のない、目の前の死にかけの軍人はNPCというのが確定した。
「助けるて……どうすれば?」
ナナサカは困惑しながらもNPCに近付く、ナナサカの頭の中で助ける方法が浮かんでは消えていく。
回復箱を届ける……回復箱は触れたら自動で使用されてしまうので、NPCの所まで運ぶのは不可能。
自力で応急手当……ナナサカは応急手当が出来るが、それは応急セット等道具ありきの技術だったので、素手だけじゃ不可能。
こうなればリダを呼ぼうと大声を出そうとしたナナサカの前にシステムウィンドウが現れた。
『蘇生装置を使って、蘇生しますか?YES/NO』
「蘇生装置て、あれか? ログインボーナスの……」
ナナサカは今日はログインしてきた際に貰った物を思い出す……でもあれって自己蘇生用だよな? と思考が過ぎるが、プレイヤーを蘇生する際とNPCを蘇生する際に必要な物が別なのかなと思い至る。
「まあ、使っちゃうか」
ナナサカは蘇生装置を使うことにする、自己蘇生用の蘇生装置なら、死ななければ良いだけと判断して、最悪課金すればいいよなという考えの元、ナナサカはYESを押した。
すると若い軍人のお腹に発生していた、痛々しい、赤いエフェクトが消えて、更にナナサカの目の前に新たなシステムウィンドウが現れた。
『特殊な状況により、特別ショップでの蘇生装置が含まれる商品が購入不可能になりました』
「へ?」
まさかの画面に固まるナナサカ、そしてそれが課金による蘇生装置の購入が禁止された事に気付くのに数秒かかった。
「い、生きている!? あ、ありがとうございます……貴方は命の恩人です」
「え、ええ……ど、どうも……」
ナナサカは動揺しつつも、立ち上がった若い男性軍人に返事をする、そんな中リダが新たに呼び出した、ミサイル付きの車両に乗って、ナナサカの元にくる。
「ナナサカー、装備箱回収終わったしそろそろ……お前、変な事したな?」
「あ、ああなんか蘇生装置が課金で買えなくなった」
リダは車両を降りてナナサカに詰め寄り、ナナサカは正直に事を話す。
「……色々と気になるし、問い詰めたいが、ひとまず残りの1体倒してくる、ナナサカはそこの軍人NPCの側に居てくれ、このゲームのNPCは基本脆いからな、多分次死んだら蘇生させる事も出来ないと思って動いてくれ」
リダはそう言うと車両に乗り、ナナサカと若い男性軍人から少し距離を取ってから、最後の1体を撃破する為に車両についている、ミサイルを撃つ。
そんな中若い男性軍人はナナサカに話しかける。
「あの、すみません、お名前聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」
「……わかった、俺の名前はナナサカ……軍人というより、まあさっき話していたリダという男の助っ人として戦場に立っている剣士だ、よろしく」
ナナサカは考えながら返答する、銃器より妖刀をメインに戦っている為、剣士としてナナサカは己を表現した、すると若い男性軍人は目を丸くした。




