19、仕事選択
「うーん、やっぱりゲーム内通貨を稼ぐより装備箱稼いだ方がいいな」
「なんか稼ぎミッションとかないのか?あ、次は俺がミッション選んでいい?」
「あるのはあるけど……正直気乗りしない、地下ミッションだし……うん、良いぞ」
リダは悩みながらもナナサカの要望を肯定する。
するとナナサカの目の前にチームリーダーになりました、というメッセージウィンドウが現れる、リダがミッションの選択権を預けたのだ。
ナナサカはメインメニューを呼び出し、ミッションボタンを押し、ミッション一覧を眺める。
「うーん、じゃあこれにするか」
ナナサカは先程リダが口にしていた、地下ミッションと思われるミッションを選んだ、ミッションタイトルは地底吸血鬼討伐作戦。
そのミッションタイトルに指をあわせると、巨大な蚊が地下にいる映像が表示される。
そして出撃ボタンを押す、すると本当に出撃しますか? というボタンがナナサカの前に出てきたので、ナナサカはYESのボタンを押した。
「あ、やべ説明忘れ」
リダが焦るが、時既に手遅れで2人は光りに包まれて転送される。
2人は地下鉄道みたいな場所に降り立つが、リダは膝を地面につけて、手を地面につけてへこみ始めた。
「終わった」
「え、何が終わったんだ?」
「ナナサカ後は任せた、俺は役に立たない」
「え、なんで?」
ナナサカはリダの言葉の意味がわからなかった。
「俺装備変えてない」
「え、あ……」
ナナサカはその意味を察する、さっきの怪獣戦で、リダの装備している兵器は巨大ミサイル、巨大で重い遠隔爆弾、そして戦車だ……。
ナナサカは辺りを見渡す…地下鉄道みたいな場所にいて、青空なんてある訳がない、つまり巨大ミサイルなんて飛んでこないし、戦車を運搬する空路なんて当然ない。
周囲には自分達以外にもNPCと思わしき兵士達がいるがナナサカはひとまず兵士達をスルーする。
「……まさかあの遠隔爆弾しか使えないのか?」
「ああ、当然ながら地下ミッションで使うには性能が死ぬほど噛み合ってない、使ったらほぼ自爆する、俺はお荷物確定だな……あ、でもNPCがいるな」
「あの兵士達は一緒に戦ってくれるのか?」
「ああ、さっき怪獣の時にいた民間人と違って戦ってくれる……まあ、装備兵器は基本的に弱い武器だし、死んだら復活しないから、かなり上手く指揮しないとデコイにしかならないけどな」
「これから、上官の指揮に入ります!」
リダがNPCの兵士に近付くと、兵士はリダに敬礼する。
「まあ、リダなら放置しても死なないか、じゃあ俺だけで突っ込めばいい?」
「……まあ、地下だし、お前の足なら敵に刀が届かない事は無いだろう、行ってこい鉄砲玉」
「鉄砲玉ならこういう持ち方で突っ込んだほうがいいか?」
ナナサカは刀を水平にして腰辺りで構える、剣坂流には存在しない構え。
「……ナナサカ弾発射ーー!」
「うおおおおお!」
ナナサカはリダのセリフと共に構えを変えずに走り始める! しかし何処にいけばいいのか分からず立ち止まる。
「……えっと、敵どこ?」
「そこのモグラが掘った穴みたいな先にいるぞ」
「うおおおお鉄砲玉改めて、妖刀弾いっきまーす!」
ナナサカは構えを変えずに再び、敵地に突撃するのだった。
「……このままサボっていいかな?」
「な、仲間を見捨てるのは駄目なのでは!?」
リダのサボり宣言にNPCの兵士は困惑を示す、リダはこの反応が定型文なのを知っている。
そもそもこのゲームはNPCの兵士はあっさり死ぬ。
守ろうとしても、基本的に巨大生物の大群と戦う以上、守るのは至難の業だし、フレンドリーファイヤーありなので、人によっては爆発物に巻き込みがちだ。
別にNPCの兵士は高度なAIが搭載されていないので、殆どのプレイヤーは一次的なデコイとして使っている
「あいつは見捨てても死なないから大丈夫、空があるステージで輸送船撃破とかなら死ぬかもしれないが…まあ、ゆっくり行こうか」
リダは兵士のNPCになんとなく意味のない返事をしつつ、ナナサカを追って、先へ進むのだった、しかしその足取りは巨大爆弾を所持している影響で重かった。




