18、一閃剣撃
ナナサカに向かって戦車の弾丸が迫る、ナナサカ視点からはゆっくりと弾丸が向かってきていた。
本来なら一瞬で着弾する戦車の弾丸だが、ナナサカは脳の処理速度を加速させて、一瞬をスローに感じる技術を身に着けていた。
ナナサカの身に着けた、剣坂流の技術以外の大半は、とある防御を破壊する為の物だが、その技術はこんな状況でも役に立っていた。
「剣坂流、砲断!」
剣坂流に対怪獣の技は無いが、対戦車の技はあった。
ナナサカは一瞬で戦車の砲弾を真っ二つに斬り裂いた、そして砲弾は殆ど速度を維持したまま、2つに分かれて怪獣に突き刺さる!
「2等分すれば威力が2倍……になったらいいな」
ナナサカはそう言いながら遥か高い所から落ちて、着地する。
常人プレイヤーなら、着地で大ダメージどころか瀕死になるのだが、ナナサカは高所からの受け身の技術を身に着けていたので、小ダメージに抑え込む。
「いってて……高すぎて着地の衝撃殺しきれなかったか」
ナナサカは立ち上がり、怪獣を見る、怪獣はゆっくりと倒れ盛大に紫色のエフェクトを発して消えていった。
「正直だけ刀で斬り伏せたかったけど……流石に刀1本で、爆弾エアバイクと巨大ミサイルと同等の火力は短時間に出せないな……それに結構封殺していた所もあるからな」
ナナサカは考える、先程の巨大怪獣は炎のブレスしかしてこなかったが、それはリダが遠隔巨大爆弾や巨大ミサイルで一気に追い込んだからだ、多分長期戦だったら他にも攻撃手段もあったはずだ。
「1人でやるにしても、ある程度スキルで火力補強してからだな……あ、装備箱」
ナナサカは気付く、装備箱回収してねぇとその瞬間、ナナサカは光に包まれて、巨大怪獣と戦う前の場所にいた。
リザルト画面には装備箱獲得無しと書いてあった。
つまりこのAEDというゲームで強さの肝になる兵器を拾い損ねたのである、一応ゲーム内の通貨が貰える為、ミッションをこなす意味は少なからずあった。
「ナナサカ、装備箱は回収してくれよ……俺巨大爆弾持ってるから、移動力常人以下になってたんだよ」
「戦車じゃ回収出来ないのか?」
「戦車だとその場で開ける方は出来ないけど、回収は出来るぞ、でも結局戦車は遅いから遠い装備箱は回収出来ないんだよ!」
「じゃあ巨大爆弾捨てればいいのに」
ナナサカは知っている、装備した兵器は放棄出来ると……まあ、そんな事したらロスト扱いになり、ゲーム内の通貨を払って再度手に入れないといけない。
「あれ高いから捨てられないんだよ! 重いという欠点さえ除けば火力は凄いからな! 重たいけど!」
「重さは致命的じゃないか?」
さっきの巨大怪獣は1体だけだったがADEの巨大生物は基本的に数による圧殺が基本だ、故にプレイヤーにある程度速さを求められる。
それなのに遠隔操作の巨大爆弾で足が遅くなっていたら色々と致命的だ、事前に設置するのも限度があるし、爆弾で攻撃可能な範囲も限界がある。
単体の怪獣戦ならば使い道はあれど、巨大生物相手だとかなり使いにくいだろう。
「まあな、そもそも誘導爆撃兵は癖の多い兵器がメインだからな…上手く使いこなしてこそ一流と言う奴だ」
「そうかよ、まあ直接攻撃が苦手なナナサカに合っているな」
ナナサカは知っている、リダは攻撃的な行動は苦手だが、罠を仕掛ける、人を指揮して攻撃は得意な司令塔、或いは罠師タイプだ……そして防御性能は刀、剣を持てば近接攻撃は全て防げる試合以外では敵に回してはいけないタイプだと。
「なあ、ナナサカ片方に妖刀装備しているのはわかるけど、もう片方は何装備しているだ?」
「え、まだいい銃出てないから、初期装備のアサルトライフルだよ」
「所持金は?」
「566AED円」
ナナサカはリダに現状を伝えるとリダは渋い顔をした。




