14、試斬巨大蝦蛄
「全く、争いを渇望するナナサカにピッタリなミッション行くか」
「どんなミッション?」
「巨大なシャコが町を破壊しようとするから、そいつらを討伐するミッションだな」
リダがそう言うと、ナナサカの目の前にミッション画面が現れる、リダが表示させたのだろう。
「シャコて海のボクサーといわれるパンチが鋭い甲殻類か?」
「ああ、リアルではカニの甲羅を破壊するほどの威力を持っていて、この世界だと巨大な分、ビルとか殴り壊すぞ、勿論俺達が喰らえば大ダメージだ、2発も喰らえば、視界端のHPゲージは全損するだろうな」
リダの言葉でナナサカは視界端右上に見えていた、バーが2本になっていた事に気付く。
「あ、チームを組んだからか、俺のHPバーの下にリダのライフゲージが追加されてる」
「HPバーかライフゲージかどっちかに統一しなよ」
「リダが瀕死になったら速攻で蘇生してあげるからな?」
「はは、背後からお前にバッサリ斬られない限りお前より先に瀕死になるつもりはないぞ」
リダは軽口でそういうが、ナナサカは万全なリダを真正面から斬りたいのであって、不意打ちで斬るのは楽しくないからしないという性格なのを知っているので、刀を持ってない以上、ナナサカが斬ってこないのは確信していた。
「それじゃあ行くぞ、ナナサカ」
「ああ、リダは爆撃誘導兵だったけ? 爆撃で俺を巻き込むなよ? 流石に俺を中心に街一帯を絨毯爆撃したら回避しきれないからな」
「はは」
ナナサカの言葉にリダは乾いた笑いで返す、その乾いた笑いはそんな事しないぞという意味か、それで死ぬほどヤワじゃないだろという意味かはリダにしかわからない。
そしてリダが目の前に浮かんだウィンドウを操作すると、2人は光りに包まれて、拠点から移動した。
ナナサカとリダは工場地帯の一角に降り立つ。
「ここ現実だと、どの辺りだ?」
「さあな、現実の一部を模倣したエリアなのか、創作されたエリアかはわからないが、来るぞ!」
リダの言葉に反応するかのように巨大シャコがわらわら現れて、工場設備を薙ぎ払いつつ、ナナサカ達に向かってきた!
「ナナサカ、行ってこい! 支援する!」
「了解! やってみるか!」
ナナサカは刀を抜き、両手で構える。
そして飛んできた弾速巨大シャコパンチを刀1本で受け流し、そこからジャンビング斬り上げでシャコの片腕を斬り下ろす。
そして空歩で空中を蹴りシャコの向こう側の地面に向かって移動、その間に刀でシャコの首を斬り落とす。
「はあ!」
次にナナサカは別の巨大シャコの足元を駆け抜け、巨大シャコの足を斬り落とす、そして倒れた所を胴体から真っ二つにした。
「うーーん、剣坂流関節断ち、実戦での効果見るとやっぱりえげつないな……」
リダはそう言いつつも、銃みたいな道具で巨大シャコに向かって射撃をする、弾丸自体に殺傷力はないが、巨大シャコの頭に引っ付く、そして数秒後、空から飛来した弾丸が巨大シャコの頭を消し飛ばした。
リダは爆撃誘導兵、巨大生物にビーコンを引っ付けたり、発煙筒で範囲を指定して、戦闘機や爆撃機に攻撃してもらう兵科で、攻撃にラグが生じてしまう反面、火力は高い。
兵器の内容によっては使うたびに再使用可能にするには時間ではなく、一定数の巨大生物を倒す必要があったりするので、兵器選びが肝になる兵科だ。
「戦車で戦いたいけど、巨大シャコの攻撃は対乗り物特攻なんだよな……と、あぶね!? カノン砲だけだと処理しきれないか!」
巨大シャコのパンチをステップで避けるリダ、先程巨大シャコの頭を消し飛ばした兵器、カノン砲はリロードが早く、取り回しがいい分、単体にしか攻撃できないのが欠点で、数で押されると処理しきれなくなる。
リダは周りが既に更地になっていることを確認して、ナナサカに指示を送る。
「ここら一辺爆撃する、全力で離脱しろ!」
リダは筒状の発煙筒の安全ピンを抜いて足元に転がして、支援爆撃を要請する、そしてすぐさま発煙筒から離れると、発煙筒に向けて、数多の榴弾の雨が降り注いだ!




