124、装備箱ノ賭け
「……剣坂流、イ研ぎ、ふう、ここまで攻撃が苛烈だとそれなりに歯ごたえがあるな、リダほどじゃないが」
ナナサカは殲滅をし終えて、イ研ぎで疲労を回復する。
終盤は修羅の効果か、それなりに斬りやすくなっていたおかげで、手が痺れずに斬ることが出来た。
「敵のバリエーション2種だけなのか? まあ地底だから特定のやつしか居られないのか? いや、前の地下ミッションじゃほかの生物も居たよな?」
ナナサカが疑問を持つが答えられる存在がいない為、ナナサカの疑問は地底の土の中に消える。
「まあいいや、早く殲滅して、リダと合流しよう」
ナナサカは辺りを見渡す、すると先へ進むよりも一つだけ装備箱が落ちているのを見かけた。
「お、きたきた」
周囲の敵は殲滅して敵の気配はないため、ナナサカは装備箱に触れる。
そして迫られる2択、その場で開けるか、回収するか、前者は確実に戦場歩兵の装備が手に入るが、通常兵器ならば木刀、特殊兵器ならばスカイジエンドカスタムを捨ててロストさせなければならない。
後者は装備ロストがないが、他兵種の装備が出る可能性がある。
「あ、そう言えば、ミサイルレイン、回収し忘れてたな……」
ケルン一等兵が三等軍曹になった謎のアイテム、あれを獲得する際にミサイルレインを手放したが、結局ゲームの設備で回収し忘れて、次のミッションに出撃したので、完全にロストである。
「……どうするか」
普通に考えるならばその場で開封して、強力な兵器を手に入れて、戦闘では使えない木刀を手放すべきだ、しかしこの木刀はケルン三等軍曹を強くする為にリダが調達してきたもので、借り物に近い、それを手放すのはかなりの後ろめたさをナナサカの心に宿る。
特殊兵器枠ならば万々歳だ、エアバイクスカイジエンドカスタムという自爆ミサイルを手放してもそこまで痛手ではない。
しかし確率的に特殊兵器が出てくる可能性が低いのはナナサカは何となく分かる。
「ええい、この場で開封!」
ナナサカはその場で開けることにした、木刀捨ててリダに土下座する必要があるとしても、強力な戦場歩兵の兵器が出たら、場合によってはケルン三等軍曹に持たせれば、彼の生存率を跳ね上げる事が出来る、ならばリダも許してくれるはずだ。
ナナサカの脳内シミュレーターでもリダが許してくれる可能性90%、ならば開けるべきだ。
「頼む! 超強いミサイル兵器か手榴弾、次点でケルン三等軍曹が使えそうな銃器来い!」
ケルン三等軍曹の事も含めるとしたら、アサルトライフルやスナイパーライフルも当たり枠にはいるので、賭けとしての勝算は十分だった。
そして出たものは……。
『T4Fレベル89
対巨大怪獣を想定した設置型超大型爆弾、その威力は周囲にいる巨大生物もろとも爆殺する超火力。
しかし最大の問題点として、個人で持つには大きすぎで重たい点と一定の衝撃で爆発するのがどうしょうもない欠点、少なくとも事前に設置して、距離を取って爆破しないと巻き込まれる為、余程の先を見る才能が無ければ、無駄な爆死するだろう。
攻撃力A、爆発範囲A、重量H、リロード速度F』
設置型爆弾だった……少なくともケルン三等軍曹に持たせられるものじゃないのは、ナナサカは理解する。
「ハズレ臭が凄い……」
肩を落とすナナサカ、結構な数倒してやっと出てきた最高レベルの兵器が出てくる装備箱、期待して開けたら癖が強そうな兵器、レベルは圧倒的だが、明らかにレベル相応の兵器ではないのはナナサカでもわかった。
「ま、まあもしかしたら使えるものかもしれな……いや、やめておこう」
ナナサカは一旦お試しで装備してみるかなという考えが浮かんだが、初めての出撃と同じ自爆をやらかしそうと本能的に察して、ナナサカはそっと装備箱を閉めた。
「まあ、ガチャである以上、こういう事もあるよな」
ナナサカは運が悪かったと想いつつ、先へ進むのだった。




