119、昇級欲求
「でも今すぐ拡張機兵を渡す事は出来ないからそこはごめんなさいね」
マトラは一言謝るようにナナサカにいう。
「別に問題ないよ、妖刀1本あればバカでかい相手と万全リダ以外ならやりあえるし」
「数分決闘時の俺を巨大怪獣と同列にカテゴリするのはやめろ」
ナナサカはリダに木刀で木魚のように軽く叩かれるが、ダメージはなくてあうあうと悪ふざけで悲鳴を挙げるナナサカだった。
「と、それじゃあ私は研究始めなきゃいけないから今日は帰るねじゃあね、リダ様! ナナサカ、ケルン三等軍曹!」
そんな中、マトラが訓練場から出ていく、拡張機兵の研究に戻ったのだろう。
そして訓練も終わりということでナナサカとリダは訓練場から出て、ケルン三等軍曹と別れて、軍の本拠地の隅っこで会話し始める。
「しかし拡張機兵、強そうだけど重装甲兵や空戦兵の立場食わないか…?」
「何の心配だよ、リダ、別に俺らは重装甲兵でも空戦兵でもないから別にいいだろ、それに拡張機兵は高く跳躍は出来ても、飛行出来る物じゃないから飛行兵の立場は食わないだろう、重装甲兵は会ったことないからわからん」
「……まあそれもそうか、そこまで気にする必要ないか、それにしても拡張機兵はナナサカの動きについていけず、戦闘機動する度に自壊していくというデメリット、それさえ無ければナナサカにとっての対巨大怪獣兵器になるのにな」
「乗り物操作はあんまり肌に合わないから、そこら辺はリダに任せたいんだけどなーー」
ナナサカが近くにあった、ベンチに腰掛けて、ぐてーーと横になってだらける、リダはそれを見つつ、ナナサカの隣に座り、背もたれに背中を預ける、そこから親友達の何でもない会話が始まろうとした時、本拠地にお知らせが入る。
『階級チャレンジミッションが始まりました、参加希望者は奮って参加してください』
「おや、階級チャレンジあるのか、結構な頻度でやってるのか」
「まあ、結構な頻度でやっているよ、正直常設でもいい気もするんだけどな」
ナナサカは起き上がる、それを見たリダはナナサカに声をかけた。
「うん? やるか、階級チャレンジ?」
「やるーー、ケルンが一等兵から三等軍曹になったのなら、俺もそこまで階級上げないとな」
「いや、一回じゃ無理だからな、今は一等兵だし、2階級特進しても伍長止まりだからな?」
「頑張れば、ケルン三等軍曹みたいに3階級特進出来るかもしれないだろ?」
ナナサカは殺る気に満ちた目でリダをみるが、リダは冷静に諭そうとする。
「できねーよ、ただでさえケルンの階級上がりは謎の物体による過去改変みたいなものだしな、まあ取り敢えず伍長目指してくれば、お前なら問題ないだろう」
「リダからお墨付き貰ったし行ってくるねーー」
ナナサカは考えなしにメニュー画面を開き、階級チャレンジミッションを選択して、2階級特進が出来るミッションを選び、出撃ボタンを押す、ミッションを受けるには、リダとのチームが解散する必要がある事を伝えるメッセージと確認ボタンが出てきたので、ナナサカはYESのボタンを押す。
「おう、準備して……おいナナサカ、準備は!?」
リダが声をかける頃には既に半分くらい光りに包まれていたナナサカはすぐにワープしていった。
リダはぽつんと1人残されてしまう、当然だが、リダの視界端っこにあった、ナナサカの名前とHPバーは消滅している。
「このゲーム結構兵器選びで難易度ガッツリ変わるのに……後アイツ、木刀持っていってないだろうな? ……持っていってそうだな、木刀結構高かったから、出来れば持って帰ってきてほしいけど……念の為にもう一本調達の準備しといたほうがいいのかな……」
リダの独り言は近くを通りかかった複数人の他プレイヤーの耳に届くが、他のプレイヤーはすぐに忘れ、それぞれ思い思いにゲームの世界を楽しむのだった?




