115、未知兵器試用
ナナサカとリダは広い訓練場を最大限まで活用して、お互いに距離を取る。
そしてリダの言葉でケルン一等兵はナナサカの背後に立ってもらった。
未知の兵器の効果範囲は分からない以上、位置的に一番安全な可能性が高いのは試用者の背後だった。
「正直、ケルン一等兵には訓練場から出ていてほしいんだけど……」
「いえ、今更帰れと言われてもその、引きたくないです、未知の兵器も気になりますし……」
「良いじゃないか、減るもんじゃないだろ、リダ?」
「減るからなーー? 俺のHPどころか、下手したら命も減るからなーー?」
若干の怒りを見せつつも、リダも謎の兵器が気になるので素直に木刀を構える。
「あ、リダ木刀以外で頼む、銃での坂滑出来るか見たい、出来るだろ? 研究所でミサイルを受け流した奴が見たい」
「……わかったけど、受け流せるかは確証ないからな、どんな攻撃が飛んでくるかも想像出来ない以上、初手坂滑は普通出来ないのはお前でも分かってるだろ?」
「リダなら出来る、瀕死になったらなったで蘇生して、さっきの借りを返せるから問題ない!」
勿論、ナナサカも坂滑で対応出来るのは既存の技や予測出来る攻撃のみであるのは知ってはいたが、ここはボケた。
「マッチポンプで借りを返すバカがここにいる!?」
「あのーー、そろそろ試さないですか?」
「だそうだ、取り敢えずなんか出来ないかやってみろ」
ケルン一等兵の言葉に、リダは木刀を納めて銃を取り出す、ナナサカはそれが爆薬を撃ち出し、敵に引っ付けてから、スイッチで爆薬を起動させる銃だったのを見て思い出す。
「……アウェイク!」
ナナサカは謎の兵器を掲げた!
しかし何も起きなかった!
「…………」
「……ちぇい!」
リダが大人の中二病はキツいなという目でナナサカを見ていたら、ナナサカは気恥ずかしさを隠す為にリダに向かって謎の兵器をぶん投げた、投擲武器として試したのか、ただの八つ当たりかどちらかはナナサカのみ知る。
「……剣坂流、坂滑」
リダは一瞬キャッチして投げ返そうかなという思考が過ったが、ナナサカの背後にケルン一等兵が居たので断念する、リダの知る範囲ではNPCの蘇生周りは殆ど聞いたことが無い為、ケルン一等兵を危険に晒すのはリスクが高いと判断する。
そして銃ではなく片手で飛んできたルービックキューブを受け流して、上に飛ばした後、重力で下に落ちる謎の兵器をキャッチするリダ。
「……少なくとも投擲武器では無いみたいだぞ?」
「ええ?リダが優しくキャッチしたから起動しなかっただけで、衝撃与えたら起動して爆発する可能性とかない?」
「あり得そうだけど、まずは形がルービックキューブの形状何だから回すなり何なりしてみろよ」
リダはナナサカに謎の兵器を手渡しして、再び距離を取る。
「うーん、全部同じ色だから、どう動かせばいいのか分からないけど、なんとかなれ!」
カチャリとナナサカはルービックキューブ型の謎の兵器を動かそうとする、すると、特に抵抗なく、謎の兵器は動くのだが……。
「……何も起こらなかった!」
「なあ、もしかして兵器ですらない可能性ないか?」
「うーん、リダに渡したい! ケルン経由で渡していい?」
「……まあ、散々ナナサカが弄り倒したし、ケルン一等兵に渡しても問題ないか」
リダはナナサカの提案を受け入れる。
「でも俺の手に渡ったても、どうしようも出来ないと思うぞ、俺もチーム機能で見れるステータス画面で、ナナサカのステータスを覗き見して、謎の兵器見たけど、ハテナマークだらけで兵器知識でどうこうなるものじゃなさそうだし」
「あ、というか何もわからないなら、システム経由じゃなくて手渡しの方がいいかな?」
「他プレイヤーの兵器て触れる事も出来ない仕様だから、ケルン一等兵経由で渡してくれ」
「はーい、ケルン一等兵、お願いしていいか?」
ナナサカが呼び掛けると、ケルン一等兵は不思議そうな顔でちかづいてくる。
「何で2人の物交換の時に自分を挟むんですか?」
ケルン一等兵からしたら謎の行動だが、システム的にプレイヤー同士で設備とか介さずに兵器のトレードは出来ず、ケルン一等兵経由は所謂抜け道的な使い方なので、それをNPC故に理解出来ないケルン一等兵からしたら二人の行動は謎だが、2人とも信頼出来る存在故に従うのだった。




