113、鹵獲
「リダに色々と情報共有したいけど、戦況は?」
「結構キツい、お前の特攻で巨大怪獣は倒せたが、こっちは追加で来た輸送船を落とすの手間取って、かなりの数の巨大生物やエリート機を吐かれて、ジリ貧だ、追加の輸送船は落としたからこれ以上増援はないが、このままじゃやばいから早く力を貸してくれ、ナナサカ!」
「了解!」
2人は言葉を交わすと走り出す。
2人の視界の上部にあった鹵獲した輸送船の耐久値は残り3割以下になっていた。
「ちい、アラームバトルタワーじゃ完全にヘイトは集められないか!」
「リダ、エリート機を重点的に狙って!」
「分かってる、地上の巨大生物は任せたぞ!」
こうしてナナサカが地上、リダが上空の敵と倒す事に決めて走り出す。
リダのHPバーはナナサカを蘇生して、ナナサカと同じ半分になっていたが、2人の走りに迷いはない。
「ナナサカ師範、リーダー少将! 助けてください! 大きな音だす、なんか戦ってくれる塔が壊れてそろそろキツいです!」
通信機越しにケルン一等兵の悲鳴がナナサカの鼓膜を揺らす。
「すまん、先行く」
「行ってこい、俺はお前と違ってアホみたいな速度で移動できないからな」
リダはそう言いながらも銃でビーコンを撃ち出し、飛行円盤のエリート機に引っ付けて、砲撃を叩き込む。
ナナサカはそれを尻目に縮地消音歩で一気にケルン一等兵の元へ辿り着く。
ケルン一等兵の間近に巨大シャコが居て、ケルン一等兵に殴りかかっている所だったが、シャコの拳はナナサカに斬り落とされ、ケルン一等兵に届くことは無かった。
「ふぇ?」
「待たせたな、ケルン一等兵、見た所結構頑張ってたみたいだな」
ナナサカは巨大シャコを斬り倒した後、ケルン一等兵を見る、小さな傷はあれど、大きな怪我を負っている様子は無かった。
「どうやら剣坂流は役立ってるみたいだな」
「はい、おかげさまで飛行円盤のビーム弾を避けられますし、なぜか全部の攻撃が遅く見えるんです!」
「ああ、俺とリダの戦いで目が早い攻撃に慣れた影響だろうな……どちらにせよ後は任せろ、まだ斬り足りないんでね」
ナナサカはそう言うと縮地消音歩で巨大生物に一瞬で近付き、妖刀で一刀両断する。
そしてリダが合流してからは鹵獲した輸送船の耐久値を減らすことなく、敵を殲滅する事に成功した。
「……とんでもない男ね」
「そうだろ? ナナサカはお願いした事を200%でこなすけど、100%トラブルを引っ張ってくるからな、とんでもないだろ」
「リダ、流石にそれは言い過ぎじゃないか!? 100%じゃなくて……50%位の確率だ!」
「ナナサカ師範、それだと大して変わらない気がします」
戦闘が終わり呟くように通信で聞こえたマトラの声にリダが同意するがナナサカは否定する。
「ともかく、大戦果よ、輸送船を鹵獲なんて、輸送船を調べれば敵の技術や目的が分かる、場合によっては敵の本拠地や重要場所が分かるかも! すぐに技術者や私含む研究者を連れて行くわ!」
「いや、大丈夫なのか? 輸送船を墜落させたら巨大生物とかの増援大量に来たのに、更に増援来たらどうするんだよ、言っとくけどこれ以上防衛はキツいぞ?」
早口のマトラにナナサカは冷静に疑問をぶつける。
研究所はリダが対策していたから、完全防衛出来たが、今のリダとナナサカは何一つ万全ではない状態だ、そんな状態でまた巨大怪獣が来たら、守りきれないだろう。
「だからこそよ、次が来る前に情報や強力な物を引っこ抜く、千載一遇のチャンス、絶対に無駄にしないわ!」
マトラが力強くそう宣言すると同時に、ミッションクリアの文字が現れて、ナナサカ、リダ、ケルン一等兵は光に包まれ、軍の本拠地へ帰還するのだった。




