11、剣聖希望
『ワールドミッションを発生させる為には2つの方法があると俺は推理する、1つは死なずにひたすらミッションをこなす事、そしてもう1つは他のプレイヤーがしなかったことをしたこなす事だ』
「なるほどね…」
ナナサカは感づいた、わざわざ文字にして伝えているということはこの文字が見えているのは自分だけと、つまり秘密にしろと暗にリダは言っているのだと。
「つまりは剣坂流で巨大生物を大量に駆除しろと言うことだな、確かにこれはスタミナ少ないナナサカには出来ないな」
リダの要求を把握するナナサカ、前者の方法ならばリダだけで達成可能なのは、何度もリダと木刀を殴り交わしたナナサカが誰よりも知っていた。
故にリダが求めているのは、ワールドミッション発生の推測の後者、他のプレイヤーがしなかったことをしたこなす事ということが、ナナサカは推測できた。
「お前みたいに何十分も全力で移動しながら刀振り回せる訳なだろ……世の中には疲労という概念があるからな?」
「全く、俺だって戦って疲労する時はするぞ?」
リダの言葉にナナサカはムッとするが、スタミナに関してはナナサカの方が圧倒的に上なのは事実だった。
「それでどうやって剣坂流を使えば良いんだ? お前なら分かっているだろうが、銃じゃ出来ないぞ?」
剣坂流は剣か刀を使った流派であり、銃を使った戦闘術は当たり前だが存在しない、ナナサカはやろうと思えばガンカタと呼ばれる銃の格闘術擬きを出来るかもしれないが、乗る気はしなかった。
ナナサカの言葉に応えるようにリダは再び指を動かす。
『一応この世界にも刀がある、それを使えば良い……正直誰も使いこなせないネタ兵器になっているが、常人を超えた機動力と脚力を持つナナサカなら使いこなせるはずだ』
目の前のメッセージウィンドウにリダが入手した文字が現れる。
「これに関しては秘匿メッセージで送る必要あるのか?」
「念の為だ、念の為…それよりも緊急ミッションをクリアしたならゲーム内通貨が貯まっているだろ?」
リダの言葉に、ナナサカは指を動かしてメニューメニューを開くと、メインメニュー端にゲーム内通貨と思わしき物を見つけた。
「え? ああ…メインメニュー開いた際に見えるADE円のやつか、156ADE円だな、日本円だったらジュースしか買えない値段だな」
「そんだけあれば刀は買えるな、色んなプレイヤーがほぼ捨て値で売られているし」
「まあ、正直巨大生物相手に素人が刀でどうこう出来るわけでもないな……アサルトライフルで至近距離で何発も叩き込まないと死ななかったし……仮によく切れる刀があっても、タイマンならともかく、多勢相手となると、それ相応の心得がないとあっという間にやられるだろうな」
「そういう事だ、さあ兵器取引所に行くぞ」
リダに背を押されて、ナナサカは兵器取引所という看板が付いたお店まで移動する。
そこには様々な銃器が並んでおり、中にはゴツいロケットランチャーや大型ミサイル発射装置、対物ライフルが並んでいた。
リダの説明では、他プレイヤーが売値をつけて販売しているとの事、1度買えば、ミッションで死んで失ったとしても、次のミッションに行く前ならば、お金の力で取り戻せるらしい。
レア度や性能によって価格は変動はするが、ゲーム内通貨でそれ相応に、課金でゲーム内通貨と比べて安価で再度手に入れられるらしい、最も売った場合は再度ミッションで手に入れるか、兵器取引所で再度、手に入れる必要があるらしいとのこと。
ナナサカはそんな説明を聞いてる中、かっこいい外見の対物ライフルを見つける。
「強そうだな、対物ライフル」
「あー対空用に、そういうの必要だな…ナナサカ、射撃適性どれだけある?」
「F」
「……狙撃銃は諦めろ、お前が持ってもショットガン擬きにしかならん、対空兵器はミサイルだな」
Fと答えたらリダが動揺した声でミサイルを勧めてくる。
「刀買うんじゃなかったのか?」
「と、そうだった…どうせ今のナナサカのはした金じゃいいミサイルは買えん、今は刀の方が大事だ、刀はどんな性能でも捨て値で売られているから、探せばナナサカ好みの刀がジュース代で買えるはずだ」
「これから愛刀になるのがジュース代の値段とかなんか嫌だな…」
ナナサカは少しモヤモヤしながらも、目の前に現れた兵器取引所のメニューウィンドウに触れて、刀を探し始めた。




