108、妖刀1本、砲弾要請1本
戦闘狂、それはナナサカの持つRS、剣坂流皆伝攻と縮地消音歩をアクティブにする代わりに発生した、デメリットのRSである、効果は単純明快だった。
DRS:戦闘狂、戦闘から撤退出来なくなる。
シンプルな逃走不能、敵は手当たり次第ぶった斬ればいい、という脳筋思考になりがちなナナサカからしたら特にデメリットにならないのだが……。
リダからしたら頭の痛いデメリットだった。
リダとナナサカだけなら、両者のしぶとさでゴリ押せばいいという手段を取れるのだが、今戦場にはケルン一等兵がいる。
ケルン一等兵は死んだら、そこまでの可能性が極めて高く、死んだ場合の影響がどうなるか未知数の為、リダ的には装備している兵器とこれから来るであろう敵の相性が悪いとなると、ケルン一等兵を撤退させたいのだが……。
「ケルン一等兵、自分だけで撤退出来るか!?」
「え、多分無理ですし、嫌ですよ、自分だけ撤退なんて、自分だけリダ少将とナナサカ師範を置いて逃げるのは良くないですし、そもそも2人の側の方が安全な気もします!」
「それは……」
リダはケルン一等兵の言葉に僅かに納得する、ミッションクリア時は一瞬で軍の本拠地にワープするが、今はまだ戦闘中なので、ケルン一等兵が一瞬で撤退出来るかは不明。
万が一戦場の外まで移動する必要がある場合、プレイヤーが干渉出来ない場所でケルン一等兵が襲われる可能性もある。
ケルン一等兵の言う通り、リダやナナサカの側にいた方が安全な可能性は高い。
「ナナサカ、すぐに合流……はあ!?」
リダは通信でナナサカとすぐに合流することを指示しようとしたが、視界上空に現れた物が、指示する言葉を遮った。
『大破せず墜落した輸送船50%』
それは護衛対象だと言わんばかりのHPバーでマトラがいた研究所と違い、既に半壊していた。
「まさかの護衛対象になったのか!? やべ、破壊したほうが良いのかなと思って、中をズタズタに斬ったけど、良くなかったか」
「ナナサカーー!? いや、ナナサカは悪くない、と言うか追加ミッションが意地悪なだけだ! ナナサカ、今ケルン一等兵と一緒に向かうから、なんとか耐えてくれ! ケルン、ナナサカの元に急ぐぞ!」
リダは頭抱えつつも、ケルン一等兵を連れて、墜落した輸送船へ向かう。
「耐えてくれと言われても……巨大怪獣とか来るんだろ、流石に巨大怪獣が体当たりしてきたり、雷とか放電してきたら耐えれようがないぞ」
ナナサカは困る、巨大生物、飛行円盤のエリート機なら何とか斬る事が出来るという、根拠のない自信があるが、超高層ビルくらいの大きさがある巨大怪獣相手となると、妖刀1本じゃ分が悪い。
超高層ビルを片手で使うトンカチで解体しろと言われているようなものだ。
「任せてナナサカ、今支援兵器を送るわ!」
「マトラ? 支援兵器と言われても、銃器とか戦車渡されても多分俺じゃあ満足に使いこなせないぞ?」
ナナサカは通信機越しに聞こえたマトラの言葉に戸惑う、射撃適性が低すぎて、銃器は基本的に狙った所に弾丸が飛ばず、戦車系はナナサカの肉体の機動力を潰す事になる、鹵獲した輸送船を守る際には機動力を潰されるのは不利に繋がるだろう。
「大丈夫よ、貴方の強みを生かせる兵器だから、最も長時間は戦えない兵器だから、使い所を間違えないで欲しいわ」
マトラがそう言うと、空からコンテナを繋いだヘリコプターが飛んできてナナサカの目の前にコンテナが落とされる。
「何が出るんだ? エアバイクじゃないよな?」
ナナサカは降ってきたコンテナを見つめる、コンテナはズシンとナナサカの目の前に落ちて、コンテナがオープンして中の兵器が現れる。
それは巨大ロボ、フェオウルペオースに似た人型ロボットだった、しかし巨大怪獣と殴り会えるほどの大きさを持つフェオウルペオースとは違い、一軒家位の大きさの人型ロボットだった。
「これが俺の強みを生かせる兵器?」
ナナサカは困惑を極めるのだった。




