103、装甲確保作戦、上空編
「やっぱりそれか、スカイジエンドカスタム」
「スカイジエンドカスタム?」
リダの言葉にケルン一等兵は肩にミサイル発射装置を背負いつつ、聞いてくる、ナナサカは少し考えてから説明する。
「……とあるスピード狂いが開発したエアバイクの姿をした誘導機能の無いミサイルだよ」
「えぇ……?」
ケルン一等兵が困惑する中、ナナサカはエアバイクスカイジエンドカスタムに乗り込む。
「それじゃあケルン一等兵、今回はリダから色々と学んでくれ、リダの防御術は学べることが多いからな、どれだけ早く刃を振るえるようになってもな」
「わかりました! リダ少将、ご教授よろしくお願いします!」
「言っておくけど剣術、刀術は教えないからな、俺が教えるのは生きる為の立ち回りだ」
ナナサカはリダとケルン一等兵の会話を聞き、2人なら大丈夫だなと判断して、気合を入れてハンドルを握る、ハンドルを捻ればエアバイクは制御を手放してかっ飛んでいく。
「これは苦手よりなんだけど……剣坂流、集中力……」
「そんな技無いだろ」
リダのツッコミを無視して、ナナサカはエアバイクのハンドルを捻り、エアバイクスカイジエンドを発車させる、エアバイクは弾丸のように空を飛ぶ。
強烈なGと暴風がナナサカに襲いかかる。
「グググ!」
力技でハンドルをまっすぐ固定する、僅かでも左右にブレたら錐揉み回転して、輸送船に辿り着くどころじゃなくなるからだ。
左右移動は僅かに体を傾ければ機能するのだが、傾きが僅かではなく、少しでも位に傾きが大きくなれば、ナナサカの体は360度スピンすることになる。
力技でハンドルを固定しながら繊細に体を傾けなければならない状況。
ナナサカの脳裏にこれ作ったやつ殴りたいという考えが通り過ぎつつもナナサカの肉体はエアバイクの体をしたミサイルに運ばれて、ドンドン輸送船へ近付く。
「周り見る余裕ないな!」
ナナサカの下では輸送船が投下した四角いミサイルを発射する機械がリダ達に向かって進行しているが、ナナサカは知覚する余裕がない。
しかしここで1つ問題が出てくる、エアバイクスカイジエンドにブレーキは無い、つまりこのままでは輸送船に激突してナナサカはぺちゃんこになる、現在ナナサカと輸送船の高度は同じ高度。
「もっと高く!」
ナナサカはハンドルを持ち上げるように引いて角度を調整することで、少しだけ上へ飛ぶ、しかし、輸送船より高く飛ぶ前に激突寸前になったナナサカはエアバイクスカイジエンドを乗り捨てて、跳躍した。
操縦者を失ったエアバイクはそのまま輸送船へ特攻して爆発四散する。
「頼むぜ妖刀!」
ナナサカは妖刀を取り出し輸送船に突き刺す、ナナサカの体はまだ勢いよく横移動しており、その勢いは輸送船を飛び越えて落下する勢いだった。
ナナサカはその勢いを殺す為に、妖刀を輸送船に突き刺す事で、輸送船に攻撃しつつも速度を殺そうとするが……。
ガリガリガリガリ!
妖刀の刃は輸送船にガッツリ刺さりこまない。
「くぅ!」
ナナサカは手応えで理解する。
この硬さは地に足ついていたら斬れる硬さと、しかしその地は遥か下にあり、輸送船に足をつけるには姿勢が悪かった。
「くう……空歩!」
空歩で姿勢を変えるなり、勢いを殺すなりしようとするが、その瞬間、足に勢いの全てが乗り、痛みと共にダメージを食らう。
それに伴ってナナサカは姿勢を崩し、体はぐるぐると横回転する。
「剣坂流、木断ち!」
そこから木断ちに繋げ、再び輸送船に妖刀を突き刺すと、深々と妖刀は輸送船に突き刺さる、それに伴い、ナナサカの体についていた勢いはナナサカの腕に強烈な負担をかけつつも、勢いは消えて、ナナサカは輸送船の上に着地することが出来た。
「全く、やっぱりスカイジエンドカスタムは使い勝手最悪だな」
ナナサカの視界端にあった、ナナサカのHPバーは3割削れて、7割になっていた。
「取り敢えず妖刀で輸送船の装甲引き剥がすように斬ればいいのかな?」
ナナサカは確かめるように妖刀を構え、振るうのだった。




