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17話 神出鬼没のヒーロー「バスター」くん

最近の言霊園には、正体不明の不思議な男の子がいます。


ドミノマスクを凛々しく付けた、その名も「バスター」くん。


彼はひなたくんが絵本を読んでいる時や、窓の外を眺めている時に、どこからともなく不意に現れます。


「「バスター!」」


ひなたくんとバスターくんは、顔を見合わせてはニコニコと満足げに笑っています。


「バスターくん……。一体、どんな意味の言葉なのかしら?」


コトハおねえさんが首をかしげると、ゲンジおにいさんも腕組みをして考え込みます。


「僕にも、まだ分からないんだ。テレビで見たヒーローの名前なのかな……?」


現れるたびに、二人はその「正体」を突き止めようと頭を悩ませていました。


そんなある日のこと。


ひなたくんとくるまくんが、仲良く窓の外を走る車を眺めていると、また彼が現れました。


「バスター!」


「バスター…? あ!」


それを聞いたくるまくんが、何かを閃いたようにパッと顔を輝かせ、どこかへ走り去りました。


「くるまくん、もしかして分かったのかしら!?」


「ついに、バスターくんの正体がわかる日が来たのか…!」


おねえさんとおにいさんは、固唾をのんで見守ります。


くるまくんは、いつものように背中におもちゃを隠して戻ってきました。


「まず、これは?」


「バッスー!(バス)」


「次に、これは?」


「タックー!(タクシー)」


一つずつ正解を確認したあと、くるまくんは二つのおもちゃを同時に「ジャジャン!」と差し出しました。


「じゃあ、合わさると……これは?」


ひなたくんとバスターくんは、同時にビシッと指を差して叫びました。


「「バスター!!」」


「……あぁ! バスとタクシー、両方大好きだから合体したのね!」


「二人(二台)が揃うと最強のヒーローになるのか。だから『バスター』なんだね!」


おねえさんとおにいさんは、ようやくスッキリした顔で笑い合いました。


外の世界でも、パパとママが不思議そうに話しています。


『ねぇ、たまに言ってる「バスター」って、結局なんのこと?』


『ああ、あれね。ひなたが好きなバスとタクシーのことみたいよ。両方見えた時に言ってるわ』


『へぇー! 混ぜちゃったのか。面白いな!』


ひなたくんの大好きなものが合わさって生まれた、自分だけのヒーロー。

神出鬼没なバスターくん。

今日もひなたくんが彼の名前を呼ぶとヒラリと現れます。

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