表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/42

仕切り直し!

投稿間隔が延びていく…どうにかせねば…

 3体のアリさんたちは、わたしを囲むようにして向かってきたね。なんか、このゲームの相手ってそういうの好きだよね。ウルフたちもそうだったし。まあ、それが一番有効なのはそうなんだけどね。ただ、もっとこう、わたしが予想もできないようなスゴイ作戦とか受けてみたいよね。ボス犬とか赤クマとかの、圧倒的な力の差がある敵っていうのもすごくいいけどね。そればっかりじゃあね。さすがにね。


 攻撃方法がワンパターンだとね、攻略法もワンパターンになるよね。つまり、この攻め方に対する対処法はもうわかってるんだよね。包囲網の破り方は、基本的に包囲されないことだよ。そして、各個撃破だね。騎士さんたちは頑丈だから、向こうが万全な状態なら、正直ちょっと難しいかなってなるけど、今なら大して難しくないね。だって…


「体力半分もないのによくやるよね〜」

「「「ギギッギ!!!」」」


 おっと、声に出ちゃってたか。なんだろう、「うるせーわ!」とか「誰のせいだと思ってんだ!」みたいな感じの声が聞こえた気がしたね。いやー、誰のせいって交通事故を起こした自分たちのせいじゃないかな。


 3体のアリさんたちの中で、一番体力が低いアリさんから仕留めていこうかな。まあ大体同じくらいだけど。うーん、わたしから見て右のアリさんかな。キミにきめた!


 やり方はこれまでと一緒だね。この部屋に入ってからさっきまで全然魔法使ってないから、MPにはまだ余裕あるし、魔法もバッチリ撃てるもんね。よし、魔法の準備しよっと。んー、でもなんか思ってたよりも減ってるね。何かあったっけ?あ、さっき魔眼の力で呪いを開放したときにMP使ったね。あれだね。


 そう!呪いの開放にMPを消費するんだよね。一瞬開放しただけだったけど、大体最大MPの2割位を消費してるね。うーむ、結構おっきい消費だよね。レベルが上がってMPがもっと増えればもっと楽に使えるようになるのかな?


 そんなことを考えながら、右のアリさんへと近づいていく。これまでのアリさんは、特に逃げるようなこともなく向かってきたけど、今回は違ったね。わたしが向かったアリさんは、わたしが近づいたら向かってくるのをやめて少し距離をとったね。ん?って思ったら、他のアリさんがわたしにすごい勢いで向かってきてたね。


(なるほどね。考えたね)

「「「ギギギギイイイイイイイイ!!!!」」」


 なるほど。わたしが狙ったアリさんは適度にわたしから距離をとって牽制、その他の2体がかりでわたしに攻撃だね。これなら、まず間違いなくわたしの背後を取れるし、わたしがそれに対応するために後ろを向いたら、今目の前にいるアリさんがわたしの後ろから襲いかかってくるんだろうね。うむ!数を生かしたいい戦法だね!ただまあ、こっちに遠距離攻撃手段がなければそれで良かったんだろうけどね。あるからね。どんまい。


「【ウインドボール】」

「ギギャッ!?」


 準備しておいた魔法を目の前のアリさんに放つ。距離を取ることに集中してて、魔法への対処がおざなりになってたね。そんなアリさんに、わたしの風魔法がクリーンヒットしたよ。そして、アリさんの動きが止まったね。チャ〜ンス!また魔法の準備をしながら、止まったアリさんへとダッシュ。まあ、このアリさんにはもう魔法使わないけどね。


 一気にアリさんの目の前まで来たら、袖からドスを一本出して、アリさんの首のあたりに上から思いっきり突き刺す。いい手応えがあって、アリさんのHPがガクッと減ったけど、まだ死んじゃいないね。だから、アリさんの上に乗って、突き刺したドスを上から踵で踏み抜いた。ドスが地面にぶつかる感触が伝わって、アリさんの全身から力が抜ける。ふう!やっと一匹!秒殺!…たぶん。


「「ギギギギギイイイィィ!!!!」」


 おっとっと。わたしの後ろから襲いかかってきてたアリさんたちが、もうすぐ近くまで来てたね。互いに触れるまで残り1メートルくらい。アリさんたちは、互いにぶつからないように、2体横並びみたいな感じで突っ込んできたね。交通事故は起きなさそう。


 急いでアリさんの上から更にジャンプ。わたしのすぐ下で、アリさんの死体が2体がかりの体当たりで吹っ飛んだね。前言撤回。交通事故は起きちゃったね。死体蹴りだったけど。


 味方(だったもの)を吹き飛ばしたアリさんたちの片方に杖を突き刺す。胸と腹の間にある甲殻の隙間に全力で杖を突き立てたら、思いっきり魔法を使うよ。


「『ウインドボール』!」

「ギギャアアア!!!!」

「ギギギギ!!!」


 杖を突き立てた部分から放たれた、圧縮された空気がアリさんの体内で開放されて爆発。アリさんのHPを一気に吹き飛ばした。やっぱり、アリさんは外側は硬いけど、体の内側は全然だね。まあ、ここが強い生き物はまだ見たことないけどね。うーむ、わたしも鍛えといたほうがいいのかな?やり方わかんないけど!


 残る1体のアリさんは、わたしから距離を取ろうとしてるね。しかも、他のアリさんたちとはわたしを挟んで反対側に距離をとって、わたしを引き剥がそうとしてる。まあ、最初から時間稼ぎが目的だったみたいだし、そうだよね。ただ、1体だけで距離を取られても、わたしの行動を何も制限できないんだよね。動き放題!


 そういうわけで、わたしから距離をとったアリさんを無視して、反対側にいる将軍様へと再突撃。後ろで、慌てたようにアリさんが追っかけてくる音がするね。今の3体と戦ってる間にちょっと将軍様から離れちゃったけど、それでもすぐに届くよ。仕切り直しじゃー!


 将軍様の方へ近づくと、騎士アリさんが2体、わたしの前に立ちふさがったね。ただ、立ちふさがっただけで襲いかかってくる感じじゃないね。後ろのアリさんが追いつくのを待ってるのかな?なるほど、これは常にわたしを数体で囲んで将軍様とか他のアリさんたちから引き剥がしておこうって感じの作戦なのかな。


 まさかこう来るとはね。ちょっと予想外だったけど、これは逆にわたしたちにとって都合が良い展開だね!わたし、ツイてる!よーし!サクッと殲滅しちゃうぞー!







「っこの!いい加っ減に!死ねぇ!ッラァ!」

「ギギィッ!!」

「っしゃあ!次ぃ!」

「きゅう!」


 目の前のアリをツルハシでボッコボコにして、気合を入れ直す。このナイトってアリは、本当はオレじゃあ勝てねえくらい硬えアリだが、アヤが体力を減らしておいてくれてるおかげで、オレでもなんとか倒すことができてる。ユニもサポートしてくれてるしな。


 それに、アヤの対処に追われて向こうの数が減ってるのが効いてる。元々10体いたのが、アヤに3体ついていって、さっきさらに2体アヤに回された。今オレが1体倒したから、もう残り4体だ。…おっと、ガバナンが今さらに1体始末したな。これで、残り3体だ。


 あいつもなんだかんだ言って結構動けるよな。頭脳労働が本職だって言ってたが、肉体労働系も十分イケるじゃねえか。アヤといい、クリムゾンといい、ガバナンといい、異界の旅人ってなぁどいつもこいつも動ける連中なのかね。アカリだって無理無理言いながら、ここまでついてこれてるわけだしよ。オレも負けてらんねーな。


 ここまでは、アヤの作戦が驚くくれーにハマってる。元々、魔法を使うアリ共と頑丈そうなアリ共を、引き剥がしてそれぞれ撃破するってのが、俺らの作戦だった。アヤがうまくナイトとジェネラルを相手してたから作戦がある程度うまくいってたが、やっぱそう思いどおりにはことは運ばねえみてえだ。魔法を使うウィザードとセージが、思ってた以上に頑丈だったのが問題だな。もう少しでアカリが殺されるところだった。


 アリ共が合流してからのこっちの作戦は、基本的にさっきまでと一緒だ。ただ、ジェネラルとセージが離れる様子がねえから、端から崩す方向にシフトした。アヤがある程度のナイトをひきつけて、数を減らしたナイトをオレ達がしばく。ウィザードたちは、クリムゾン、アカリ、タヨト、エミリーが相手してる。おっと、クロもいたな。向こうは、エミリーがアリ共の魔法を受けて、クリムゾンとアカリ、タヨトが弓と魔法で攻撃をする形だな。クロはサポートだ。今の所、特に問題はねえみてえだな。


 つまりオレらの作戦は、アリが離れねえからこっちで相手を限定させて、アリを離さねえまま実質的に2つのグループに分けて相手するってモンだな。


 どうやら、アリ共は魔法で敵を狙うときに、俺らみてえな近くの敵よりも、アカリたちみてえな遠くの敵を先に狙ってやがるみてえだ。まあ、こっちはナイトたちがなんとかするってことなんだろうがな。けど、だからこそこの作戦がうまくいく。


 さっさとコイツらを片付けて、ジェネラルをなんとかしねえとな。今はジェネラルとセージは後ろで指揮をとってやがるが、ナイトが全滅したらさすがに引っ込んでられねえだろ。


「おかわりたのもー!」

「もういねえよ!」


 アヤのやつがまたアリを2体倒したみてえで、こっちにやってきた。ただ、オレが1体、ガバナンが2体相手してっから、アヤの相手をできるやつがいねえ。そう思ったんだが…


「あらら、じゃあベルちゃんのもらっていくねー。ていっ!」

「ギギャアア!!!」

「ガバナンのにしてやれよ…」


 オレが相手をしてたアリに向かって、アヤが一気に飛びかかった。ちょうどユニの魔法で目がくらんでたアリがアヤの攻撃を避けられるはずもなく、杖で甲殻の隙間をぶっ刺されてお陀仏だ。おーおー、あんなせめーとこよく狙えるな。それに、あの杖もやっぱおかしいな。魔法用の杖にしちゃあ頑丈すぎねえか?とにかくこれで、残りは3体か。…アヤが1匹連れてきてるから減ってねえな。


「おい、後ろのやつはお前が始末しろよ。いらねえぞ。」

「はーい」


 なんだろうな。こいつはこうやって釘を差しとかねえと、「横取りしちゃったから後ろのをあげる」的なことを悪意なく言いそうだ。マジでいらねえ。あーあ、アヤの後ろにいたアリが、あっという間にかわいそーな姿になってんな。いや、実際は全然かわいそーとか思ってねえけどな。むしろザマアミロだわ。


 さてと、こっちの残りはあと2体。そいつが片付きゃジェネラルの相手をしねーとな。気合い入れてかねーと。






「【ウインドボール】!」

「ギギギギイイイィィ!!」


 お、当たった。ラッキー♪アタシが放った魔法が、魔法を準備してたウィザードに直撃。ウィザードが準備してた魔法の詠唱が止まって、結構大きめに怯んだ。


 あれ?こんなに怯むの初めてじゃない?もしかしてイイ感じに魔法が甲殻の隙間に当たったかな。アヤが魔法使ったときでも、ここまで怯んだのはない気がするんですケド……あー、そっか。アヤが使うときは内部から破裂してるからか。怯む怯まない以前の問題だったわ。


「ふっ!」

「ギギギギイイイィィ…」


 おお!アタシが怯ませたアリにくりむーの矢が突き刺さって1体倒せたんですけど!いいカンジじゃん!これでアタシたちが倒したウィザードは4体。残りは6体。まだまだ多いけど、順調に減ってきてる。


 やっぱくりむーの攻撃が正確で威力も高いのが効いてるよね。あとは、エミリーちゃんがアタシたちに放たれた魔法をすげー引き受けてくれてるのがデカイかな。いやマジで。エミリーちゃんと合流する前とはダンチで楽だもん。死なないどころか死にかけもしないし。


「にゃ!」

「「ギギギ!!」」

「助かるばい!」


 そしてやっぱりクロちゃんはカワイイ!今も魔法でアリたちを撹乱してるんだけど、めっちゃ上手い。間違いなくアタシよりは上手い。ちょっと悔しいけど、カワイイから全部許しちゃう!


 アリたちの動きが乱れた隙を逃さず、くりむーが何本も矢を放つ。矢は吸い込まれるようにアリたちの甲殻の隙間に突き刺さった。…本当すごいな今の。アーツとか使わずにあの命中精度はどうなってんの?よーし!アタシも続くっきゃないっしょ!


「【ウインドボール】!」

「ギギャアアァァ…」

「お、マジで!?」


 よっしゃあ!アタシの魔法がウィザードの甲殻の隙間にうまく当たって、そいつを倒した。この部屋に入って初めてアリ倒したんですケド!しかも隙間に2連続ヒットなんですケド!どんなもんよ!アタシだってやるときゃやるんだからね!…もう一度やれって言われても絶対無理なんだけどさ!


「ギギギギ!!!」

「ヤバッ!」


 そんなふうにちょっと調子に乗ってたのが悪かったのか、ウィザードが放った魔法がこっちに来てた。魔法を撃った直後だから、呪文詠唱が途切れるとかそういうのがないのはいいことだけど、アリを倒したのに浮かれて、避ける心の準備ができてない。あ、あれ?右左どっちに逃げればいいんだっけ?


「【クレイボール】!」

「のわっ!た、助かった〜。タヨトさんありがと!」

「どうも!これくらいしかできないので!」


 いやいや、十分でしょ。タヨトさんは土魔法が使えるみたいで、アリたちにダメージを与えていくのはちょっとキツイけど、向こうの魔法を迎え撃つのにはうってつけなカンジ。アヤが教えてくれたけど、魔法で魔法を弾けるみたいで、それを利用してこっちに来た岩の塊を弾いてもらってる。重量のある土魔法が、アリたちの攻撃を弾くのにピッタリだったっていうのもあるし、タヨトさんがシューティング系意外とイケるっていうのもあるしね。それでも、うまく角度を調整して当てても逸らすくらいが精一杯みたい。今のも結構ギリギリを掠めたし。


 タヨトさんは、銃器が使えるようになったらそれをメインウェポンにするって言ってたけど、ぶっちゃけこのファンタジー世界にあるとは思えない。まあ、本人も望みは薄そうですけどって言ってたからね。


 うーん、薄々気づいていたけど、アタシがこのチームの穴なのでは?


 ……きっと気のせいだよね!あっ!ホラ!またウィザード1体倒れたし!…ね!


補足

(なるほどね。考えたね):別に直接脳内に語りかけているわけではない。魔法の詠唱中で喋れないのである。


魔法で魔法を弾ける:同属性魔法に限る。違う属性の魔法でやると、色々めんどくさいことになるので注意。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ