反省中
いつの間にやら1ヶ月が過ぎていた。…サブタイ通りの気持ちです。
《只今の戦闘でプレイヤーのレベルが上がりました。》
「んーっ!ふぅー。やっぱり体を動かすのは楽しかー!」
「んーっ!ふぅー。イエイ!勝ったね!」
「にゃあ!」
「きゅう!」
うむ!たのしい!アカリちゃんたちとレギオンを組んだからか、アリさんたちが、これまでよりもいっぱい出てきたね。ベルちゃんの作戦のおかげで、いっぱい「ていっ!」ってできたから満足!
アカリちゃんと一緒にいたクリムゾンちゃんとも、途中から一緒に戦って仲良くなれたしね!クリムゾンちゃんは弓を使うみたいで、アリさんの甲殻の隙間を狙うといいよって教えてあげたら、バシバシ当ててったからびっくりしちゃったね。おかげで思ってたよりも早めに片付いたかな。
クリムゾンちゃん以外のみんなは、今の戦いで結構疲れちゃったみたいだね。寝転がったり、座り込んだりしてる。うーむ、わたしはまだ余裕があったから、その分みんなに無理をさせてしまったんだね。ちょっと反省。次からはもっと頑張らないとね。
「もー無理。一歩も動けない。空腹値がヤバい。でも、あのクソマズ携帯食を食べるくらいならアタシはデスポーンする。」
「そ、そうですね。私もかなり空腹値高くなってます。あ、あの…携帯食ってそんなに美味しくないんですか?噂では聞いたことあるんですけど。」
「あ、ウチも高くなっとうね。そうやとよ。もうほんっとうに美味しくなか!でも食べんといかんよ。ウチはあかりんともっと冒険したいけん。」
「く、くりむー…どうしよう本気で嬉しいけどマジで食べたくない。ねえ、一緒にデスポーンしよ?」
「それならハイ、これあげる。おいしいよ。いっぱいあるし、他のみんなも、いっぱい食べてね」
「こ、これは…」
アカリちゃんがお腹減ってるみたいだから、黒パンサンドイッチをプレゼントしたよ。ついでに、レギオンを組んでる他のみんなにもプレゼント。いっぱい食べて、いっぱいがんばろう!
もちろん、ベルちゃんやクロちゃんにユニちゃんにもあげるよ。クロちゃんとユニちゃんには【少食】ってスキルがあったはずだけど、この子たちすごくよく食べるよね。なんでだろうね?
「う、うめー!マジでうめー!」
「うまかー!」
「お、美味しいです!」
「でしょう!」
ふっふっふ。作るときにいろいろと味の調整は頑張ったもんね。ベルちゃんにも食べてもらって、美味しいって太鼓判を押してもらったしね。自信作!まあ、作る手間は大してかかってないんだけどね。出来合いのものをかけ合わせて、ついでに広場で売ってた塩をちょっと足したくらいだし。それでも味の調整は意外と難しかったけどね。
「え?なにこれアヤが作ったの?めっちゃうまいんだけど。」
「ア、 アヤさん!すごく美味しいです!すごいです!」
「て、てげうまか!アヤは料理もすごかね!」
「う、うまい。まさかこれほどのものを食べられるとは…」
「え?オレが作ったのより遥かにうまい…」
「くぅーっ!やっぱ美味えな!」
「うむ!わたしがつくったよ。いやー、てれるね!」
えへへへへ。いやー、やっぱり褒められるのはうれしいね。うむうむ、いっぱい食べるといいよ。
「あ、そうだ。ねえアヤ、これっていくらくらい?」
「そ、そうですね。ちゃんと払いますよ!」
「言い値でよかよ!」
「え?試作品だしタダで良いけ「フンッ!」あいたー!」
あいたたた。ベルちゃんからゲンコツをもらってしまったね。本日2発目!一体何が悪かったんだろうね?
「コラ!自分が作ったもんを他人にやったんなら、ちゃんと受け取るもんは受け取れ!受け取ったら、その時点で相手に対する責任もできるしな。たとえどんなもんでも、なあなあは良くねえ。」
「はーい」
なるほど!ベルちゃんも剣を打ってるからね。ものづくりをする人としての考え方っていうのがあるんだろうね。プロ意識!カッコいい!うむ、そういうことなら、ちゃんと値段を考えないとね。
えーっと、黒パンもコル揚げも1個10Rで、塩がキロ1,000Rだったね。でも、塩はサンドイッチ1個あたりだと全然使ってないからなー。1g未満だったよね。そうすると、原価は20Rちょっとだね。わたしの手間はほとんどなかったしなー。どうしよっか?
このゲームは、一度作った料理のレシピを登録して、同じ料理を自動で作れるシステムがあるみたいで、このサンドイッチも2個めからはそれで量産したからね。まあ、登録する1個めを作るときに、塩加減を何回か試してるから、その分くらいは上乗せしてもいいかもだけど、それくらいだよね。うーん、いくらくらいだろう?
「うーん、1個30Rくらい?」
「ふざけんなバカ。」
「ふみゅっ」
ああっ!またベルちゃんからほっぺをつままれてしまったね。えー、でもわたしふざけてないもん。ちゃんと真面目に考えたもん。…やっぱり10R近く上乗せは高すぎたかな?
「お前は自覚がないかもしれねえが、このサンドイッチはかなりうまいんだよ。オレはこの黒パンもコル揚げもよく食うし、こんな感じでサンドイッチにしたこともあるけどよ、ここまでうまくなったことはねえんだよ。そこの…タヨトだったな、そいつも言ってたろ。」
「そうですね。明らかにうまいです。」
「だろ。だったら、その分はもっと上乗せしろ。このレベルのモンが30Rじゃ安すぎる。」
「ふぁーい」
なんと、逆に安すぎるって話だったね。びっくり。たしかに、安すぎて価格破壊を起こしたいわけじゃあないからね。もう少し上乗せしようかな。あ、ほっぺが自由になった。
「じゃあ、40Rくらい?」
「…そうだな。そのくらいだろ。」
「らしいよ!1個40Rでけってい!」
「マジか9999個買うわ。」
「ざんねん!そんなにはないかな!」
「ちえー」
うむ、無事に値段も決まったね。まあ、こういう状況でもない限り売ることはないと思うけどね。アカリちゃんはいっぱい買うっていってるけど、大したレシピでもないし、このくらいなら自分で作ったほうが早いと思うよ。
「いや、マジな話、買えるだけ買いたいんだケド。次、いつアヤと一緒に冒険できるかわかんないし。こんな美味いもんみすみす見逃すとかありえないし。」
「ウチも欲しか〜!こんな美味しいサンドイッチは初めて食べたけん!」
「えへへへへ。そこまで言われたらもう全部売っちゃ…」
「にゃ!」
「きゅ!」
「あ、そだね。クロちゃんとユニちゃんも食べるんだもんね。残しとかないとね。じゃあ、お別れするときに余ってたら売ろっかな。たぶんその頃にはクロちゃんとユニちゃんは寝ちゃってるだろうし。」
ふたりが寝ちゃってる間に、また新しく作っておけばいいんだしね。他のレシピにも挑戦したいし。うむ!わたし、頭イイ!
「ちえー、おあずけかー。ま、そのときは呼んでよ。」
「売るときはウチも呼ぶとよ?」
「わ、私も欲しいです!」
「あー、すみません。もしよろしければ自分も購入してよろしいでしょうか。」
「自分も購入したいです。」
「オレにも売ってくれ。」
お、おお!スゴイ大人気!…まあ、比較対象がアレだからね。ぶっちゃけアレと比べて勝っても全然嬉しくないよね。負けるほうがずっと難しいしね。それに、何度も言ってるけど今回のサンドイッチは、ほぼほぼわたし以外の製作だからね。元の料理が美味しいから、それを組み合わせたら当然美味しくなるよね。
うーん、でもそうなると、一人あたりの買える数が少なくなっちゃうね。まあ、あとで何個ずつになるのか数えとけば大丈夫だよね。今度作るときは、もっと多めに作っとこうかな。売れるみたいだし。
「うむ!売るときはあとでみんなに言うね」
「っしゃあ!楽しみにしてるから!」
「絶対やからね!」
「やったあ!あ、ありがとうございます!」
「「ありがとうございます。」」
「っしゃあ!楽しみにしてんぜ!」
うむうむ。後で忘れないようにしとかないとね。まあ、わたしが忘れても向こうは覚えてるだろうから、大丈夫だとは思うけどね。
そんな感じで余ったサンドイッチの売却を決めて、みんなでしばらくモグモグしてたよ。うむ、我ながらおいしいね。
その後、またしばらくみんなで進みながら、クロちゃんとユニちゃんに指示されたところを掘ったりしたよ。今度からは向こうのパーティーのタヨトくんとクリムゾンちゃんも一緒に掘ったね。どうやって掘ったものを分けようか悩んだけど、とりあえずクロちゃんが回収することにして、これまでに手に入れたものの数を(スクショで)メモして、今度から手に入れたものはまたパーティーで山分けにしたよ。パーティーで分けたら、その後はまたパーティーで話してねってことになったね。
「きゅう!きゅう!」
「…にゃっ!」
そうやってまた進んでたら、ユニちゃんとクロちゃんが今晩もう何度目かわかんない警告をしたね。んー、ただ、今回の警告はこれまでとはちょっと違うね。何がどう違うのかはわかんないけど。それに、しばらく待ってもわたしの方にはなんの気配も感じられないね。ユニちゃんとクロちゃんが警戒を続けてるから、何かしらあるんだろうけど。
「ア、 アヤ?クロちゃんたちなんかあったの?何も来ないんだケド…」
「うーん、わかんない。たぶんこの先に何かいるんだろうね。これまで以上の何かがね」
「うえー、マジか。」
アカリちゃんは、どうも戦闘が苦手みたいだからね。できれば強い相手とは戦いたくないんだろうね。まあでも、いざ戦闘ってなったら、ちゃんと動けるみたいだからね。それだけでも偉いと思うよ。動けない人はどうしたって動けないからね。
ユニちゃんとクロちゃんが警戒している相手は、どうやら今すぐ向こうからこっちに来る感じじゃあないみたいだね。この先にいるのは確実なんだろうけど。うーむ、どうしたものかな。わたしだけなら何も考えずに進むんだけど…
「これまで以上の何か、ねー。正直引き返したいんだケド。でも撮れ高ほしいしー。進むっきゃないかー。」
「大丈夫。アカリンはウチが守るけん。安心していいとよ?」
「く、くりむ〜。」
おお、クリムゾンちゃんカッコいい!…わたしほどではないけどね!次の戦いでもバッチリ活躍して、カッコいいところを見せるもんね!
アカリちゃん以外はみんな進む気満々みたいだから、このまま注意して進もうって事になったよ。さーてと、一体何が出てくるかな〜。楽しみ!
みんなで一緒に洞窟の奥へと進む。ユニちゃんとクロちゃんが、進むにつれて警戒を強くしてるね。うーむ、この感じだと、もしかしたらボス犬クラスの相手がいるんじゃないかな。…わくわく。
しばらく進むと、かなり開けた場所に出たね。半円状のドームみたいになってる。なんだろう、やっぱりボス犬のときを思い出すね。あそこもちょうど開けた場所になってたよね。ただ、ここにアリさんの姿はまったくないね。所々に腰くらいまでの大きさの岩の塊とドームの向こう側に続いてる道があるだけだよ。…ん?岩の塊?
「お、おお!何もいないじゃん!いやー、安心安心。めっちゃ警戒してたけど、ここはクロちゃんたちの勘違いだったってこと「ていっ!」うぉわぁ!」
「ア、 アヤさん!?」
「急にどうしたと?」
アカリちゃんが一息ついて腰掛けようとした岩の塊に向けて、大剣を思いっきり振り下ろす。いやー、うっかりうっかり。すっかりこのタイプがいたのを忘れてたよ。まあ、間に合ったからセーフだね!
「ギギギ……」
「嘘でしょ!あの岩アリだったの!?アサシンって何!?」
「いやー、間に合ってよかったね。アサシンは結構脆いから、気づければ倒すのはかんたんだよ」
「オラァ!」
「みゅっ」
む、むう。またベルちゃんにほっぺをつままれてしまったね。さっきよりも痛い。何かしちゃったかな。やっぱりアカリちゃんをびっくりさせちゃったからかな。
「お前、今のヤツのこと知ってたんだよな?」
「うん」
「言ーえーよ!!オレにも言ってねえぞお前!マジでビビったわ!」
「ほふぇんふぁふぁい」
「まあまあベルっち、確かに驚いたけど、アヤもわざとじゃなさそうだし。アタシは気にしてないからさ。」
「アヤもこれから気をつけんといかんよ。」
「ふぁーい」
「はあ、ったく気をつけろよ。」
む!ほっぺから手が離れたね。どうやら許してもらえたみたい。まあ、次から気をつければ大丈夫だよね!うむ!だいじょうぶ!
「ていうか、ここにある岩の塊って全部アリ?」
「そう考えたほうがいいかもしれませんね。」
「今のやつも動き出すまで気配察知に反応なかったです。」
「ウチが全部射ろうか?アリなら動き出すばい!」
「さ、流石にそれは…」
「ああ、やめといたほうがいいな。」
「ん?なんで?」
「あ?こいつらがまだそんだけ警戒してんだからに決まってんだろ。」
「やっぱそれだよねー。どんだけやばいのがこの部屋にいるかわかんないんだし。」
「え?ふたりが警戒してる相手は、ここにはいないよ」
「「「「「「は?」」」」」」
「今ちょうど向こうの通路からこっちに来てるよ。そろそろ見えるんじゃないか「はぁ…」みゃっ」
「だ〜か〜ら〜!!先に言えよおおおぉぉぉぉ!!!」
補足
【少食】:必要な食事が1日1回となる。(食べる量が少なくなるとは言ってない。)
クリムゾン:父は博多、母は宮崎の出身。方言が混ざっている。




