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【視聴注意】廃鉱山にいた奴らが激ヤバすぎた

ようやく天下無双になりました。

「にゃあ?」

「んー?どうしたのかなー?」


 あー、カワイイ!なんか「アヤ」ってプレイヤーの従魔が、アタシの膝の上でじゃれてんだけど、あーもうマジカワイイ。子猫ってだけで破壊力ヤバくない?アタシの従魔ってわけでもないのにめっちゃ甘えてくるし、マジ最高。


 アタシが今住んでるマンションはペット禁止だからさ、こういうことができないんだよね。実家じゃ犬がいたから、結構動物と触れ合うのって好きなんだけど、最近帰ってないからこういうの久しぶり。あー、子猫の喉がゴロゴロいってる。至高か?


「きゅう!」

「か、かわいか〜!」


 アタシの隣では、くりむーが子兎に夢中になってる。あ〜、あっちも羨ましい。いや、でも子猫も最高だし…あー、アタシの体が2つあればなー。


「あ、まだこっちにいたんだね」


 そんなカンジでじゃれてたら、この子達の主人になるプレイヤー「アヤ」がアタシらの近くに来てた。メイド服を着こなしてる美人だ。2メートル近い長身で、細身の体型に長く伸びた純白の髪が印象に残る。最初エルフかと思ったけど、よく見たら違ってびっくりした。…アタシよりエルフっぽくない?絶壁だし。なんか親近感湧くな。


 パッと見、美人すぎて近寄りがたいようにも感じたけど、そのイメージは人懐っこい表情と親しみやすい口調ですぐに打ち消された。さっきエミリーちゃんと話してるのを見たけど、かなり仲がいいように見えたし、エミリーちゃんに聞いたら、昼間にちょっと話しただけってことだったから、そのちょっとの間であれだけ仲良くなれる人なんだってこと。なら悪い人じゃないでしょ。


 それに、あの子とも仲がいいみたいだし…


「やっほー!えーっと、なんて呼べばいいかな?あ、わたしはアヤでいいよ!」

「やっほー?じゃあ、アヤって呼ぶから。アタシはアカリでいいよ。御大って呼ぶ人も多いケド。」

「ヤッホー!アヤやね!ウチはクリムゾンやけん!好きに呼んでええよ!」

「アカリちゃんに、クリムゾンちゃんだね!おぼえた!」


 やっぱり話しやすい。思ってたより雰囲気が幼いけど、もしかしたらリアルじゃそんなに年いってないのかも。おっと、あまりリアルの詮索をするのは良くないか。あまり考えないようにしとかないと。


 っていうか、この反応からしてアタシたちのこと知らなさそう。うーん、結構有名になったと思ってたけど、やっぱまだまだか。まあ、別にいいケド。それなら今日知ってもらえばいいんだし。


「それで、アヤはどうしたの?…あ、この子達か。」

「そう!ここの奥に進もうと思ったら、その子達がいなかったからね。探しに来たよ」

「なるほどね。んー、ねえ、そっちさえ良ければさ、一緒にレギオン組んでこの先進まない?」

「いい考えやね!ウチもそうしたか!」

「れぎおん?」

「あれ?もしかしてレギオン知らないカンジ?」

「知らないカンジ!」


 知らなかったか。もしかしてこれってゲーム自体あまりしないカンジ?アタシたちを知らないのもそれなら納得。ゲーム興味なくてやらないならゲーム実況も見ないでしょ。


「レギオンっていうのは、複数のパーティーで組む同盟みたいなもんかな。」

「へー。それを組むとどうなるの?」

「レギオンを組むと、出てくる敵の数が増えたり、ボスもレギオン用で難易度上がるらしいけど、その分報酬に色がつくらしいよ。面白そうじゃない?」

「たしかに!面白そう!とりあえず、ベルちゃんにも聞いてくるね」

「オッケー。…一応こっちも話を通しておくか。」


 いかんいかん。ついいつもの癖で勝手に決めちゃったけど、今はパーティーで行動してるんだから、そのへんも気をつけないと。




 その後、パーティーへの説明は案外すんなりといった。NPCとパーティー組めるくらいなら悪い人じゃなさそうだし、さっきガバナンさんの攻撃を躱したときの身のこなしからしてかなり強そうだし、特に問題ないってことになった。むしろぜひ組んでほしいってカンジ。


「やっほー。ベルちゃんもいいみたいだから、こっちは問題ないよ」

「それじゃ決まりやね!奥に進も!」

「おー!」

「お、おー!」

「「「「おー!」」」」


 くりむーの声に合わせてみんなから声が上がる。かなりバラバラだったケド。みんなノリ良すぎじゃない?特にアヤ。こういうところの反応の早さの差が戦闘とかでも出てるってことなのかな。


 そうやって、大所帯でこの旧鉱山を進むことになった。進むときは、アヤの従魔のクローディアとユニが周囲の警戒をしつつ道案内をするカンジらしい。アタシたちだけで進んでたときは何回か行き止まりの道に進んだりしたけど、アヤたちは1回もそんなことなかったっていってたから、この子たち結構凄いのカモ。…っていうかクロちゃんとユニちゃんって呼び方までカワイイ。ヤバい。


「ええっ、じゃあ、アヤたちはもうここでもてげ戦っちょっと?」

「そだね。アリさんたち結構湧いてくるし」

「ウチらは全然やったとに…うらやましか!」


 どうやらアヤたちは結構戦ってるらしい。アタシたちはその後を付いてきた形だから、そこまで多くのアリとは戦ってないのか。くりむーは結構戦闘好きのところがあるから、ちょっとこれまで不完全燃焼だったみたい。アタシは敵が少なくて大歓迎だけど。…あれ?じゃあ、こっからは結構ヤバいんじゃ…


「きゅう!」

「…にゃあ!」


 くりむーに抱かれたユニちゃんが、突然鋭い声で鳴いた。少し遅れて、アタシの腕の中のクロちゃんも穴の奥を見ながら鋭い声を上げる。えっ、嘘、マジ?まさかほんとに来ちゃったの?心の準備がまだなんだけど…


「チッ、来やがったか!オイ!お前らはどうやって戦うんだ?」

「自分とエミリーさんで敵をひきつけて、その隙に後衛が遠距離からダメージを与える形です。」

「…普通そうだよな。やっぱあいつがおかしい。うん。」

「今回はそちらの指揮に従います。自分たちはここでの戦闘経験が多くありませんので。」

「オレに言われてもな…おいアヤ!どうすんだ!」

「え?みんなで「ていっ!」てやればいいと思うよ。かんたん!」

「畜生!」


 なんだろう、不安しかない。向こうのパーティーのメンツに戦闘指揮を取れる人はいないみたい。ていうか「ていっ!」ってなんだ。絶対「かんたん!」じゃないでしょ。いや、待てよ。それでこれまで生き残ってきたってことは、やっぱり向こうのパーティーめっちゃ強いのカモ。この子達もいるんだし。あ、戦闘中は下におろしてあげなきゃ。


 抱えてたクロちゃんを地面に下ろす。そうしたら、なんか自然とアタシをかばうような位置取りで穴の奥を覗いている。え、待って、何この子、天使か?ちょっと惚れそうなんだけど。


 そんなカンジで戦闘準備をしてたら、こっちに来る相手の姿が見えてきた。今度は間違いなくアリだ。…え?何あの数、通路を埋め尽くさんばかりなんだけど。アタシたち1〜3体の相手しか戦ってないから、あそこまで多いとどう戦っていいのか全然わかんない。しかもウォリアーにメイジとか事前情報に無いやつまでいるし、これヤバいんじゃ…


「よーし!やるぞー!」

「おう、ちゃっちゃとカタァつけようぜ。」

「にゃあ!」

「きゅう!」


 ちょっと嘘でしょ!?向こうのパーティー全員やる気みたいなんだけど!なんで誰一人として逃げようとしてないの?おかしくない?ベルっちはこっち側だと思ってたのに…。あーベルっちの横顔かっこよすぎる。スクショ撮りたい。そんな暇ないケド。


「あ、あのっ、作戦とかはあるんでしょうか?」

「ああ、こいつが突撃して、漏れたやつをこっちで叩く。それしかねえ。」

「ア、 アヤさん一人で突撃ですか!?」

「他に案があるなら言ってくれ。オレにはこのくらいしか思い浮かばねえ。」

「異議なし!」


 エミリーちゃんの質問にベルっちが答える。アタシも一人で突撃はちょっとねって思うけど、突撃する本人から異議なしの声が出た。マジか。


 アリはどんどん近づいてくる。うっ、近くで見ると迫力がヤバい。アヤは気にならないみたいで、杖を装備すると魔法の準備を始めた。向こうにもメイジとかいるし、先手を取るつもりかな?そして、アリがアヤまであと数メートルって所まで来たとき、アヤが動いた。


 まっすぐアリの群れに突っ込んでいって、一番前のアリの攻撃を器用に躱した…んだよね?ぶっちゃけ、アリの方から攻撃を外しにいったようにしか見えなかった。まあでも流石にそんなわけないから、アヤが避けたんだと思う。そのまま、その後ろのアリへと杖で攻撃した。…魔法は?


 瞬間、大きな風船でも破裂させたみたいな音がして、アヤが攻撃したアリが弾け飛んだ。え、グロ…くはないか。チラチラ見える断面は光るポリゴンだし、もしかして、相手の体内に杖を突っ込んで、魔法で爆発させたのかな?ごめんやっぱグロいわ。


「敵に混乱が見えます。今のうちに畳み掛けましょう!」

「任せんね!」

「は、はい!」

「りょーかい!」


 ガバナンさんの号令に従って、敵に攻撃を仕掛ける。本来の作戦とはちょっと違うけど、アヤの攻撃で敵が浮足立ってる今しかないって判断なんだと思う。確かにそう見えるから、こっちからも攻撃を仕掛ける。さーて、やっと撮れ高が期待できそうな展開だ。…さっきのアヤ襲撃も炎上覚悟ならワンチャンあるかも?うーん、()()かも。後でまとめよ。


「『ウインドボール』!」

「ふっ」


 アタシの放った風魔法は、近くのソルジャーアリにヒットした。お、ダメージはともかく、結構いい感じに怯むじゃん。そこにくりむーの放った矢が突き刺さる。すげー、よくあんな動く相手に当てられるよね。しかも矢が結構深く突き刺さってて、ダメージもアタシの何倍もスゴイんだけど。なんかアーツでも使ったのかな。


「ギイアアア!!」

「こっちです!『プロキシ』!」


 かなり体力を減らしたソルジャーアリが、反撃でアタシたちを狙おうとしてたけど、エミリーちゃんがスキルで自分の方へとソルジャーアリの注意を向けた。あー、助かる。近くに来られたら、アタシ間違いなく死ぬし。このゲームの掲示板で、練習すれば敵からダメージ食らいながらでも魔法を撃てるって一部の人が言ってたけど、アタシには無理ゲー。オートでしか魔法は使える気がしない。詠唱覚えてないし。


「これで…『スティング』!」

「ギイアアァァァ」


 盾を構えたエミリーちゃんにソルジャーアリが攻撃している隙に、ガバナンさんがスキルでトドメを刺した。よっしゃ!いい感じ!


 そう喜んだのも束の間、アリがまた何体かこっちの方に漏れ出てきた。うげえ、またソルジャーじゃん。ワーカーがいいな。いないの?


「くたばれオラァ!」

「にゃあ!」

「きゅう!」


 こっちに来たアリに対して、ベルっちや従魔ズの攻撃が降り注ぐ。いや、従魔ズはアレ攻撃っていうかサポート魔法じゃん。もしかして攻撃魔法使えないカンジ?まあ、見た目どおりっちゃ見た目どおりか。


 ベルっちは、持ってたツルハシでアリをガンガン殴って攻撃してる。ワーオ脳筋。あー、でもそっか。従魔ズのサポート魔法があれば、あれってかなり有効な攻略法っぽいよね。ATKが強いなら、かなりの期待ができそう。そして、怖い顔してアリに攻撃するベルっちもカッコいい。ほんと美人は得だな。


「アハハハハハ!!ていっ!」

「「「「「イギギギギギギイイイイイ!!!!!」」」」」


 …うん。あっちは地獄だな。アヤが杖を器用に振り回しながら、アリをガンガン倒していってる。強すぎじゃない?ていうかあの杖、そこら辺で売ってる杖に見えたけど、あの使い方でよく折れないな。意外と耐久値が高いのカモ。くりむーがそれをみて、なんかちょっとあっちに混ざりたそうにしてる。くりむーも大概戦闘民族だよね。


 それにしても楽しそう。なんだろ、周りのアリを消して、背景を砂浜とかにすれば、めちゃくちゃ絵になると思う。はしゃいでる美人ってカンジで。しっかし、この状況でよく笑えるよね。


 まあ、この笑い声が聞こえる間はたぶん大丈夫ってことだから、あまり気にせずに目の前のアリに集中しないと。後ろはタヨトさんがきっちりみてくれてるし。それに戦闘に参加してるメンツの中じゃ、アタシが一番死にやすいのは間違いないんだし。


 あー、マジでワーカーこないもんかなー。




《只今の戦闘でプレイヤーのレベルが上がりました》


 お、おわった〜。アナウンスが聞こえた瞬間に、その場に思わずへたり込む。ヤバい。めっちゃ敵多かった。めっちゃ敵強かった。8回くらい死んだかと思った。え?逆になんでアタシまだ生きてんの?なんだろ、ここ数年で間違いなく一番頑張ったわ。


 疲れ切ってるのはアタシだけじゃなくて、他のメンツもほぼ一緒だ。ベルっちとか地面に大の字になってるし。エミリーちゃんも、座り込んで盾に体重を預けてる。まーそうなるよねー。


「んーっ!ふぅー。やっぱり体を動かすのは楽しかー!」

「んーっ!ふぅー。イエイ!勝ったね!」

「にゃあ!」

「きゅう!」


 おかしくない?あの一番動いてた人たちが一番元気ってさ。マジでどうなってんだ。まあでも、これで撮れ高はバッチリだからいいけどね。



 そう思わないとやってらんない!!


補足

緋赫紅:弓がメインウェポン。実家が古武術の道場であり、近接戦闘もできる。カワイイ子は守ってあげたくなる。


エミリー:小柄なタンク。小動物的な雰囲気とは裏腹に、戦闘技能はパーティーでも上位。

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